【怖い話】 7号室の話。


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怪異

知り合いのエリーさん(仮)の話。

エリーさんは学校を卒業した後、食品スーパーに入社した。
実家から配属になったお店は遠かったので、女子寮に入ることに。
あてがわれたのは、廊下の隅にある部屋「1号室」。

とにかく食品スーパーの店員は忙しい。
毎日、朝の6時には売場に入り、夜帰るのは22時以降…。
そんなわけで、フラフラだったエリーさんは寮に戻ると布団を敷いて
とっとと寝てしまった。

タンタンタン、タンタンタン…

そんな音が聞こえてきたのは、深夜にさしかかった頃。
エリーさんは目が覚めた。

(うるさいな…)

と思いつつも、その音がなんなのかはすぐにわかった。

実は、女子寮には外付けのコンクリートの階段があり、
二階にいくにはその階段をのぼる必要があるのだ。
一番隅にあるエリーさんの部屋は階段に面しており、
コンクリートを降りる足音が部屋に伝わってくる。

タンタンタン…と。

時計を見ると、時刻は午前2時をまわっていた。

(こんな時間に誰が?)

すると、職場のおっちゃんが話していることを思い出した。

「女子寮は基本的に男子禁制なんだけど、
 逢引している奴らは結構いるんだよ。
 部屋でいちやいちゃして寝静まった頃に男が帰るらしいよ」

(ああ、これか)

そのまま、エリーさんは深い眠りに落ちていった。

翌日。
エリーさんは出勤すると、おっちゃんに昨日の逢引について話した。
おっちゃんも笑う。
すると、「もう1つ、おもしろい話を教えてあげよう」と
女子寮に伝わる“開かずの間”の話を語り始めた。

「7号室は、もうずっと使われていないんだ。
 なぜかって?
 昔、女子社員の首吊りがあったんだ。
 仕事が忙しいのを苦にしてだか、
 彼氏にフラれただが、
 朝、出勤してこないってんで問い合わせを受けた管理人が
 部屋を開けると、ブラーンと身体が揺れていたんだってさ。
 天井から釣り下がっている電球のコードをつかって
 こう、首をきゅっとね。
 そんな具合だったらしい。

 まあ、みんなに知れ渡っちゃったから使用禁止にした…。
 表向きはそうなっているけど、
 本当は“出る”らしいんだよ、死んだ女の子が。
 好きだった男を一番中ずっと待ち続けているんだって。
 だからさ、7号室は開かずの間になったんだよ」

(そんないわくつきの部屋があったとは、こわいこわい)
エリーさんはそんな想いをもって、寮に帰った。

うわさの7号室は、正面入り口に一番近い部屋なのだが、
知り合いの先輩が住んでいた。
しかも、結構長く使っている様子だ。

(あれ、開かずの間じゃなかったの?)

おっちゃんの話は、そもそもウソだったのだろうか。
なんだか腑に落ちなかったが、その日も早く寝た。
明日も早いからだ。
また、逢引を知らせる足音が真夜中に響いたが、気にしないことにした。

数日がすぎた。
その日、公休を取ったエリーさんは部屋を掃除することにした。

掃除道具を借りに物置に入ると、古い寮の間取り図が壁に貼ってある。
どうやら何かの当番を決める際に使ったものらしい。

1、2、3、4、5、6、7…。

寮の1階の7つの部屋が書かれ、番号がふってある。

あれ?

間取り図の部屋の号数が、実際のものと逆なのだ。
1号室が7号室に、2号室が6号室…といった具合に。
何かがひらめきそうだったが、
エリーさんはモヤモヤを振り払って掃除をすることにした。

深夜。
今日も聞こえる、外の階段を使用する音が。

タンタンタンタン、タンタンタンタン…。

あらためて疑問に思った。
なんでこの足音は、「上にのぼって下におりて」をくり返しているんだろう。

タンタンタンタン、タンタンタンタン…。

そう、ずっとくり返しているのだ。
階段の上り下りを。
この足音は、たぶん自分が寝てしまった後もずっとつづけているのだ。

そう思って、急に「ゾッ」と鳥肌が立った。
ふと、ある可能性が頭に思い浮かぶ。
膨れ上がっていく不安に耐え切れず、確かめずにはいられなくなった。

ドアを開け、廊下に飛び出して、ドアにあるナンバーを見る。
紙で書かれた簡易プレートに「1号室」と書かれている。
その紙を外した。

すると、その下から、「7号室」とかすれた文字が出てきた。

女子社員が首を吊ったという首くくり部屋は、
今は一号室と名前を変えた自分が住んでいるこの部屋だったのだ!
廊下の明かりが部屋を照らす。
自分が寝ていた布団は、照明の真下に敷かれている。

(首を吊った真下で、私は寝ていたのか)

タンタンタンタン、タンタンタンタン…。
タンタンタンタン、タンタンタンタン…。

唐突に、ある情景が浮かんだ。
いつまで待っても来ない彼氏を待ちわびて、階段を上り下りしながら
いつまでも待ち続ける自分と同年代の女の子。

タンタンタンタン、タンタンタンタン…。
タンタンタンタン、タンタンタンタン…。

足音は聞こえ続ける。

タンタンタンタン、タンタンタンタン…。
タンタンタンタン、タンタンタンタン…。

足音は聞こえ続ける。

タンタンタンタン、タンタンタンタン…。
タンタンタンタン、タンタンタンタン…。

足音は聞こえ続ける。

その足音は、エリーさんが寮を出るまで毎晩聞こえ続けたという。

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