【雑談】 ファミコンの思い出


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ハードオフで美麗な中古ファミコンが売っていたので800円でゲットした。きちんと、ACアダプター、RFスイッチも入っている。ついでに美麗なディスクシステムもあったので買っておく。家に着いてから組み立ててみる。数分後、そこには少年時代に遊び倒したファミコン&ディスクシステムの姿が。接続がカンタンということで長らくツインファミコンを使っていたが、やはりファミコンといったら任天堂の純正にかぎる。

さて、ファミコンという思い浮かぶのは父親のことだ。

我が家にファミコンをもたらしたのも、ディスクシステムを探し出してきてくれたのも父だった。

ディスクシステムを買いに行くとき。私も付いて行くことになった。電車に揺られてついたのは、まだ「電気街」だった頃の秋葉原だ。父親は、石丸電気をはじめとする家電デパートを一軒ずつ回り、店員にディスクシステムがないかを聞いていく。当時は品薄で、どこの店員も首を横に振るばかり。最初は喜んでついていった私だが、そんなことが何軒かつづくと次第に、「今日は手に入らないんじゃないか」と不安がひろがっていく。それを誤魔化すように不機嫌になった。「ねえ、ディスクシステムはまだ?」。そんな風に父親に詰め寄る私はなんて可愛くない子どもだったのだろうと恥ずかしくなる。ああ、穴があったら入りたい。だが、父はそんな私に笑いかけて言った、「もう少し、もう少しな」。

すでに足は棒のようになっており、どこかで休みたい気満々だった私。しかし、当時の秋葉原には、スターバックスカフェはおろか、マクドナルドも、喫茶店すらなかった。足をブラブラさせていじけ気味の私をおいて、父は薄暗い露店のようなところに入っていく。しばらくすると暗闇から顔を出し、私にむかって「おいで、おいで」をした。露店に足を踏み入れる幼い頃の私。「これか?」 父親が指差す先には、グレーとイエローの素地にディスクシステムの写真の載ったパッケージが!それはまさしくディスクシステムだった。

大きく首を縦に振る。父は財布からお金を出して、会計をすませる。露店にしては丁寧なほど、商品を包装紙でつつみ、手提げ袋に入れて私に渡してくれた。両手にかかる重量感。それは、ぎっしりつまった夢の目方のように感じられた。

遅い昼食を、JRの昭和通口にあった立ち食いそば屋ですませる。私も父もざるそばだった。立ちっぱなしだったが、もう疲れは感じなかった。その後、父にキップを買ってもらい、ふたたび電車に揺られて帰路へ。「家に帰ったらやるのか?」、「どんなゲームがあるんだ」、父はそんなことを聞いてきた。ゲームのことなんて分からないはずなのに、嬉しそうに何度も聞いてきた。その理由は、今なら分かる気がする。たぶん、私がとても楽しそうな顔をしていたからだろう。

「持ってやろうか」。家に着くまで、何度も父に聞かれたが、私は首を横に振った。子どもながらに父にこれ以上迷惑をかけたくなかったのだ。ここから先は自分の仕事だと思って、手のひらにヒモの跡をたくさんつけながらも、一人で家まで持って帰った。でも、本当にやらなければならなかったことは、そんなことじゃなかったんだ。でも、当時の私には恥ずかしくて言えなかった。それはたったひと言。

     「お父さん、ありがとう」

ファミコンとディスクシステムには、こんな思い出がある。

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