【名作発掘】 『悪魔城ドラキュラ』――ディスクシステムに燦然と輝く至高のホラーACT!

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シモン・ベルモンド、悪魔城へ挑戦!

人々の歴史の影に、“魔”とよばれる闇の眷族たちがいる。そして、その者たちと何世紀にもわたって戦い続けてきた一族がいる。その名は、ベルモンド。かの者たちは卓越した精神と、人間離れした身体能力、そして一族に代々伝わる魔を立つ聖鞭を持ち、戦いつづけてきた。血の因縁を持つ魔王ドラキュラと。そんなベルモンド一族の伝説を世に知らしめた英雄シモン・ベルモンド。ある意味、“はじまりの物語”といえる本作とは一体どんな作品だったのか?

さあ今宵も、歴史に埋もれし、レトロゲームの魅力を紐解いてみよう――。




ブログ代表
こんばんわ、レトロゲームレイダース/ジョーンズ博士です。

今回、発掘した作品は、コナミから1986年9月26日に発売されたファミリーコンピュータ ディスクシステム用ソフト『悪魔城ドラキュラ』です。

今日までつづくドラキュラシリーズの一作目は、当時から注目を集めるほど異彩を放っていました。その面白さは、HD画質、フルポリゴン、3D表示がスタンダードとなった今のゲームと比べても決して引けを取ることはありません。なぜ、『悪魔城ドラキュラ』はここまで私たちの心をつかんで離さないのでしょうか?

今回はその点について探ってみたいと思います。

魔王ドラキュラと呪われし一族、果てしなき戦い
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≪ストーリー≫
舞台は中世ヨーロッパにある平和な小国トランシルバニア。この国には「魔王ドラキュラは百年に一度、キリストの力が弱まる頃に、邪悪な人間の祈りによって復活し、復活のたびに力を増していく」という伝説がある。

ドラキュラは過去に一度復活したが、その時は英雄クリストファー・ベルモンドによって倒された。しかし、それから百年が過ぎた頃、邪教徒がドラキュラ伯爵の亡骸に人間の生き血をそそぐ黒ミサの儀式を行ない、ドラキュラ伯爵を復活させてしまった。復活したドラキュラを倒すため、ベルモンド一族の青年シモンは、父ゆずりの不思議な力を秘めたムチを手に、一人ドラキュラ城へ乗り込む。

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『悪魔城ドラキュラ』の魅力のひとつ、それはまさにダークファンタジーと呼ぶにふさわしい世界設定にあるといえるでしょう。

主人公のシモン・ベルモンドは、復活した魔王ドラキュラ伯爵と戦うことを宿命付けられた一族の末裔。闇の眷属に支配された悪魔城に、彼は単身乗り込まなければなりません

手にした武器はムチひとつ。一見、無謀と見えるこの戦い。しかし、ベルモンド一族に伝わる聖鞭“バンパイアキラー”は、その名の通り、闇のものたちに対抗する唯一の手段であり、絶大な破魔の力を秘めた最終兵器。それを操るベルモンド一族を、ドラキュラ、そして腹心の死神をはじめとする闇の者たちは警戒しているほど。この光と闇(あるいは闇と闇?)の戦いが本作の根底には流れています。

聖鞭“バンパイアキラー”に、なぜそのような力が備わっているのか。なぜ、ベルモンド一族はドラキュラと対峙する宿命を背負っているのか。

残念ながら本作ではその解答が提示されることはありません。しかし、シリーズを重ねてプレイしていくことで、ドラキュラとベルモンド一族のフクザツに絡み合った運命の糸は少しずつ明らかになっていき、PS2版『キャッスルヴァニア』において、ついに“はじまりの悲劇”が明らかになります。

エンディングで流れるオーケストラバージョンの「Vampire Killer(本作のステージ01のBGM)」を聞いてグッとくるためにも、それまでのシリーズをプレイしておくといいですよ。

つまり、ドラキュラシリーズとは、閉ざされた歴史のミッシングパーツを作品をプレイすることで解き明かしていく。そんな楽しみ方もできる稀有な作品群なのです。

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シンプルだが飽きさせない手堅いゲームデザイン
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当時のファミコンのゲームは「子ども向け」というカラーが強かった中で、本作はユニバーサル配給の古き良き「モンスター映画」を意識したかなりの異色作です。パッケージからゲーム内の雰囲気にいたるまで、すべてが独特の存在感を持っていました。

