【リプレイで振り返る天外魔境II】 第01話 火多のガキ大将

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天外魔境IIタイトル

私の手元に一冊の書物がある。『FAR EAST OF EDEN』、エデンのはるか東と名づけられたこの本にはジパングという名の神秘の国について記されており、その国に古くから存在する“火の一族”といわれる者たちの活躍が描かれている。私はその物語の第二章に特に心を奪われた。

今宵より何回かにわたって紹介しよう。『天外魔境II 卍MARU』の世界を。

オイラの名前は、戦国卍丸(せんごく まんじまる)。
「火多(ひだ)の国の卍丸様」っていったら、稀代のガキ大将としてここいらではちったぁ有名なんだぜ。
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今日も母ちゃんのうまいご馳走を食べていると、村の大人たちが家に押しかけてきた。うへぇ、面倒くさいことになっちまったなぁ。でも、さすがオレの母ちゃん。「子供のケンカに大人が出てくるなんて大人気ない」って、オレを二階から逃がしてくれたんだ。

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ありがとう母ちゃん。今日はどうしても外せない用事があるんだ。今日は年に一度の「高山祭りの日」。子分たちにその祭りを見せてやるって約束をしてたんだ。

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隠れ家である神社に到着すると、子分たちが待ちきれないって顔で待っていた。悪い、悪い。よしっ、それじゃ、おめえら準備はいいか?高山祭りに出発だ!

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意気揚々と村の外に出た途端…、グラグラグラグラ…!おっと地震だ。結構大きいぞ。・・・収まったみたいだな。なんだか最近地震が多いな。まあ、いいや。出鼻をくじかれちまったが、高山祭りへ急ごう!

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高山の町に着くと、もう祭りの準備で町全体が大賑わいだった。うひょー、ワクワクしてきやるなぁ!なんでも今年の祭りには、大和地方の権力者タイクーンとかいうおっさんも見物に来ているという。ふーん、興味ねえや。でも、タイクーンて奴はオイラに用があるらしく、挨拶しに行かなくちゃいけないらしい。あー、面倒くさいな。パッパと終わらせて祭りだ祭りだ!

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初めて会ったタイクーンっておっさんは思っていた以上に変な奴だったぜ。「自分がジパングの王になる」とかなんとかそんなことばっかり言っていて人の話を聞きゃしねえ。まったく偉い人間ってのは何を考えているのか分からないぜ。それよりも不気味だったのは、タイクーンの子分らしい三人だな。

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なんだかオイラを見る目が他の奴と違う気がする。それに、話しかけられただけなのに、鳥肌が立ってきやがったぜ。まるで野獣に襲われるときみたいに、いやそれ以上に危険な“敵意”みたいなものを感じちまった。どーしちまったのかな、オイラは。まあいいや。とにかく祭りだ、祭りだ!

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!?

惨劇は突然やってきた。まさに大地という大地を砕かんとばかりの巨大な地のうねりが、ジパング全土を襲ったのである。家屋は倒壊し、川は氾濫し、あまたの火柱が立ち上る!

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だがそれも、これから起きる惨劇のほんの序章でしかなかった。混乱が収まった後、人々は見た。その驚異的な生命力によって地の底より生えてきたおぞましい巨大な植物を。そして理解する。ここ数日の地震の原因、そして目の前で起きた天変地異の正体は、この植物の胎動であったことを。

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つづく。

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