ゲームボーイ版『ツインビーだ!』は、ファミコン版ツインビーのゲームボーイへの縮小移植…と思っていたら大間違い。実は、ストーリー設定ではシリーズ最終作であり、スパイス大王やガトランティス、ポコポコ大魔王をどんぶり島に送り込んだ黒幕が姿を現す物語だったりします。
さあ、今宵も、歴史に埋もれし、レトロゲームの魅力を紐解いていこう――。
こんばんわ、レトロゲームレイダース/ジョーンズ博士です。
今回発掘した作品は、コナミが1990年10月に発売したゲームボーイ用ソフト『ツインビーだ!』。パッと見た印象では、ゲームボーイに移植された初代『ツインビー』の劣化版と思われそうですが、それは誤りです。
実は、完成度が高く、『ネメシス』(グラディウスのゲームボーイ版)と同様に、好事家の間では、「時代がDSや3DSになろうとも、ゲームボーイSP所有してこれだけはやっておけ。」と言われている作品。PSPで発売された『ツインビーポータブル』にも本作のアッパーバージョンが収録されていることからも、評価の高さがお分かりいただけるのではないでしょうか?
実は、シリーズ最終作!? それが『ツインビーだ!』
まず、みなさんに訴えたいのが、1990年に発売されたゲームボーイ用ソフト『ツインビーだ!』は、ツインビーシリーズの時系列でもっとも未来にあたる時代設定であること!
そして戦う敵は、『ツインビー』のスパイス大王、『もえろ!ツインビー』のガトランティス、そして『ツインビー3』のポコポコ大魔王を作りだした天才博士、Dr.ニッキであること!
シリーズを通して戦ってきた敵の大ボスがついに現れるという、シリーズ最終作といえる作品である点です。これは押さえておかなければなりません!
~~~ 補足説明 ~~~
発売当時、しっかりしたシリーズ設定がなされていなかったため、本作の取扱説明書ではスパイス大王の侵略とガトランティスの襲来は『もえろ!ツインビー』の設定にある100年という時間経過が記載されていない。また、後年発売された『出たな!ツインビーヤッホー!』の取扱説明書には初代ツインビーたちの物語と記載されているが、そうなるとDr.ニッキが第三世代と戦ったガトランティスとポコポコ大魔王を作り出したという設定、まだ開発されていないグインビーが出てきているという設定とも整合性が取れない。コナミからの公式設定ですらグチャグチャなのである。
というわけで、今回の記事では公式設定を無視し、「Dr.ニッキがシナモン博士と小学校時代からのライバルだったこと」をなかったこととして、本来あるべき「ツインビー3の後日談」という前提のもとに話を進めています。チト、いろいろ面倒くさい説明になっていますが、本作がシリーズにおいて重要なポジションにあること、そしてゲームとしても面白いことは変わらないので、お許しください。
ツインビーシリーズは、大きく分けると、1986年から始まった「第一期シリーズ」と、1991年から世界観がリファインされた「第二期シリーズ」というものがあり、後年作られた設定によると、“三世代にわたる冒険と戦いが描かれるシリーズ”となっています。
≪ 第一世代 ≫ ===============
ツインビーパイロット:アンナモン♂
ウインビーパイロット:ドンナモン♂
ツインビーとそのパイロットのアンナモンは実は別宇宙のソルティアスから事故で漂流してきた。機械でありながら、人間と自由に意思の疎通を行なうソルティアス産の戦闘機であるツインビーをもとに、シナモン博士とドンナモンは妹機となるウインビーを開発する。アンナモンはその後、シナモン博士の助手としてどんぶり島で暮らすことになるのだが…。
=該当作品=
『ツインビー』(AC・FC・MSX)
≪ 第二世代 ≫ ===============
ツインビーパイロット:ライト
ウンイビーパイロット:パステル
グインビーパイロット:ミント
アンナモンの息子であるライトは父親からツインビーを受け継ぎ、ドンナモンの娘であるパステルはウインビーを受け継ぐ。サポート機としてグインビーが製造され、親戚の男の子ミントが専属パイロットとなる。パステルはライトにほのかな恋心を抱いていたが、いとこ同士(と聞かされていた)ゆえに気持ちを封印。ところが、ある事件により、実は血が繋がっていないことが発覚し、たいへんなことになってしまうのだ。
=該当作品=
『出たな!ツインビー』(AC・PCE・PS・SS)
『Pop’n ツインビー』(SFC)
『レインボーベルアドベンチャー』(SFC)
『ツインビー対戦ぱずるだま』(PS)
『ツインビーヤッホー!』(AC・PS・SS)
『ツインビーRPG』(PS)
≪ 第三世代 ≫ ===============
ツインビーパイロット:スカッシュ
ウンイビーパイロット:ホイップ
グインビーパイロット:メロウ
スパイス大王を撃破してから100年。異星人の本格的な侵略がはじまり、シリーズは最大のクライマックスを迎える。スパイス大王の息子を名乗るガトランティス、自身が巨大な侵略兵器である
ポコポコ大魔王との連戦を経て、ついに黒幕であるDr.ニッキが姿を現す。
=該当作品=
『もえろ!ツインビー』(FCDS・FC)
『ツンイビー3』(FC)
『ツインビーだ!』(GB) ←今回発掘した作品!
本作はゲームボーイオリジナル作品ということなので、ゲームとして高いパフォーマンスを期待するとちょっと肩すかしを食らうかもしれません。しかし、出来が甘いということは決してなく、携帯ゲーム機のシューティングとして高い完成度を誇っています。
『グラディウスIII』はシリーズ完結編である最終戦争を高難易度設定というカタチで表現しました。しかし本作はそんなことはなく、難易度も抑え目でクリアするのはそんなに難しくない。ただし、上手くクリアしようとするとテクニックがいるというバランス調整がされているため、幅広い人に楽しめる作品です。
ゲーム内容は一作目を強く意識しているようで、『ツインビー3』まで作ったノウハウを活かしてふたたび『初代ツインビー』を作り直しているような感じ。まさにタイトルの通り、「これが、ツインビーだ!」というゲームになっています。
BGMも第一作目の「Twinbee’s hometown song」のアレンジバージョン「WIND POWER」を使用していたり、過去作品のボスのリデザイン版とのボスラッシュステージがあったりと、最終作を意識した豪華な演出(白黒だけど)も見逃せません。
『ネメシス』、『ネメシスII』とともに、コナミの職人魂を感じさせる作品として、ぜひ一度は遊んでいただきたい作品ですね。今なら、3DSのバーチャルコンソールでDL可能です。
>>3DSバーチャルコンソール「ツインビーだ!」HP
>>コナミHP
=注意=
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