こんばんわ、レトロゲームレイダース/ジョーンズ博士です。
今回発掘した作品は、2009年にコナミデジタルエンタテインメントからWiiウェアとしてリリースされた『ドラキュラ伝説ReBirth』。タイトルから想像できる通り、ゲームボーイで発売された『ドラキュラ伝説』のリメイク版にして、Wiiでコナミデジタルエンタテインメントが展開していたクラシックテイストゲーム再生シリーズ、通称リバースシリーズの最終作になります。
『ドラキュラ伝説』は、1989年10月にコナミからゲームボーイ用アクションゲームとして発売された作品です。
ゲームボーイの初期作品ということもあり、動きがもっさりしていたり、グラフィックがしょぼかったり、いろいろ至らない点が見受けられます。聞いたところによると、新人中心の少数開発チームで作られたという経緯があるらしいです。
とはいえ、ステージ1に流れるBGM「Battle of the Holy」がなんか忘れられないメロディであり、ゲーム自体にもすごく愛着があって、技術とアイデアで最高を目指した作品ではないんだけど、なんだかんだあって面白いんですよね。
▼当ブログでも記事を書いています▼
【良作発掘】 『ドラキュラ伝説』――モノクロの記憶、英雄クリストファー対魔王ドラキュラ!!
ストーリー的には、悪魔城ドラキュラシリーズとしてはとても重要な位置付けにあります。シモン・ベルモンドが活躍する初代『悪魔城ドラキュラ』の100年前の伯爵復活時の物語であり、初代の説明書にも名前が出ている英雄クリストファー・ベルモンドが主人公です。
名作揃いのドラキュラシリーズにおいて、ちょっとアレな作品が最新ハードで甦る。しかも、開発は『グラディウスReBirth』で「ファンの気持ちを分かってくれているディベロッパー」として信頼を高めたM2。プロデューサーは長年ドラキュラシリーズを支えてきたIGAこと五十嵐孝司氏。これ以上ない最強の布陣なわけですから、期待が高まらないわけがありません!
リリースされたモノを見たとき、正直、戸惑いを隠せませんでした。
悪い作品ではないのですが、期待していたモノと、ちょっと…、いや、だいぶ違った、というべきでしょうか。
『クロノ・トリガー』の続編である『ラジカルドリーマーズ』がPSに移植されると聞いて喜んでいたら『クロノ・クロス』が出てきた感じとか。『バイオハザード2』で明かされなかった謎がすべて解けると聞いて待っていたら『バイオハザード3』が出てきた感じとか。
うん。思っていたのと、かなり違っていた作品でした。
何度も言いますが、「悪くはない」のです。ただし、旧作を知っている人からすると受け入れるのに時間がかかる、そんな作品だったのです。
ひと言でいうと、初代『悪魔城ドラキュラ』を再構築してリメイクした『X68000版悪魔城ドラキュラ』並に、『ドラキュラ伝説』を再構築してリメイクした感じなのが、『ドラキュラ伝説ReBirth』だったのです。
画像だけを見ると、「おおーっ、X68000版のほうが格段によくなっているじゃないの!」と思われがちです。たしかに素晴らしい作品なのですが、このX68000版はステージ構成も大幅に変更されており、いい作品なのですが手放しで喜べないところもないわけではないのです。
ここ、葛藤があります。
そして、『ドラキュラ伝説』と『ドラキュラ伝説ReBirth』の関係性も、これに近いのです。
(1)『ドラキュラ伝説』らしくない
『ドラキュラ伝説』って、ステージ構成が『悪魔城伝説』と同じように「トランシルバニアから悪魔城へ」という展開なのですが、『ドラキュラ伝説ReBirth』のステージ構成は『悪魔城ドラキュラ』同様に「悪魔城の中だけ」となっています。
(↑ステージ間には初代同様のデモが入る)
だったら、『悪魔城ドラキュラReBirth』でいいじゃん。なんで、わざわざ『ドラキュラ伝説』のリメイクをするんだ、という気持ちがないわけではありません。
(2)『ドラキュラ伝説』の曲が使われていない
おそろしいことに1曲も使われていないのです。
STAGE1のBGMが『バンパイアキラー』の名曲「Reincarnated Soul」だったことには驚きましたが、でもこの曲は『バンパイアキラー』の代表曲であり、『ドラキュラ伝説』には似つかわしくないと思いました。
(3)ステージボスがダサい
(↑たしかにビッグアイはドラキュラ伝説のアイコンだけどボスにするなよ…)
『ドラキュラ伝説』のボスも格好いいとは思えませんでしたが、本作は、最新2Dドラキュラ作品を経た後でのリメイクです。そのあたりはきちんとやってくれると思っていたら、なんか、ほとんどのボスが期待ハズレでした。
ゲームボーイアドバンスでのシリーズやDSでのシリーズを知っている人は、同様に感じてしまうと思います。
結論、悪魔城ドラキュラシリーズが好きな方は買ったほうがいいと思います。
旧作『ドラキュラ伝説』を知っている人は違和感があるだろうし、『暁の円舞曲』や『蒼月の鎮魂歌』や『ギャラリー・オブ・ラビリンス』から入った方だと作り込みの甘さを感じてしまうかもしれません。
しかし、2009年での2Dアクションゲームとしてのドラキュラシリーズであり、今後プレイできなくなる可能性が高いですし、何度も言いますが、偏見さえなければフツウに遊べる良作アクションゲームです。価格分の価値は充分にあるのは間違いありません。
「人によっては拒否反応が出るかも…」というリスクは、覚えておいてください。
WiiもしくはWiiUで本作をダウンロード購入するしか方法はありません。
▼WiiもしくはWiiUのご購入なら…▼
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