【発掘希望】 幻のPC-FX版『天外魔境III MAMIDA』を偲んで泣く。

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タイトル

ちくしょう! 本当にNAMIDAが止まらない!

PS2で発売された『天外魔境III MAMIDA』。しかし、実はこのタイトルにはもう一つの『天外魔境III』が存在していたことをご存知だろうか。それは、PC-FX専用ソフトとして開発されていた幻の作品。もろもろの事情により、闇に葬り去られたこの『天外魔境』こそ真の『III』であり、シリーズの本当の完結編であると声を大にして言いたい。



 幻のPC-FX版天外魔境IIIのストーリー(らしい)
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ジパングの創造神であるマリとヨミが宇宙の彼方へと旅立ってから数年。
過去最大の戦いは、蒼き月の歪みからはじまった。

夜空にうかぶ月が突如ひび割れを起こし、
ジパング九州地方各地に、突如、異形の軍団が姿をあらわしたのである。
大門教でもなく、根の一族でもなく、
それらよりも強力で雄々しい一団は次々と各地の村や町を襲っていった。
その魔の手は、中央よりはるか南にある平和な漁村・火後の村へも。

村で平和に暮らしていた漁師を目指す少年・南弥陀(ナミダ)は、
あの日、謎の一団によって両親と村人たちを殺され、生まれ育った村を失う。
復讐に燃える南弥陀の瞳に映るのは、一団を率いる謎の老人・徐福(ジョフク)。
ジパングには「鏡」を七つ集め、
ある儀式をおこなったとき、大きなわざわいが起きると伝えられていた。

火後に隠されていた鏡を手に入れ、儀式を行なう徐福。
すると、月は完全に割れ、虚空の狭間より何者かが姿を現した。
その者の名は“無禹(ムウ)”。
3000年前、ジパング創造の折に「一族に仇なすもの」と判断され、
マリとヨミによって封印されし者。その封印が、今、解かれたのだ。
強大な力をもって、ジパング全土を占拠しようと本格的に動き出す“無禹”。
各地において火の勇者たちが次々と倒されていると聞く。
今、ジパングは、開国以来最大の危機を迎えようとしていた。

しかし、希望がひとつ。
そのことに、“無禹”はおろか多くの人々がまだ気がついていない。
特別な生い立ちを持つ南弥陀(ナミダ)だけに許された禁忌の力。
九州に散らばる7つの鏡を介して、過去の世界へと飛ぶことができる奇跡を。

現代、過去、そして天界と冒険の舞台を広げて始まる『天外魔境III NAMIDA』。
悲しみの過去に燃えさかる炎を勇気にかえて―――、ナミダ翔ぶ。

 あのPS2版じゃ納得ができないぞ!
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『天外魔境III NAMIDA』は、現在PS2で発売されていますが、その10年前にPC-FX用ソフトとして動いていた前身となるプロジェクトがありました。それが「幻のPC-FX版」です。

この幻のPC-FX版は、名作『天外魔境II』のスタッフがそのまま開発に関わることになっており、特に肝であるゲームシステム・シナリオは、あの『天外魔境II』のシナリオを担当した桝田省治氏によるものでした。実はここの部分が極めて重要。これについて、当時リアルタイムで『天外魔境II』の圧倒的パフォーマンスにやられた方々はきっとご賛同いただけるでしょう。

桝田氏はもともと広報畑の方らしいのですが、ゲームデザイン・シナリオに関して恐ろしいほどの才能を持った方です。ゲームデザインについては、同氏が手がけた『リンダキューブ』『俺の屍を越えていけ』とプレイしていただければ分かりいただけるはず。特に、私が声を大にして言いたいのはシナリオです。桝田氏の書くシナリオは、決して感動する一流の文学などではありませんが、ただただ面白いです。グッとくるのでする

その面白さは、映画監督ジェームス・キャロメンの書く脚本に似ている気がします。例を挙げるなら、ベトナム戦争に駆り出された兵士の悲哀を描いた『ランボー』。出兵前は国民みんなが「行って来い、正義を見せてやれ」とけしかけていたのに、戦争の長期化と政権交替などにより兵士が戻ってきた頃には、命をかけて戦ってきた兵士を「人殺し」呼ばわりし、排斥する自国の国民たち。戦場で多くの仲間たちを失いながらも祖国のために戦ってきた兵士たちに帰るべき場所は無い…という社会現象を痛烈に批判したヒューマンドラマです。そんな重たいテーマを背負った『ランボー』を、ベトナムで消息を絶った元・上官を救うために怒り爆発のアクション映画に仕立てたのが、ジェームス・キャメロンという人。

同様のことが『エイリアン2』でもいえます。ホラー映画というジャンルでは収まらない壮大なロマンを感じさせる『エイリアン』を「今度は戦争だ!」というキャッチコピーを引っさげ、血沸き肉踊るアクション大作に変貌させたのもやっぱりキャメロンでした。

『ターミネーター』という映画があります。この映画は低予算映画にも関わらず、大ヒットを記録したアクション映画です。人々に強烈な印象を残したのが、アーノルド・シュワルツェネッガー演じる未来から来た殺人アンドロイド・ターミネーターT-800。続編を作る上で、再びシュワルツェネッガーを起用したキャメロン監督は、前作で主人公サラ・コナーを殺しに来たターミネーターを、今度はサラの子供を殺しに来た新型ターミネーターから守るガードマンに仕立て上げました。

あまりにも有名な「I’ll be back.」は、
パート1では、「オレは再びお前たちを殺すために戻ってくる」
パート2では、「お前たちを助けに必ず戻ってくる、心配するな」
と、まったく逆の意味で使用されていたり。

何が言いたいかというと、桝田氏の書くシナリオは「熱い」のです。正統派を演じながらも決して正統派ではなく、
だが、「こう来たか!」という驚きの展開を持ってくる。思い出していただきたい、『天外魔境II』にはそんな仕掛けがたくさんありました。

仲間になると思ったカブキ団十郎が「つるむのはイヤだ」とどこかに消え、卍丸たちを先回りして巻物を勝手に取っていってしまう。どう見ても一番か弱い女の子である絹が、実は鬼の血を引くという設定から腕力による攻撃力はパーティ随一。いつも主人公たちの訪問を待っているという不文律をぶち壊し、エリア突入後、居城ごと主人公たちに攻撃を仕掛けてくる右のガーニン。エリアボスを倒すという戦闘以降、殺された妻の復讐のために裏切り者の烙印を押されながらもストーカー化するデューク・ペペ。

私がプレイしたかったのは、そんな『天外魔境III』でした。PS2版もハドソンの威信をかけて作られた大作だけにクソゲーとは程遠いなかなかしっかりした作品ではあるのだが、「復活を望んでいたIIIではなかった」というのが本音のところです。< br />
上記のストーリーは、現存する幻のPC-FX版『天外魔境III』の情報をまとめたもの。「すっげー、面白そう!」と思うのは、オレだけじゃないはず。カタチだけの『III』じゃなくて、本当にやりたかった『III』を、どんなカタチでもいいから出していただけないですかね、ハドソンさん(あ、もういないか)。REDさんでもいいんだ(涙)。

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