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ウチの母親から聞いた話。
母親は、今年のはじめに街はずれの大きな総合病院にひと月ほど入院していました。雪の降った翌日に雪かきをしていて、そこで謎の頭痛が発症。風邪薬を飲んでも、頭痛薬を飲んでも、ちっとも痛みが治まらないので病院に行くことになり、なんだかその時には、
「家にもう一人誰かいる気がする」
「名前はわからないけど、もう一人いる気がする」
と、よくわからない発言をするようになっていたので、翌日にすぐにCTで調べてみてもらったところ、くも膜下出血が発覚し、緊急入院することになったのです。
脳にダメージを負った患者は、記憶の混乱などが起きて、夜中に目が覚めると自分がどこにいるかわからないといったことが、よくあるそうです。ウチの母親にもそれと見られる兆候があり、深夜に息子である私の名前を大声で呼んだり、深夜に院内を徘徊するといったことが起きたとか。そのため、ナースステーションに近い病室に移されることになり、問題の出来事はその夜に起こりました。
母は、夜中に急に目が覚めたそうです。トイレに行きたくなったのだか。
母の病室は四人部屋であり、ご存じのとおり、その場合、一人ひとりのベッドスペースはカーテンで仕切られています。トイレは病室内にないので、廊下に出なければならず、そのためにはカーテンを開けて行く必要があります。
母はカーテンを開けました。ギョッとしたそうです。
四人部屋の室内、カーテンで仕切られて通路のようになっている室内に、移動できるベッドが二台置かれていていたのだとか。そのベッドで室内の通路はほぼ塞がれており、病室から廊下に出るためには、仕切りのカーテンと置かれているベッドで体をこすりつけながら隙間を進まないといけないほど。
しかも、ベッドには誰かが寝かされており、顔は隠すように布がかけられています。はじめは死体と最初は思ったそうですが、息はしているらしく、布の裏からは呼吸が聞こえる。とはいえ、気味が悪い。
なんとか廊下に出た母は、あれが何なのかを聞きたいと思い、ナースステーションに向かいました。ところが、ナースステーションには誰もいなかったそうです。明るく電気が点けられているが、誰もいない。「すみません、すみません」と声をかけてみるが、反応なし。カウンター奥の部屋にも誰もいない様子。
母はあきらめて、廊下に歩き、トイレを済ませて帰ってきました。自分の病室に入るときに、ナースステーションを再び確認したそうですが、やっぱり誰もいない。病室に入ると、やっぱり通路を塞ぐようにベッドが二台置かれており、やっぱり誰かがそこで寝ている。気味が悪い。
だが、母はそのことを考えていても頭が痛いだけなので、布団に入って、すぐに寝てしまったそうです。
翌朝。看護師さんによって開けられたカーテン。室内の通路に、もちろん、通路を塞ぐベッドはありません。あれは、なんだったのだろうか。
その日の夜。ふたたび、真夜中にトイレに行きたくなって目が覚めました。カーテンを開けると、また、病室内の通路を塞ぐように、ベッドが二台並べられ誰かが寝ています。廊下に出て、ナースステーションに行っても、明かりはついているが誰もいません。
そんな体験を、入院中、約ひと月にわたって体験したと言います。
くも膜下出血は、早期発見がとても重要で、三分の一が意識不明のまま死亡し、三分の一がなんらかの障害を残し、三分の一が普段通りの身体に戻って退院できるという。
どうなるか分からない状態で入院していた母は、ひょっとしたら、あちら側に片足を突っ込んでいたのかもしれません。だからこそ、こちらでは見えない世界の一端を覗いてしまったのかも。
異常心理下にあった人の見た幻かもしれないという人もいるだろう。私も同じ意見でした。その病院に入院して、母と同じものを見たという人に出会うまでは。ちなみに、その病院が建っている場所に歴史的な事件は見当たらない。現象の原因は、まったく不明のままです。
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