【珍作発掘】 『友情伝説 ザ・ドラえもんズ』─―本家・小学館が放つドラえもん版ファイナル●ァンタジー!

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タイトル

ぼく一人の力で、ゲームクリアしないと、
ドラえもんが、安心して、帰れないんだ!!

「ドラえもんゲームの最高傑作は、FCで出たハドソン版だ!」とか、「いやいや、エポック社版のギガゾンビの逆襲だってすごいぜ」とか、「本命はPSで出た不思議のダンジョンタイプの“魔界のダンジョン”だろう?」とか、「いやいや、3DSで出ている“ドラかず”でしょ、常識的に考えて」とか。いろんな諸説があるけれども、ドラちゃん風に否定させてもらえば、その理論は間違っている。正解は、この『友情伝説 ザ・ドラえもんズ』だ!

ブログ代表
こんばんわ、レトロゲームレイダース/ジョーンズ博士です。

今回発掘した作品は、『友情伝説 ザ・ドラえもんズ』。1995年に小学館から3DO-REAL用ゲームソフトとして発売された作品です。ドラえもんをテーマにしたゲーム作品はいくつか存在しますが、本作は、そのような作品の中でダントツに“原作をわかっている作品”。ヤバいです。ドラえもん風に表現するなら、のび太が枕とやかんを持って部屋の中を駆け回るぐらい、凄いドラえもんゲームです。

では、何が凄いのか?

【その①】 本家・小学館が制作総指揮をしている。
【その②】 ドラえもんズの初登場作品であること。
【その③】 ドラえもん版ファイナル●ァンタジーというべきRPGであること。
【その④】 ゲームのいたるところにアニメ版BGMが使われていること。
【その⑤】 ほぼフル音声であること(旧・声優陣)。
【その⑥】 マイナーな秘密道具が出てくること。(チョイスが渋い!)

▼オープニング▼

そう。ゲームのためのオリジナル設定ではなく、原作の延長線上にある設定を藤子・F・不二雄先生に作ってもらったこと。この点が、他のドラゲーとは大きく違う点と考えます。

≪ストーリー≫

西暦2112年9月、聖ネコ型ロボ工作センターでは次々とネコ型お世話ロボットが作り出されていた。そう、ドラえもんもここで生まれたのだ。ここで誕生したネコ型お世話ロボットは、人間たちのお世話をする勉強のために、聖ネコ型ロボ学園に通うことになっていた。その学園でドラえもんは、大親友と呼べる6人の仲間と出会い、彼らは永遠の友情を誓いあう。そしていつしか、ドラえもんとともに「ドラドラ7(セブン)」と呼ばれるようになった。

ある日、ドラえもんが親友テレカを使って仲間の1人であるドラ・ザ・キッドに連絡をしようとしたが、いくら呼び出しても、ドラ・ザ・キッドとの連絡がとれない。不審に思ったドラえもんはもう1人の仲間、王ドラを呼び出したが、同じように連絡がとれない。彼らの身に何かあったのでは?と心配をしていたその時、大ニュースを持ってドラミがやってきた。

なんと、ドラえもんを除いたドラドラ7の仲間たちが、彼らの生まれ故郷とでもいうべき聖ネコ型ロボ工作センターを襲ったという。さらに彼らは、すべてのネコ型ロボットを引き連れてどこかへ姿を消してしまったとも…。

22世紀の未来で何が起こったのか?
また、親友たちに何があったのか?

彼らとの友情を取り戻すために、ドラえもんとのび太の冒険が始まるのでした。

ゲームは、親友テレカの導きによりタイムマシンで各時代に行き、ドラドラ7たちを正気に戻らせる…というもの。パーティはドラえもんとのび太のみ。アニメタッチで描かれた各時代で情報収集を行ない、必要に応じて戦闘を行ないます。

戦闘シーンは『VI』までのFFのようにサイドビュー形式。ドラえもんはオールマイティに対応できるキャラですが、ネズミが出てくると一発で戦闘不能に。のび太は頼りない印象がありますが、今回は親友テレカでドラドラ7たちの能力を借りることができるため、パーティリーダーといった活躍を見せます。

ジャイアン、スネ夫、しずかちゃん、出来杉といったキャラは出てきません。しかし、本人たちとそっくりなキャラが各時代には存在し、そのまんまの声でしゃべるのでご安心ください。

原作のノリを分かりすぎているゲームイベント!
redline

例えば、最初のドラ・ザ・キッドの話の場合。
西部開拓時代にたどり着いたドラえもんとのび太の2人は、ある情報を手に入れるために街に一軒しかないバーに足を運びます。「J・BAR」という名前の時点でイヤな予感がしていたのですが、案の定、バーの店長はジャイアンそっくりな人。しかも、歌が得意らしく、自分の歌を最後まで聞けたら情報を教えてくれると言います。

すると、いきなり戦闘シーンへ!
ここで流れるBGMは、アニメ版でジャイアンの歌として知られる2パターンあるうちのマイナーなほう「ラップンロール・ジャイアン」。このあたりのチョイスにもうハートを掴まれっぱなしです。ひどいカタチの音符が飛んできて、当たるといきなり致死量のダメージを喰らい、あっけなく死亡。

復活したドラえもんとのび太は、生身ではあの歌に勝てないと学習しね秘密道具・「集音機」を手に入れ、再び「J・BAR」に訪れます。そして戦闘開始。集音機を使うと、ひどいカタチの音符は集音機に吸い込まれていきます。「今度は大丈夫そうだね」と語るのび太の前で、いきなり集音機が爆発!あまりにひどい声なので壊れてしまうのです。再び死亡。

そして今度は、耳バン(魔界大冒険で出てきたヤツ)を用意し、三度目の戦闘を開始。以下はその様子を映している動画です。

このようにですね、全編ドラえもんワールド全開(藤子・F・不二雄節)でくり広げられる『友情伝説 ザ・ドラえもんズ』。まさに、未来に語り継がなければならない一品だと、私は確信します。

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