【雑談】 FF4のラスボス・ゼロムスは、もう少しなんとかならなかったのだろうかの件について

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やらないか

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こんにちわ、レトロゲームレイダース/ジョーンズ博士です。

今回は、「ファイナルファンタジーIV」のラスボス・ゼロムス(ゼロス)について触れながら、「FF4って、ストーリーの脇が甘いよね」という話をしたいと思います。

もちろん、これは「個人の感想」ですので、別の意見もあるかと思います。「いや、俺にとってFF4は聖書みたいなものだから!」とか、「オレのフェイバリットゲームにケチつけないでくれ!」とか。もちろん、それはそれでありですし、私も否定しません。むしろ、いろいろな意見を聞かせていただけると、楽しいです。

さて、本題です。

私は、「ファイナルファンタジーIVという作品を、コンシューマRPGの歴史を変えた一作と評する一方で、ストーリーの収束のさせ方についてはひでぇな」と思っています。

すべての元凶・ゼムスとは、何者だったのか?
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月の民に生まれた異端の天才であり、FF4の舞台である青き星を力で征服しようと試みた男です。結果として、フースーヤと正気を取り戻したゴルベーザによって倒されてしまうのですが、その憎しみの心を持った魂は、完全暗黒物質ゼロムスとして復活を果たすことになります。

で、個人的には、「完全暗黒物質」という中二臭いネーミングにゲンナリするとともに、その復活劇の根拠のなさにガッカリし、「ストーリーはマジでいけていないFF」とまで思ってしまうわけです。

いや、FF4のストーリーは途中まではこちらを盛り上げるんですよ。

裏切りに裏切りを重ねる親友カイン、黒い甲冑ゴルベーザの圧倒的存在感、ゴルベーザ四天王との戦い、暗黒騎士からパラディンへのクラスチェンジ、バロン王が転生したオーディン…。RPGとしてのシチュエーションは時代の最先端をいっていたのですが、ストーリー全体はツギハギ感が否めず、広げた風呂敷のまとめ方に失敗したような印象もあります。まあ、RPGのストーリーというのは、そもそもゲームを進めるためのマイルストーン的機能なので、そこに質を求めるのもどうかという話なのですけどね。

まず、この作品の主人公であるセシルは、どうでもいいことにウジウジしています。それは、暗黒を使う暗黒騎士であることにコンプレックスを抱いており、白魔導士であるローザの想いに応えられないというもの。ところがプレーヤーは、このことに納得できそうで、納得できません。「そもそも暗黒って何やねん」という気持ちがぬぐいきれず、「戦闘で使ったらめっちゃ便利やんけ」という感じ。なので、「まあ、黒い服を白い服といっしょに選択すると、白い服に色がうつってしまうみたいな話なのかなぁ」と思って、理解しようとします。

しかし物語は、ある意味、「弱い心」がテーマになってきます。「弱い心は、強いに何かに付け込まれる」という話になってくるわけです。これは分かります。戦うことを意識するギルバードのイベントは、まさにその布石。リディアが炎というトラウマと戦うのも同様。そして、セシルのパラディンへのクラスチェンジも、弱い自分とどう向き合うかという話に他なりません。そして、ゴルベーザ自身も、この「弱い心」をゼムスに利用され、操られていたのでした。

では、弱い心に侵食するモノとは何なのか。

「暗黒」といえれば話は早いのですが、本編にそのような話はありません。本作における「暗黒」とは「んまー、アレだ。とにかく悪いものなんだよ、うん。これに絡み取られると、なんでも黒く染まってしまうような」的なノリで誤魔化されるだけで、明確な説明がないのです。もちろん、すべてが説明されるほうが興ざめではあるのですが、出自が分からないにしても、どういう作用のあるもので、どういう使われ方をしているのかという説明ぐらいはほしいところ。その説明がないからこそ、FF4のストーリーは最後で台無しになっていると私は感じています。

ミジンコといわれる完全暗黒物質・ゼロムスの造形も、なんか残念です。

個人的には、アイレムのシューティングに出てきそうなラスボスだなという印象。胸に湧き出てくる感情は、スティーブン・キングの『IT』において、ITの正体が出てきたときのガッカリ感と似ています。

もしも、完全暗黒物質とセシルの暗黒が同質もしくはそれに近いもので、暗黒というものの恐ろしさを作品として上手く描けていたとしたら、暗黒騎士の「きわめて危険な暗黒を敵の殲滅のためにあえて使う職人騎士」というブランディングもできたでしょうし、セシルが潜在的に恐れていた理由も明確になります。

「もう少しなんとかならなかったのかなー」と、もう20年以上も、自分の中でモヤモヤしている問題です(笑)。

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