『ザナドゥ』の思い出を語ってみる。

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Dragonslayer_II_Xanadu_-Falcom-2

ザナドゥ─――それはいつか還るべき“約束の地”。

こんにちわ、レトロゲームレイダース/ジョーンズ博士です。

ファミコン少年だった私が、「市販のゲームではオレの乾きを癒せない。自作のゲームを作ってみる」と意気込んでMSXを手に入れたそんな1980年代。パソコンゲーム少年になった私の目の前に立ちはだかった存在が、日本ファルコムの世紀の大傑作『ザナドゥ』でした。

小難しい話はヌキにしましょう。私にとって『ザナドゥ』こそパソコンのゲームであり、これほど衝撃を受けたゲームも他にありません。今となっては想像もつかない話でしょうが、当時のパソコンゲームユーザーのほとんどが有していた『ザナドゥ』。当時、近所のパソコンショップには同志たちが座ってゲーム談義をくり拡げられるようなスペースがあり(私もちゃっかりその一員だったりしたわけですが)、そこでも常に『ザナドゥ』の話題が出ていました。


しかし、当時小学生だった私は高価なパソコンソフトをほいほい買える身分ではありませんでした。ただでさえ、MSXという高価な買い物を両親に頼んでいるのです。さらに「8000円出してザナドゥを買え」とは言えないくらいの空気は読めました。

「食糧難に陥った!」「地形にはまった!」「装備が弱くてやられた!」「鍵が高くて買えねぇ!」なんて話から、「とりあえず、レベル0ではカリスマ100で、レベル移動に不可欠なBlack OnyxとFire Crystalをだな…」「レベル2の初っ端からRavenとかSir-Gawaineが強すぎる!」という話まで。何を言っているのかまるで私には分からないのですが、常連の先輩(高校や大学生、サラリーマンもいた)は、そういった苦難の体験を楽しそうに話すのです。

今にして思えば、当時はまだパソコン通信もなく、パソコン雑誌も少ない時代。ゲームの攻略の情報交換は、こういったコミュニティの中でしか行なえなかったのでしょう。そんな先人たちはただのパソコンゲームオタクだったのでしょうか。いいえ、私の目にはそんな風には映りませんでした。私の目の前にいたのは、キングドラゴン討伐に燃える冒険者たちであり、傷を負い挫折を味わいながらも闘志を失わない戦士に他なりませんでした。

憧れの存在、といっても過言ではありません。


月日は流れました。

1990年代のある日。私は渋谷のパソコンショップでMSX版の『ザナドゥ』と邂逅を果たしました。あれ以来、結局一度もプレイする機会のなかった『ザナドゥ』。私はようやく自分の力でソフトを購入できるようになり、それは入国の資格を手に入れたようなもの。

あの思い出のパソコンショップは数年前になくなっていました。パソコンゲームの主流が、PC8801シリーズからPC9801シリーズへ。そしてDOS/Vの侵略を受け、Windows95の時代に進む中、ついに閉店。集まっていた常連たちの行方も分かりません。そして、奇しくも『ザナドゥ』と再会した前日、私はPC-Engine版の『風の伝説ザナドゥII』をクリアしたばかりでした。この作品にはサブタイトルがあります。それは─―、「The Last of DragonSlyer」。そう、ひとつの時代が終わったのです。


『ザナドゥ』という作品は、決してユーザーフレンドリーなゲームではありません。極悪な難易度を誇るマゾゲーという言い方もできるでしょう。しかし、当時のプレイヤーたちは口を揃えてこう言います。「名作だ!」、「面白かった!」…と。私が体感した“仲間”たちとの共通の話題となり、同じ目的のために語り合い、“試練”に立ち向かったという時代が、背景にあるのではないでしょうか。

残念ながら、今、私がプレイをしてもあの頃の冒険者たちと肩を並べて語り合うことはもうできません。過ぎ去った時の果てにある輝かしい思い出。そして、可能ならばいつかたどり着きたい理想郷。それが、私にとっての『ザナドゥ』なのです。

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