【良作発掘】 『ドラキュラ伝説』――モノクロの記憶、英雄クリストファー対魔王ドラキュラ!!

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クリストファー・ベルモンド、見参!

悪魔城ドラキュラシリーズの研究家たちが、シモン・ベルモンドと同等に注目するベルモンド一族がいる。それが、「クリストファー・ベルモンド」。初代『悪魔城ドラキュラ』の取扱説明書に書かれているストーリー内に、「かつてドラキュラを倒した英雄」としてその名を残している人物です。これまで謎に包まれていたクリストファーの戦いの記録が、今、甦ろうとしています。

さあ、今宵も、歴史に埋もれしレトロゲームの魅力を紐解いていこう――。




ブログ代表
こんばんわ、レトロゲームレイダース/ジョーンズ博士です。

今回発掘したのは、悪魔城ドラキュラシリーズにおいてゲームボーイ初の作品である『ドラキュラ伝説』(1989年10月発売)です。

『ドラキュラ伝説』ストーリー
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ヨーロッパにある小国トランシルバニア。ここには、今も一つの魔人伝説がある。強力な魔力をもち、人々を恐怖させた魔王ドラキュラの伝説だ。


しかし、幾度となく復活をとげたドラキュラも、世界を暗黒に変えることなく、ことごとく滅び去っていった。べルモンド一族の血をひく者たちによって。
 
有名なシモン・ベルモンドとドラキュラの戦い。だが魔王ドラキュラはシモンとの対決以前よりすでにトランシルバニアに存在していた。しかし、その頃のドラキュラは魔王ではなく、邪悪な呪術者として。

狂的な悪魔崇拝者だったドラキュラ伯爵は、トランシルバニアのはずれに暗黒の城を築き、毎夜悪魔の儀式を行っていた。そして数々の魔物を異世界より呼び出し下僕とし、自らも永遠の命と魔力をもった魔王となろうとしていたのだ。

そして、日に日に魔力をつけ凶悪になってゆくドラキュラ伯爵に、街の人々はおびえ、恐怖した。

しかし、その時一人の男が立ち上がった。彼こそがベルモンド家の先祖であるクリストファー・ベルモンドである。

暗黒の城へと急ぐクリストファー。城には幾重もの魔物や罠がまちかまえている。はたして彼は魔王となったドラキュラ伯爵を倒すことができるのであろうか。

『ドラキュラ伝説』とは、どんな作品?
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ゲームとしての『ドラキュラ伝説』は、持ち歩きができるゲームボーイ専用ソフトということ、ソフトの容量が少ないこと、この2点から、4ステージ構成の1周1時間以内でクリアできてしまうアクションゲームです。

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(画面はこんな感じ)

悪魔城ドラキュラシリーズにも関わらず、斧、短剣、聖水、時計といったサブウエポンはありません。代わりに、ムチの最大パワーアップ時にはムチの先から弾が出るという、クリストファーならではの闘技を使うことができます。

一方で、ダメージを受けると、硬直&後ろに飛ばされるというベルモンド一族の伝統を受け継ぎつつ、ダメージのためにムチのパワーアップが1ランクダウンするペナルティあり。つまり、ダメージの負の連鎖にハマると立て直しが非常に難しい一面は否めません。

また、初期のゲームボーイソフトらしく、クリストファーの挙動がいちいち重く、アクションゲームとしての爽快さは期待しないほうがいいでしょう。

ネガティブな要素ばかりをお伝えしましたが、では本作はやる価値がないか?というと、そんなことはありません。『ドラキュラ伝説』は、たしかにクセがあるのですが、やりはじめると妙にハマってしまう不思議な魅力がある作品です。

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(ナゾの弾を出すクリストファー)

まず、音楽。『ツインビー』を手がけた福武茂さん、後にトレジャー作品を一手に任される半沢紀雄さん、『ドラキュラII』でも楽曲を担当した船内秀浩さんの3名が、本作の音楽を担当しています。

本当にどの曲もいいのですが、その中でも私が特にオススメしたいのが、本作のメインテーマといえるステージ1BGM「Battle of the Holy」。


(こちらはVRC6音源アレンジバージョン)

リメイクである『ドラキュラ伝説ReBirth』にこの曲が収録されなかったことで、私は激おこペナントレースでした。

ステージ数は少ないものの、ステージギミックはアイデアにあふれています。

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(巨大な目玉が延々と上から落ちてくる!)

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(地形を考えて、敵の弾のはね返り軌道を見極めよう!)

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(敵を倒すと爆発で足場が壊れる!)

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(吊り天井が下りてくる!)

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(今度は横から迫ってくる!急げ!)

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(陳列しているヨロイが急に動き出す!)

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(一撃即死のデストラップ!)

ステージごとに仕掛けに工夫があり、ステージごとに別のゲームをしているかのよう。ずっと同じ展開がつづくということはありません。

この、容量の足りなさをアイデアでカバーするという作風は、名作揃いであるコナミMSX作品に通じるものを感じます。

開発にあたったのは、コナミ開発第三
部。これまでの悪魔城ドラキュラ開発チームとは違うメンバーによるドラキュラであり、初期三部作と比べると「ちょっと違う」のですが、逆にこれまでの不文律がなくなったことで自由にアイデアを活かした作風になっていると思います。

これはこれでアリです。

サブウエポンがないのはクリストファーが、数多くの武器を使いこなすタイプのベルモンド一族ではないから。ダメージを受けるとパワーダウンしてしまうのはドラキュラの影響力が強いエリアで戦っているから。身体が重いのは、「ドラキュラを倒さなければならない」という彼の背負う宿命の十字架が重すぎるから。

このように脳内補完をすれば、本作を楽しむスパイスになります。

今、この作品を遊ぶには…
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手っ取り早く遊ぶには、ニンテンドー3DSのバーチャルコンソールがオススメです。

ソフトで遊ぶなら、ゲームボーイ版『ドラキュラ伝説』のソフト、もしくはゲームボーイ版の『コナミGBコレクション vol.1』のソフトを用意。起動方法としては、レトロフリーク本体、ゲームボーイ本体、スーパーファミコン本体とスーパーゲームボーイ、ゲームキューブ本体とゲームボーイプレーヤーを使う手があります。

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