「これが本当の七英雄だ」、とのことです。
こんにちわ、レトロゲームレイダース/ジョーンズ博士です。
『ロマンシング サ・ガ』シリーズをひと言でいうと、それは「RPGの新しい可能性を切り拓いていくシリーズ」といえるのではないでしょうか。
スーパーファミコン全盛期、かつては王道である『ドラゴンクエスト』に対してエッジの利いたシリーズであった『ファイナルファンタジー』は、真新しいことに挑戦しながらもユーザー層をマスに捉えた作りへとシフトしていきました。そして、ファミコン時代はFFが占めていた位置に新たに就いたのが、『ロマンシング サ・ガ』シリーズだったように思えます。
ロマサガは万人受けする作品ではありません。
ただし、玄人好みする作品ではあります。
『ドラゴンクエスト』が創りだした「コンピュータRPGとはこういうものだぜ」というガイドライン。その上に乗りながら「ドラクエとは違うぜ」をやってきたのが『ファイナルファンタジー』だとすると、ロマサガは「ガイドラインから自分たちで作っちゃうぜ」をやり遂げた作品でした。
説明書を見ないと、ルール自体がよく分からない。否、既存のRPGを楽しむ気分でプレイすると「なんじゃこりゃ」と思うのだが、きちんと理解したうえでプレイすると、取り憑かれるような魅力があります。
そんなシリーズですが、真新しいシステムをガンガン取り入れた作品群である一方、ゲーム全体の大半は「戦闘シーン」という昔ながらRPGという一面がある点も面白いですね。本シリーズの戦闘は総じて難易度が高く、ザコ戦でも油断をすると壊滅的被害、ともすると全滅しかねません。「戦闘=経験値稼ぎの作業」とは決して言えないところが、ロマサガの魅力です。
そんな戦闘シーンを盛り上げるのが、作曲を担当する伊藤賢治さんによる名曲の数々。「戦闘の曲は苦手」と本人はおっしゃいますが、「いや、あなたのベースのメロディラインがたまらない楽曲の数々は、月曜日の会社に行く勇気をオレに授けてくれているぜ」と、ジョーンズ絶賛です。
で、ようやく本題。
『ロマンシング サ・ガ』生誕20周年を記念して、伊藤賢治氏によるアレンジアルバムが発売されています。しかも、バトル曲だけに絞ったというコンセプトに、クル人はクル感じです。あくまでもアレンジなので、ゲーム中の曲に音が増えたバージョンを期待すると一部ガッカリするかもしれませんが、いずれも実に「おおっ、これぞロマサガよ!」といえる仕上がりになっています。
個人的に、オススメしたい一枚です。