
ゲームの展開が、ちょっと速すぎて候。
こんにちわ、レトロゲームレイダース/ジョーンズ博士です。
みなさんは、コナミの名作アクションゲーム『がんばれゴエモン』をご存知でしょうか。そして、その『がんばれゴエモン』が、実はシリーズ二作目であるという事実を。
今回、発掘した作品は、コナミヒーローの一人・ゴエモンのデビュー作!1986年にアーケードゲームとしてリリースされた『Mr(ミスター).五右衛門』です。
結論からいうと、『がんばれゴエモン』とはまったく違うタイプのアクションゲームです。
ゲームシステムは、サイドビューのアクション。攻撃方法はご存知の「キセル」か、ステージ内に落ちている「投げられるアイテム(こっちは弾数あり)」の二種類。1ステージ2面構成(フツーの前半・ボスのいる後半)になっています。
画面構成は、4段構造になっており、スティックの「↑」で上の段にジャンプ、スティックの「下」で下の段にダウンという感じ。画面構成はカプコンの『ソンソン』風で、操作方法はナムコの『パックランド』といったところ。
また、敵にぶつかっただけではダメージを受けることはなく、「捕まえられた状態でほおっておくこと」、「敵が投げたものにぶつかる」ことでダメージを受けます。このあたりは、トレジャーの『ガンスターヒーローズ』っぽいです。
本作の最大の不幸は、続編であり、ファミコンオリジナル作品である『がんばれゴエモン』が有名になりすぎたことでしょう。
「脅威の2メガロム」
「当時のコナミゲームにありがちな地下ステージがあるパターン」
「通行手形を3つ集めるという展開」
「お店でアイテムを買う」
「迷路といったオマケゲームがある」
このような『がんばれゴエモン』で付け足された要素は、実は、ゲーム内容がアクションにシンプルすぎた『Mr.五右衛門』の反省点から生まれたとの説もあります。
『Mr.五右衛門』は、当時、アーケードゲーム界の鬼軍曹といわれていたコナミ(“プレーヤーがいたら瞬殺しろ!”といわんばかりの高難易度ゲームばかり作っていたから)にしては珍しく、比較的、ライトユーザーでも長く楽しめるアーケードゲームでした。
逆に言えば、ちょっと慣れてしまうと15分くらいで全面クリアできてしまうほどのボリュームしかなく、どちらにしてもゲーセンでの寿命は短い運命だったのかもしれません。
そんな本作のことはいつの間にか忘れ去られ、『かんばれゴエモン』は人気シリーズとしてスターダムにのし上がり、RPGになったり、メカが出てきたり、倒幕をしたり、宇宙に行ったり、ダンサーになった理由を探しに行ったり、ワルノリしてPS2でこけたり…。いろいろ展開していったのです。
しかし、開発スタッフの中には、「いやいや、ゴエモンといったMr.五右衛門でしょう!」と思っていた人もいたようで、ゴエモン出演作品のいくつかには、本作を匂わせるリスペクトが垣間見えました。
『コナミワイワイワールド』の江戸ステージは、
実は『Mr.五右衛門』のオマージュ。
『がんばれゴエモン2』に出てくる波乗り岡っ引きも、
そのアイデアは『Mr.五右衛門』時代からあったのだ。
スーパーファミコンから出てくるようになった、たぬきの信楽焼き。
この初登場も『Mr.五右衛門』でした。
スーパーファミコンになってからサイドビューステージが復活!
多段構成も見られるように。
▼プレイ動画はこちら▼
プレイステーション2の『俺たちゲーセン族』シリーズで移植される予告があったのですが、その前に出した『サンダークロス』などの疑惑問題によって、移植自体がなくなってしまいました。
最近では、Xbox360の『Game Room』にひっそりと移植されています。しかし、処理の問題で完全移植というわけではないらしく、評判はあまりよくないみたいですね。
とはいえ、パパッと遊ぶにはちょうどいいアクションゲーム。
こんな作品があったことを、時には思い出してみてもいいのではないでしょうか?
