アメリカ合衆国、オレゴン州の片田舎「グーンドッグ」。主人公マイケル・ウォッシュ(マイキー)には素晴らしい仲間たちがいた。メキシコ語がペラペラのお調子者の”マウス”。虚言癖があり、いつもみんなを楽しませる”チャンク”。風変わりな発明ばかりしている”データ”。学校の成績は良くなかったけど、みんな、最高のヤツラ。でも、クラスのハイソな者たちからは”グーニーズ(まぬけな連中)”といわれていた。そんな仲間たちとも別れの時が近づいていた。銀行からの借金のため、みんな家を立ち退かなければならなくなったんだ。運命の日の前日、屋根裏部屋で見つけた一枚の地図。それは、グーンドックに伝わる海賊「片目のウィリー」が残した宝の地図だった。ホンモノ?ニセモノ?そんなことは分からない。でも、チャンスがあるなら一歩踏み出してみよう。お父さんもお母さんも立ち退かなくていいように頑張っている。僕たちにだってできることがあるはずさ。
さあ、今宵も歴史に埋もれし、レトロゲームの魅力を紐解いてみよう――。
(1月16日完結)
こんばんわ、レトロゲームレイダース/ジョーンズ博士です。
今回発掘した作品は、コナミが1986年2月にファミリーコンピュータで発売したアクションゲーム『グーニーズ』。1985年に公開されたジュブナイル映画『グーニーズ』を原作とした作品です。
このファミコン版の知名度が高いのですが、実はこの少し前に発売されたMSX版『グーニーズ』という作品があります。本作はその移植版…と見せかけて、同時期に別々に開発が進められていた別の作品。ファミコン版はマイキー(映画の主人公)が主人公のステージ制アクションゲームですが、MSX版はスロースという巨漢(なぜコイツがと疑いたくなる人物)が主人公の広大なMAPをアイテムを集めて冒険する探索型アクションゲーム。実は、ファミコン版の続編『グーニーズ2 フラッテリー最後の挑戦』は、このMSX版に近いゲームデザインだったりするので、遊び比べてみるとなかなか趣があったりします。興味がある方はぜひ。
本作は、映画『グーニーズ』をモチーフにした作品です。映画の主題歌、シンディ・ローパーが歌う「グーニーズはグッドイナフ」がステージ1のBGMになっています。が、映画を観ていなくても楽しめます。しかし、映画を知っていると、3割増しくらい、さらに楽しむことができます。
映画版のストーリーを少し紹介。
マイキーの家の屋根裏部屋で、「海賊片目のウィリーの宝の地図」を手に入れたグーニーズの面々(マイキー、マウス、データ、チャンク)は、地図が示す海岸へ。地図に書かれた宝がある洞窟入口の場所には、夏だけ限定でオープンしているレストランが建っていました。
ところが、そのレストランは指名手配中の強盗集団フラッテリー一家の隠れ家であり、ウィリーの宝のことを知られてしまったマイキーたちは、フラッテリー一家(ママ、ジェイク、フランシス)に追いかけられながら、知恵なき者には死を与える“ウィリーのまぬけ騙し”満載の洞窟を進んでいくことになるのです。
“ウィリーのまぬけ騙し”とは、ウィリーが宝の盗掘者たちを試すために作られたデストラップ。与えられた問題、選択を間違えると、命を奪われる危険なもの。実際、ウィリーの宝を探しに行ったまま行方不明になった探検家チェスター・コパーポットはその餌食となっていたことが発覚します。クラスでは浮いた存在のグーニー(負け犬)たち。しかし彼らの特技・ひらめきは、一つひとつのトラップを打ち破っていき、プロの探検家より先へ歩みを進めていくのです。
冒険の終着点。それは、入口を埋められた洞窟湖に浮かぶ海賊船でした。そこでグーニーズは片目のウィリーのミイラと対面し、ウィリーのヒミツを知るのです。財宝を手に入れた彼らでしたが、それらはすべて追いついたフラッテリー一家によって奪われてしまいます。絶体絶命のピンチ。そこにあらわれたのは…。さあ、最後はどうなってしまうのでしょうか。ぜひ映画を観ていただきたいと思います。
ゲーム内容はこの映画に沿っており、レストランの廃屋からはじまり、洞窟、地下パイプ、落石地帯、地底湖、海賊船というステージ構成。各ステージを追いかけてくるフラッテリー一家をキックやパチンコで撃退しながら、捕まった仲間を助け、カギを探して次のステージへと進みます。
(STAGE1 レストランの廃屋)
(STAGE2 レストランの地下室)
(STAGE3 グーンドックス地下パイプエリア)
(STAGE4 ウィリーのマヌケ騙し)
(STAGE5 地底湖)
(STAGE6 海賊船)
ダメージを受けるトラップがいくつかありますが、各ステージに隠されているグーニーズの秘密アイテム(耳栓、ヘルメット、防水服、耐熱服、リュックサックなど)を入手することで、これらの危険から身を守ることが可能。安全なプレイにはアイテム入手が必須というわけです。
マイキーは映画ではゼンソク持ちの少年ですが、こちらのゲームでは元気そのもの。攻撃方法はキック、パチンコを取ると遠隔攻撃が可能になります。
(マイキーの攻撃は基本はキック)
(パチンコを使うこともできる)
ジャンプは主に地形のガケを飛び越すときに使用しますが、敵を避けるといった使い方も可能です。
また、この頃のゲームの特徴として「隠れキャラ」というものがありまして、ステージの特定の場所で特定の動きをするとそれらは出現。得点ボーナスをくれる感じです。当ブログでは出現場所の詳細はヒミツですが、隠れキャラをご紹介しましょう。
(スピルバーグ監督)
(コナミマン)
(ツインビー)
(ビックバイパー)
(タヌキ)
(UFO)
(フクスケ)
この当時のコナミは、アーケードゲームで超絶難易度のゲームを連発していました。ファミコンでリリースした作品は、イー・アル・カンフー、けっきょく南極大冒険、ハイパーオリンピック、ロードファイター、ハイパースポーツ、ツインビーと、アーケードゲームよりもMSXゲームの移植の印象が強く、かなり「家庭用ゲーム」というものを意識していたように思われます。このあたりは、アーケードゲームの移植に終始していた初期ナムコの動きとは対照的ですね。といっても、ファミコンが発売されてから2年が経った1985年のこと。子供向けにゲームを作らないと売れないということは見えていたのかもしれません。
『グーニーズ』以前のラインナップを見ると、アーケードゲームとMSXからの移植ばかりであり、本作は実はコナミにとって初のファミコンオリジナルゲームでもあります。
そのためか、難易度は比較的低めに抑えられています。前述したアイテムを取らないと、ダメージを受けないようにするのが難しいのですが、アイテムを取っておけばその心配も無用に。ゲーム内容も6ステージ構成と、手軽に遊ぶことができるでしょう。
映画版権作品のため、WiiやWiiUのバーチャルコンソール、プロジェクトEGGなどで配信されることは難しいと思われます。そのため、カセットを購入して遊ぶ宿命の作品です。でも、完成度の高さ、中古市場での価格もお買い得なので、それだけの価値はあるゲームではあると思います。
映画のほうもいい作品ですので、ぜひご覧になってください。
=注意=
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