【ゲームの名作発掘】 『R-TYPE FINAL』─―STGはついに“戦争時のヒトの業”を描くまでになった。

Pocket

タイトル加工

最終決戦の記録であり、
“すべてのはじまりの物語”でもある。

ブログ代表
こんにちわ、レトロゲームレイダース/ジョーンズ博士です。

今回発掘した作品は、アイレムソフトウェアエンジニアリングによって2003年7月に発売されたPS2用シューティングゲーム『 R-TYPE FINAL(アールタイプ ファイナル) 』。タイトルの通り、1980年代後半、金属と有機体による独特の世界観、1ドットが生死を分けるゲームバランスで一世を風靡したシューティングゲームシリーズの完結編となります。

しかし、ただの完結編ではありません

このゲームが描いているのは、グラディウスシリーズにおける『III』のような“宿敵とのもっとも激しい戦い”ではなく、“長く続く闘いの中で次第に狂っていく人類”なのです。すべてのシステムはそこに帰結しており、このような作りのシューティングゲームは他にはないという点において、未来に伝えなければならない作品であると、私は考えています。

誰が望んでいるのか!?総数101機の機体選択!!
redline

さて、本作には「どう考えてもおかしい独自のシステム」があります。

それが、自機として使える機体が最終的に101体まで増えていくというもの。そのラインナップの中には、初代『R-TYPE』、『R-TYPE III』、『R-TYPE ⊿(デルタ)』、別次元の物語である『R-TYPE LEO』といったこれまでのシリーズで出てくるすべてのR9シリーズが使えるだけでなく、機動戦士ガンダムにおけるMSV(モビルスーツバリエーション)のように、さまざまな試作機や局地戦闘用などが用意されています。

さらに、アイレム作品である『イメージファイト』シリーズや『Mr.ヘリの大冒険』と自機までもが使えるというアイレムオールスター祭典のような豪華な作りとなっているのです!

といっても、自機を増やして長く遊んでもらおうってハラなんだろ?
 そんな魂胆がぷんぷんするぜ!

と、勘ぐる方もいらっしゃるでしょう。でも、それは浅はかというもの。このシステムの意義を正しく理解するためには、このシステム自体と、R-TYPEシリーズの設定を理解する必要があると思います。

まずは、本作のシステムについて。

本作の自機は、最初から101機すべてを使用できるわけではありません。最初に使えるのは、「R-9A」、「R-9D」、「R-9F」という、これまでのシリーズで使っていた機体とほぼ同性能のもの。これらの機体で、ステージを進撃したり、設定されている使用時間数を突破したり、機体の撃墜数が一定を超えたり、といった条件を満たすことで次々と新型がロールアウトされていくのです。

つまり、ゲームとしてのプレイ内容すべてが「戦闘記録」となり、新型機体の開発に貢献していく…ということなのです。本作の難易度は高いということ。しかし、幾多の戦士たちが宇宙(そら)の藻屑と消えていっても、その戦闘行為自体は記録され、より強い機体開発に繋がっていく。そんなシューティングゲームが、本作なのです。

本作が描いている宿敵バイドとの最終決戦「オペレーション・ラストダンス」は、一説によると1世紀以上にわたる戦いといわれています。その渦中、あるときを境に、新機開発は何かか狂い始めてしまいます。あきらかに人道的な観点から問題と思われる機体が数多く作られるようになってくるのです。

『R-TYPE』という作品は、裏設定がひどいというのも有名な話です。

『R-TYPE』
人間の脳味噌を機体に積んで機体に直結しているため、実は人間そのものがパイロットとして乗っているわけではない。


『R-TYPE II』

機体に乗るパイロットは手足(四肢)を切断され、胴体と頭部のみ。胴体や脳は直接機体へと接続され、信号を送って操縦している。これは人類の能力を対バイドにおいて最大限発揮するために、余計な機能を可能な限り取りまくったため。


『R-TYPE III』

推定年齢14歳の少女の肉体に幼体固定処理をされた23歳の女性を直結。機体にパイロットとして乗せている。

これまでもそうであったように、人類はバイドとの戦いに勝つために手段を選ばなくなってくるのです。まさに、戦争の狂気!開発を担当していた「TEAM R-TYPE」は、ゲームが進めば進むほど暴走をしはじめます。やがて、対バイド兵器であるフォース以外にも、バイド細胞を使ったRシリーズを開発するなど、その狂気は次第に明らかに、そしてより強大な力を帯びてくるのでした。

数限りない犠牲の果て、人類はバイドを消滅させることが可能な最終兵器が三機完成します。人類が持てうるすべての技術の結晶たる最終兵器「R-99 ラスト・ダンサー」、その技術の未来への継承を目的とした「R-100 カーテン・コール」、そして最後まで使用意図が明かされなかったラストナンバー「R-101 グランド・フィナーレ」。これらの開発を最後に「TEAM R-TYPE」は解散されることになります。

そして、本シリーズの設定について。

シリーズの宿敵である「バイド」とは、極めて強い排他的攻撃衝動に支配された超束積高エネルギー生命体であり、人類と同様の2重螺旋構造の塩基配列を持つ自己増殖機能を備えた粒子構成の生命体の総称です。

物質でありながら波動としての性質も備えており、バイドそのものに対しては等質の波動を持ったものでないと干渉できないため、有効な対抗手段は波動兵器(波動砲)やバイドの切れ端を使用した兵器フォースに限られています。

そんなバイドは、実は
26世紀の人類が敵対する外宇宙生命体に対抗すべく、生体物理学・遺伝子工学・魔道力学までも応用して作り出した星系内生態系破壊用兵器でした。バイパスパイルを通じて敵母星へと向けてワープさせる予定が、些細なトラブルによって太陽系で発動してしまい、暴走。制御不能に陥ったソレに甚大な被害を受けた人類は、次元兵器によって異次元へと追放することにかろうじて成功します。しかし、ソレは破壊されてはおらず、22世紀の太陽系へと襲来!22世紀の人類によって「バイド(Bydo)」と名付けられ、人類とバイドの長い戦いがはじまるのです。

本作のラストステージ。

バイドの本体を追って最終兵器は、深淵の地で“何か”に遭遇します。実は本作において、闘いの終末がどうなったのかという明確なメッセージはありません。唐突に、椎名へきる嬢の歌がはじまってゲームは終わってしまいます。しかし、上記のシステムと設定とあわせて3つのラストシーンを見たとき、シリーズを通してプレイしてきた戦士にだけは、“見える”はずです。戦いの果てに何があったのかを。

そういう”含み”を持たせた演出として、私は本作のエンディングについては肯定派です。

ストーリーや設定に凝ったシューティングゲームは数多く存在しますが、世界観の広がりとゲーム内外の演出にここまでこだわった作品は他にはないでしょう。

『 R-TYPE FINAL 』。
まさに、クリアした者だけでこっそりと語り合いたいゲームです。

1クリックお願いします記事が面白いと思ったら1クリックいただけると助かります!

   

Similar Posts: