【傑作発掘】 『妖怪道中記』――うしろの鬼太郎 地獄編。

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俺のうしろに悪霊がいる。
最近取りつかれたみたいなんだ。


『ゲゲゲの鬼太郎』のように特殊能力で妖怪と対峙できて、『うしろの百太郎』のように守護霊が守ってくれるオプション付き。そんなアクションゲームはないものでしょうか。いやいやお客さん、ありますよ。それが、『妖怪道中記』。この記事は、超絶難しいのですが個人的に大好きなゲーム『妖怪道中記』のレビューのような感想のような再評価のような内容です。

さあ今宵も、歴史に埋もれし、レトロゲームの魅力を紐解いてみよう――。




ブログ代表
こんばんわ、レトロゲームレイダース/ジョーンズ博士です。

今回発掘した作品は、ナムコが1987年にアーケードゲームとしてリリースした『妖怪道中記』。主人公のたろすけが神さまから妖怪念力を授かり、それを武器にさまざまな地獄を旅していくというアクションゲームです。

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ストーリー
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いつも村の人に悪さばかりしている少年たろすけ。それを見かねた神様は、お灸をすえなければと考え、たろすけが眠っている間に地獄の入り口に運んでしまいました。目が覚めて、自らの身に起きた事態に驚くたろすけ。

神さまはたろすけに言います。

「お前は人としてどうあるべきかを学ばなければいけない。これまでの罰として、生きたまま地獄を歩き、閻魔大王のところへ向かうのじゃ。旅の間の行ないが正しいものならば再び人間として地上に帰れるじゃろうと、問題があれば裁きを受けることとなるじゃろう」

ところが地獄には危険な妖怪がたくさんいます。普通の人間が旅をするなどは無謀なこと。そこで神さまはたろすけに1つの力を授けました。

「妖怪念力を授けよう。これは、おのれの勇気を念動波として使うことができるものじゃ。お前の身を守ってくれるじゃろう」

かくして、たろすけは自らの運命を切り開くべく、妖怪たちがうごめく地獄世界を旅することになったのでした。

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妖怪道中記って、どんなゲーム?
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画面はこんな感じ。

特徴的なのは、画面の上半分に「POWER(体力)」と「MONEY(お金)」と「ステージ内の現在位置」が表示されており、画面下部分にアクションゲーム画面が配置されていること。これは、リリースされた1987年当時でも珍しいものでした。

なぜ、このような画面に構成になっているのか。それは、当時ナムコがアーケード用に開発していた新マザーボード「システムI」のグラフィック能力を活かした仕様によるものと考えられます。また、設置されたゲームセンターにおいて、プレーヤー以外のギャラリーが楽しめる(後でプレイしてもらえる=お金が稼げる)ということも考えられていたのではないでしょうか。

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(倒したら、いいことを教えてくれるって?)

それからアクションゲームなのに「スコア表示」がないことも画期的。アーケードゲームといえば、「上手い人=スコアが高い」という常識があり、それがハイスコア者のネームエントリーという文化を作っていたのですが、本作にはそれがありません。実はここには、前述の仕様と密接に関係する独創的な思想があります。ストーリー同様、「ゲームプレイ中に何をするか?」が重視されているゲームということです。

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(どういうことだってばよ!)

本作は、アクションゲームではありますが、お金の概念があり、ステージ途中にあるよろず屋で回復アイテムや攻撃補助アイテムを買うことができます。何を買うか・買わないかによって、ゲームプレイの展開が多少変わってくるため、プレイの幅・攻略の幅が広がりました。

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(店員はよろず婆。いろいろ売ってくれます)

STAGE1 地獄入口

STAGE2 苦行の道
STAGE3 幽海
STAGE4 裁きの谷
STAGE5 輪廻界

それぞれのステージも特徴的です。グラフィックがしっかり描かれ、また発生するイベントもあり。最終ステージ「輪廻界」では、ステージ内で行なった行動によってエンディングが変わるという仕様も。そのようなところから「見せるゲーム」というコンセプトが見えてきます。

プレーヤーには「ゲームの世界観を見せる」。ギャラリーには「ゲームプレイを見せる」。

ぶっちゃけ、ベストエンディングを見るのは至難の業であり、それこそ奇跡が必要なレベル。しかし、フツウにゲームプレイをする分には、前述のプレイ範囲の幅広さもあり、ロングランで遊べるゲームでもあります。

Let’s GO 地獄めぐり
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(気合いを溜めて、気合い弾を撃てば、一気に敵を倒すことも可能!)

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(強大な敵を相手にする時は、守護霊もんもたろーを召喚!)

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まとめ
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『妖怪道中記』の魅力は、ドット絵でていねいに描かれたステージだと思います。1980年代後半のアーケードゲームのドット絵は、それ以前にもそれ以後にもない独特の味があり、それらをふんだんに使って世界を構築しているところが、本作の魅力です。

記事のタイトルにも書きましたが、作品としては『ゲゲゲの鬼太郎』と『うしろの百太郎』の影響を大きく受けていると思われ、少年が地獄をめぐる贖罪の旅というテーマも、実に両作品っぽいですよね。それでいて、普通の少年が超常的なチカラを手に入れて、それを駆使して旅していく…という展開も、実に少年心をくすぐられる展開ですね。

実は家庭用移植に恵まれていない作品で、実はアーケード版と大きく内容が変わっているPCエンジン版、マップ構成はアーケード版に近いけどグラフィックが大幅ダウンしているファミコン版など、移植作はそれぞれ違う風味で、やり比べしてみると面白いかもしれません。

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