ひと筋縄にはいかねぇなぁ、乙女心とカラクリは。
前作『がんばれゴエモン』は、アクションあり、ヒミツの地下通路あり、迷路あり、というひとつのゲームにいろいろな要素を混ぜ込んだ、実にコンシューマゲームらしい作品でした。そんなゴエモンの要素を受け継ぎながら、「日本全国の旅」というエッセンス、ボスキャラとの対決、そして二人同時プレイを加えたのが、本作『がんばれゴエモン2』なのでした。とても楽しいゲームです。
今夜も、歴史に埋もれし、レトロゲームの魅力に迫ってみよう。
こんにちわ、レトロゲームレイダース/ジョーンズ博士です。
今回発掘した作品は、1989年にコナミがファミコンで発売した『がんばれゴエモン2』。これは言わずもがな、あの『がんばれゴエモン からくり道中』の正統続編であり、ファミコンのために作られた唯一無二の作品です。
この作品の最大の特徴は、エビス丸。以後の作品でゴエモンの相棒となる怪盗忍者エビス丸がはじめてゴエモン作品に登場した記念作でもあります。怪しい関西弁をしゃべり、さりげなくゴエモンを使いこなし、温泉ではちゃっかり女湯に入る…。そんなエビス丸とゴエモンを操作する二人同時プレイが可能になった本作は、難易度もそれほど高くはなく、九州から北海道まで日本を縦断する旅を友だちとワイワイ盛り上がりながら楽しめるゲームに仕上がっています。
がんばれゴエモン2とは何だったのか?
本作のゲームとしての完成度は折り紙つきです。そもそも1988年~1990年はファミコンの成熟期。ユーザーの「ゲームを見る目」も越えてきた時期ですが、メーカーもハードの特性を理解し、培ってきた技術力を活かしてあの手この手とアイデアを盛り込んだ作品を多くリリースした豊作の年でもあります。特に、この頃のコナミは神がかっており、『グラディウスII』、『悪魔城伝説』、『ラグランジュポイント』、『コナミワイワイワールド』、『エスパードリーム2』、『スーパー魂斗羅』、『魍魎戦記MADARA』など、今なお受け継がれている数々の名作を生み出しました。
この頃のコナミ作品は、一つひとつ明確なコンセプトがあったように思えます。本作においては、「みんなでワイワイと楽しめること」。その証は、前作よりもっとも進化したステージ構成です。グラフィックで全国各地の名所を出したり、核エリアにちなんだ敵を出したり、新たに加わったボス戦もご当地ネタが満載です。
同じようなステージが続くゲームが飽きられていた時代。本作は、「次のステージはどんなことが待ちつけているんだろう」というプレーヤーの好奇心を満たし続けるために、2メガという容量を惜しみなく使いました。つまり、ステージこそ、本作の魅力。ゲームシステムの進化についてつらつらと書くよりも、この各ステージの凝りようを見ていただくほうが『がんばれゴエモン2』の魅力が伝わるでしょう。
名曲と名高いBGMを聞きながらお楽しみください。
牢屋で知り合ったエビス丸からカラクリ城の財宝について聞くゴエモン。
「よしっ、ひまつぶしに行ってみるか!」
壱岐(牢屋~街~庄屋屋敷)
なんなく牢屋を抜け出したゴエモンは、カラクリ城について知っているという悪徳庄屋の屋敷を目指す。
待ち受けていたのは、スモウロボ! ある程度ダメージを与えると中から庄屋が出てくるぞ。
肥前・肥後・豊後
備前(今の長崎)で飯屋で食べられるのは南蛮渡来のカステーラ。町並みもどこか西洋風だ。
肥後(今の熊本県)では阿蘇山が噴火中! 降り注ぐ火山弾に負けるな、ゴエモン!
伊予・阿波・土佐・讃岐
伊予(今の愛媛県)では道後温泉でひと休み。 金毘羅山の参道の階段はとても長いぞ!
観光名所でもある祖谷のかずら橋では風神・雷神が攻撃! 鳴門の大渦に巻き込まれたら命がないぞ。
安芸・長門・出雲・因幡・備前
厳島神社の大鳥居もこのように再現。のどかな風景がつづくが、鹿と鹿せんべいは出てきません。
備前(今の岡山県)では関所前でボス戦に突入!モモザンヤは赤鬼・青鬼を吐き出してくるぞ!
播磨・摂津・河内・山城・大和
播磨でコナミマンが出てくるのはコナミの開発室があったから。山城では大文字焼きも見られる。
「ここであったが百年目!」五条大橋で弁慶が襲いかかってくる!奈良には大仏がおわします。
伊賀・伊勢・尾張・飛騨・信濃・甲斐・駿河・大井川
伊賀に突入すると忍者たちの襲撃が待っている。伊勢神宮では注連縄で結ばれた夫婦岩の姿が!
駿河では日本一の山・富士山を堪能できるがただ今噴火中! 飛騨は森林の迷路だ!
伊豆・相模・武蔵・日本橋・江戸城
伊豆ではおかっ引も波乗り仕様に。相模におわす鎌倉の大仏の前で激闘をくりひろげるゴエモン。
ようやく着いた懐かしの江戸。BGMが『がんばれゴエモン』のメインテーマになるのはにくい演出!
上野・下野・越後・羽後・陸奥
東北エリアに入ると敵が人外の者ばかりになってくる。GB版『でろでろ道中』の伏線か何かだろうか?
イタコに呼び出される謎の影。ゴエモンと同じ武器を使用する同キャラ対決に興奮は高まるばかり!
蝦夷・カラクリ城
さすが北の大地は寒い!ボスはヒグマの赤丸。冬眠していないクマはとても強暴だ、食われるな!
カラクリ城の中はカラクリ兵がいっぱい!城主に会うまでに4体のボスと戦わなければならないぞ!
ゲームの終盤で一体何が起こったのか!?
ちなみに画像の女の子はヤエちゃんではないよ。ゲームをプレイしていてほとんどのプレーヤーがずっとギモンに思っていたであろうことがエンディングで明かされます。
そんなわけで、後にSFC版ゴエモンシリーズへつながる重要な一手としてシリーズ方向性を決定付けた本作。しかし、後のギャグ&カラクリ路線に傾倒する前の和風な感じが残ったゴエモン作品として、やっぱり『がんばれゴエモン2』は貴重な一品です。今遊んでも全然面白いので、なんとかバーチャルコンソールで復活しないものかと思う今日この頃なのでした。
バーチャルコンソールで配信されましたので、記事を再録させていただきました。
=注意=
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