『パックマン』といえば、ドットイートゲーム(クッキーをどんどん食べていくゲーム)の代表作であり、映画『ピクセル』の題材にもなったビデオゲームの傑作です。そんなパックマンが1980年代に、グラフィックを強化して立体的に華麗な変身をとげたのが、こちらの作品『パックマニア』。なぜか私はMSX2版でプレイばかりしていました。
さあ、今宵も、歴史に埋もれしレトロゲームの魅力を紐解いていこう――。
こんにちわ、おひさしぶりのレトロゲームレイダース/ジョーンズ博士です。
今回発掘した作品は、1987年に発表されたナムコ(現・バンダイナムコゲームス)から発売されたアーケード用のドットイートタイプのアクションゲーム。実はパックマンシリーズの五作目になるゲームです。
=うんちく、パックマンシリーズ=
『スーパーパックマン』
『パックランド』
『パック&パル』
本作は、シリーズを重ねるごとに複雑化したドットイートアクション型パックマンの魅力を再確認するためか、ゲームシステムは初代パックマンにかなり近いシンプルなものになりました。トビラをあける必要もなく、屋根がある部屋もなくなり、攻撃に転じるパワーエサも復活。おなじみのデモ画面、パックマンショーもあります。
大きな特徴はビジュアル面で、初代パックマンのステージ構成を立体的なクォータービューに変更。パックマンやモンスターたちもキャラも大きく、そしてシステム87基盤のスペックらしい立体的な描写になりました。結果として、1画面構成だった『パックマン』とは異なり、画面を結構上下左右にスクロールしなければステージ内の全エサをゲットできない仕様となりました。
心ない人はこの点を改悪と言います。しかし、私はそうは思いません。
本作は、『パックマン』をベースにしていますが狙っているゲーム性は別のところにあり、全体視点による戦略戦が『パックマン』であるなら、局地における戦術戦が『パックマニア』なだけです。
実際にその場所に行ってみないと、まだエサが残っているか分からないという「探索」と、画面のスミから急にモンスターが現れたときの「判断」というメリハリは初代『パックマン』以上に明確となり、対処方法のひとつにジャンプが加わったことで、詰め将棋のように言って間違えるとゲームオーバーまで一直線になることが多かった初代よりも、逆転・リカバリーの機会がグンと増えました。
かくいう私は、ぶっちゃけ、『パックマン』を楽しめない系男子だったわけですが、『パックマニア』と出会い、『パックマン』の面白さに気が付いたクチです。
ナムコはこうやって過去の名作をくり返してリメイクします。それを「リメイク商法」「拝金主義」「新作作れ」と罵る方もいますが、たぶん、バカなんでしょうね。ナムコの時代に合わせた過去作のアレンジメントはなかなか素晴らしく、名作をただの過去作にせず、今でも遊べる面白さを伝える手法に長けていると高く評価しています。
ただ、過去のコンテンツに頼りすぎると、故ハドソンの『ボンバーマン』のようになってしまうので注意は必要だと思いますが…笑。
話がズレてしまいましたが、「パックマンはちょっと…」という方にこそ、本作はぜひ遊んでいただきたいと思います。軽快な音楽も実にナムコらしくGOODです。