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こんばんわ、レトロゲームレイダース/ジョーンズ博士です。
小さい頃に、不思議な体験をしたことがあります。
その日、まだ小学生低学年だった私は、友達と公園で遊んでいました。公園といっても、郊外の地方都市によくあるアスレチックがいくつかある大きなもの。滑車すべり、吊り橋、滑り台、小山のぼり…。いろいろなもので遊んでいたのですが、「僕、帰るー」、「私もー」と、友達は一人また一人と、いなくなっていきました。最後に残ったのは、私一人だけ。夕焼けによって赤く染まった公園には、まだ知らない子供たちが何人か遊んでいたが、なぜかそこに混ぜてもらう気にもなれなかった私は一人で遊ぶことにしたのです。
目を付けたのは、土で固められた小山に開通しているトンネル。コンクリートで作られた筒でできているそれは、長さ3メートルほど。入口からのぞくと、出口の光ははるか先に見えるだけ。昼間でもちょっと怖いのだが、夕方になると出口の光はさらに弱くなっており、少年の冒険心に火を付けました。中腰になって、トンネル内を駆けていく。出口を出ると、そのまま小山を登り、入口に戻って、またトンネルに入る。それを何度も何度もくり返したのです。
日が沈むにつれて、どんどん暗くなっていく様子が、(自分はいつ音をあげるんだろう? まだいけるか? もう怖いか?)と、興奮させたのかもしれません。何度目かは分かりません。出口を出て、小山に登っているときに、私は“異変”に気がつきました。
明るい。
いつの間にか夕焼けではなくなり、空には青空が広がっていたのです。空はすごく高い。そして雲ひとつなく、澄んでいました。公園を見渡す。公園にある遊具はどれも知っているものばかりだったが、いつの間にか自分以外誰もいなくなっていました。公園周囲の景色もまるで変わっており、畑か何かが広がっていて、はるか先に、見たこともない家がきれいに建っていました。遠くからは何かを作っているのか、ターン…ターン…という建設現場で聞こえるような音が聞こえていた気がします。
見たことがない景色。見たことがない道。
それを見た瞬間、心にわき起こったのは「道に迷った!」という恐怖だった。よく冒険心を働かせて迷子になっていた私は、こういう事態に陥った時、来た道をそのまま戻るということが染みついており、トンネルの出口から入り直して、入口へと向かって戻っていったのです。
出たところは、いつも公園でした。
もう夕日は地平線に沈み、ところどころの照明に灯りがともっている。公園の外はいつも見慣れている住宅街である様子。「知っているところに戻れた」と、ほっとした私はそのまま帰りました。
「あれは異世界に行ったのではないか?」ということに思い当たったのは、数年経ってからのこと。(もう一度やってみたら、また、行けるのではないか?)と思ったことも何度かありますが、帰れなくなる恐怖が強く、試していません。
その公園は、いまだに存在しています。
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