【良作発掘】 『ザ・ハウス・オブ・ザ・デッド オーバーキル』――グラインドハウス系のB級色が心地よし!

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ザ・ハウス・オブ・ザ・デッド
ザ・ハウス・オブ・ザ・デッドのノリが合わない人もおすすめ。

ブログ代表
こんばんわ、レトロゲームレイダース/ジョーンズ博士です。

今回発掘した作品は、セガより2009年9月17日にWii用ガンシューティングとしてリリースされた『ザ・ハウス・オブ・ザ・デッド オーバーキル』。『ザ・ハウス・オブ・ザ・デッド』というと、セガのアーケード版の印象が強いかと思います。実は、個人的に同シリーズの作品自体のアクの強さが引っかかり、あまり好きではありません。が、そんな私でも、この『オーバーキル』は純粋に楽しむことができました。

なぜならば、本作はセガではなく、UKのデベロッパー・Headstrong Gamesによる制作のもの。本家『ザ・ハウス・オブ・ザ・デッド』のゲームデザインを踏襲しながらも、本家とは明らかに違う敵デザインや演出によるスピンオフ作品。しかも、グラインドハウス系ホラー映画のドB級演出が前面に出ており、「『ザ・ハウス・オブ・ザ・デッド』はノリはダメだけど、グラインドハウス系ならOK!」という、人口が多いんだか少ないんだか分からないターゲットに訴えかけた作品です。ちなみに私はツボでした。

なので、「かなり人を選ぶ味付けのゲーム」であることは間違いなので、それを前提に記事を読んでいただけると幸いです。

candles グラインドハウス系B級ホラー映画って、何だ!?
redline

グラインドハウス」とは、B級映画ばかりを2本立て・3本立てで上映する映画館の総称です。かつては全米大都市周辺に多く存在しており、少年たちにひと時の娯楽を提供していたそうです。

中には、時期外れの大作上映をしていたらしいので、ひと昔前のアメリカ映画に出てくるドライブ・イン・シアターと同じようなものなのかもしれません。映画『グーニーズ』でチャンクがフラッテリー一家に語る二階席からニセモノのゲロを下に落とした話に出てくる映画館は、間違いなくグラインドハウスでしょう。そんなこういう映画館は、90年代に入って増えつづけたシネコンによって衰退してしまいます。

このあたりは日本で例えると、かつての不良の溜まり場であったインベーダーハウスと、プリクラの並ぶ明るいアニューズメントセンターの変遷みたいなものでしょう。

で、話はグラインドハウスに戻ります。

当然、2本立て・3本立てで上映するわけですから、まともな映画を仕入れているはずがありません。ラインナップは低予算のB級映画ばかり。低予算でエンターテイメントを提供しなければならないため、作風としてエログロ的なシーンに偏る傾向がありました。不必要に露出の多い女の人が出てきたり、服が脱げてオッパイがポロリとなったり、ポールダンスを踊っているシーンの尺が妙に長かったり。まあ、そんな感じです。

加えて、B級らしく編集がであるため、前のシーンと後のシーンでつじつまが合わない繋ぎ方(前のシーンではビリビリに破れていた服が、カメラアングルが変わると元通りになっている など)を強引にしていたなんてことは当たり前。同様のグラインドハウスで使い回されているフィルムばかりなので、上映中に「ここのリールは失われてしまいました」なんて表示がされることもしょっちゅう。

「ひどい時代だ」と思いつつも、どこか懐かしさを感じるいい加減さですね。

近年では、クエンティン・タランティーノ監督とロバート・ロドリゲス監督が、「今の技術であえてグラインドハウス系映画を撮る」というコンセプトで、『デス・フループ』、『プラネット・テラー』という映画があります。グラインドハウス系B級映画のノリを理解するには、この二本を観ると分かりやすいです。よく分からない変な作品の予告編が入っているところも含めて、実に「らしい」作りになっています。

後編につづく

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