ゲームの内容というものはいたってシンプル。ドラキュラが住む悪魔城に潜入し、モンスターを駆逐しながら、各フロアの最後に待ち受けるボスを倒していく…というもの。

しかし、この各フロアというのが、実に個性的なカラーをもっています。それは色で言えば一画面にBGで8色しか使用できないという制限の中、黒を基調にした、色の組み合わせによるコントラストが絶妙です。たった8色だけのグラフィックで、これだけの世界観を描いている作品が他にあるでしょうか。

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それを輪をかけて素晴らしいのがステージギミックです。「つり天井」、「時計台」、「牢獄」、「回転床」…など、それぞれのフロアのテーマにふさわしい、イタリアンホラー映画らしい仕掛けが出してくるなど、映画好きを思わずニヤリとさせるにくい演出が満載です。

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一体ずつ魔物の屍を越えていけば、ドラキュラに近づける
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このゲームの独特の雰囲気を形成している要素は「ムチ」です。ベルモンド一族に代々受け継がれている
という、対吸血鬼用の聖鞭“バンパイアキラー”は、連射や連打といった連続攻撃こそできませんが、ある程度の射程距離があります。

この性能によって、 「ある程度敵に近づいて、確実に倒す」というこのゲームの基本スタイルを形作っているのです。

難易度が高いゲームと思われがちな作品ではありますが、実はそんなことはありません。基本的には、現れた敵を1体ずつ倒していけば、先に進めるゲームです。

ただし、ダメージを受けるとライフ制のため即死こそないが、硬直し当たり判定があるまま体が後ろに吹っ飛ぶため、ダメージの連鎖、落とし穴への落下という惨劇を引き起こしかねません。そのため、敵の出現ポイント、攻撃・移動パターンを覚え、先手必勝で確実に駆逐し、ダメージを受けないようにする…というプレイスタイルが求められます。

逆にいえば、これさえ覚えれば誰でも先に進めるという、絶妙な難易度なのです。

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奏でられるのは、ハズレなしの名曲たちredline

BGMについて、ふれないわけにはいかないでしょう。

『悪魔城ドラキュラ』のBGMはすべて名曲です。最近では「名曲」とか「神曲」という言葉がカンタンに使われるようになってしまいましたが、優れたゲームミュージックにはいくつかの条件があると私は思っています。

1.一度、聞いたら忘れられないフレーズがある
2.ゲーム中の演出・雰囲気にぴったりマッチしている
3.音源にあったチューニングが施されている

本作のBGMはすべてこの条件を満たしていると思っています。コナミのディスクシステム用ソフト第一弾ということで開発が急がれたせいか、ディスクシステムに内蔵されたFM音源による演奏でない点はちょっと残念なのですが、独特のメロディは本当に心を高揚させ、シモン・ベルモンドとプレイヤーのシンクロ率を高めてくれます。

後のシリーズ作品にも本作のBGMのアレンジが使用されるといった事実から、いかに多くの支持を集めているかがお分かりいただけるではないでしょうか。

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ちなみに、後にROM版は曲にアレンジが加えられています。ROM版の『悪魔城ドラキュラ』の中古価格がプレミアなのは、出荷本数が少ないということもあるが、BGMのアレンジがされている点でマニア心をくすぐっているからではないでしょうか。

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ベルモンド一族の戦いはつづく!
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今ではすっかり長大なシリーズと成長したドラキュラシリーズ(キャッスルヴァニアシリーズ)。本シリーズのように、各作品に過去作品へのオマージュが散りばめられているシリーズはなかなかありません。そういう意味では、近年の作品からプレイをした人でも過去の作品を楽しめます。

この『レトロゲームレイダース 最後のゲー戦』でも、随時、ベルモンド一族とドラキュラとの戦いの歴史を追っていきたいと思います。

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今、遊ぶ方法
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ファミコンディスクシステムが原作になる本作ですが、今、ディスクシステムでプレイするのは難しいです。

ディスクシステム自体は低価格で手に入るのですが、内蔵されているドライブベルトが経年劣化により、ボロボロ&断絶しているため、動かない場合が多いのが理由の1つ。安いからといって、ハードオフなどでジャンク品を買うとありがちなのがこの罠です。

このベルトも代替品と交換すれば動きます。Googleで「ディスクシステム ゴムベルト 自作」と検索すると、勇敢なるレトロゲーマーたちのサイトでこの問題解決の方法が提示されているので、興味がある方はぜひご覧ください。

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