【名作発掘】 『殺人倶楽部(マーダークラブ)』─―大切なことはみんなJ.B.ハロルドが教えてくれた。

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タイトル
子供の頃、J.B.ハロルドのような大人になることを
夢見ていましたよ。


ブログ代表
こんばんわ、レトロゲームレイダース/ジョーンズ博士です。

いまでこそ、「大人になってゲームなんてやっているのはヤバイぜ」という風潮がありますが、その昔には、「大人にしかできないゲーム」というのが存在している時代がありました。それは、1980年代中期、PCゲームにおいてのことです。

当時、パソコンは非常に高価なもので、価格は20万~40万円。そんなブルジョアなものを買えるのは大人しかいなかったわけです。そんな背景があったのか、PCゲームにはアダルティな雰囲気あふれるゲームがありました。エロゲーのことじゃないですよ

そんな中に、リバーヒルソフトがリリースしていた刑事J.B.ハロルドの事件簿シリーズがありました。

What is J.B.ハロルドの事件簿シリーズ
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『刑事J.B.ハロルドの事件簿シリーズ』とは、リバーヒルソフトが生み出した大人の雰囲気がムンムン漂う刑事推理アドベンチャーシリーズです。下記の画像を見ていただければ分かると思いますが、とってもアダルトです。

タイトル

どうでもいい話ですが、
私が金髪美人のポールダンスは最高だぜという結論に至り、「死ぬまでにやっておきたい48の必殺技」のなかに、「金髪美人とのセッ○ス」を入れるようになったのは、この『マーダークラブ』がキッカケでした。

大切なことは、すべてJ.B.ハロルドが教えてくれたと言っても過言ではありません。

主人公のJ.B.ハロルドとは?

1957年生まれ、6フィート、195ポンド。亡くなった彼の父親も刑事だったということと、学生時代に最愛の人が凶弾に倒れ、目の前で起こった惨劇に彼女を守ってやれなかったという後悔が彼を刑事にしたということ以外、彼の過去はあまり知られていない。余計なことは一切口にせず、刑事としての経験や直感、そして「誇り」を一番の頼りとしているため、一人で行動することが多い。安易に他人の意見に同調しない、少々頑固な面も。 カウンターだけの小さなバーで、煙草をくゆらしながら独りバーボンを飲むのが日課。C.パーカーやJ.コルトレーンなどのモダンジャズを好んで聴く…そんな人物。

カッコイイ大人像として、私はJ.B.ハロルドを捉え、中学校時代の「将来なりたいもの」という作文で、J.B.ハロルドのことを熱く書いて職員室に呼び出されたのも、今となってはいい思い出です。

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そんな渋いナイスミドルが、黙々と捜査を進めていくのがこのシリーズなのです。

とはいえ、このシリーズはフツウの推理物ADVとはちょっと流れが異なります。とりあえず、周囲への聞き込みからスタート。そのうち進展が見られるかと思いきや、そんな都合よくゲームは進行しません。「たばこをすう」でゲームが進んだりもしません。とにかく、聞き込み、聞き込み、聞き込み。刑事は足で稼ぐを地で行くゲームなのです。

というのも、本シリーズはちょっと変わったシステムがありまして。

捜査の過程で怪しい情報が出てきたら、それをもって検事のところに行き、家宅捜査令状を発行してもらいます。自由に家の中を探索できるようになり、またまた怪しい証拠が出てきたら今度は「逮捕状」を申請。すると、容疑者は拘留されて、いよいよ取調室での尋問となります。

このように、実際の刑事のように手順を踏みながら切り崩していくのが、このシリーズの醍醐味です。

なぜか?

それは、ゲームプレーヤーが「J.B.ハロルド」だから。このシリーズは、プレーヤー参加型の推理ADVだからです。バカやアホではクリアできません。プレーヤーがきちんと情報を把握し、事件全貌の仮説を立てて攻めていかなければ、ただのコマンド総当たりのツマラナイゲームになってしまうのです。

たしかに地味な工程が多いです。しかし、なんかオシャレなBGMと作品全体に漂うアダルティーな雰囲気は、たばこを吸えば先に進める某ハードボイルド探偵とはまた違った、「まさにJ.B.ハロルド」という世界を作り出しています。「ガキはすっこんでろ。これは大人にしか分からないゲームなんだ」、そんな主張すら感じる今日この頃です。

かなり古いゲームなのですが、ニンテンドーDSに移植されています。「誰がプレイするんだ」とツッコミを入れたくなるほどマニアックな作品(と筆者は思っている)ですが、三作品も移植されている様子。むむむ、どうせだったら、サターンで出ていた第四弾『ブルーシカゴ・ブルース』も移植してくれれば良かったのに。

マーダークラブ マンハッタンレクイエム

ガチで事件にぶつかってみたい、ゲーム中だけでもハードボイルドを気取りたい、そんなすべての大人たちにプレイをお勧めしたい作品です。

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