【10分で分かるシリーズ解説】『刑事J.B.ハロルドの事件簿』シリーズについてのまとめ

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この記事は、かつてはリバーヒルソフトから、現在はアルティから発売されているハードボイルド調のアドベンチャーゲームシリーズについてまとめたものです。PCゲームが「大人だけの娯楽」だった時代、大人向けの作品として本作は生まれました。




マーダークラブ(殺人倶楽部)
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マーダークラブ

=ストーリー=
アメリカ、リバティタウン郊外のハウリントンカレッジ近くの駐車場で男性の遺体が発見された。被害者は背中からナイフで数ヵ所を刺されており、車に乗せられていた。被害者は、ビル・ロビンズ、34歳、ロビンズ商会社長。しかし、操作は難航し、事件は完全に暗礁に乗りかけていた。そして、寡黙な刑事、J.Bハロルドが事件解決に乗り出す。

=作品解説=
シリーズ一作目。ハードボイルドタッチの事件捜査アドベンチャーではあるが、『ポートピア連続殺人事件』や『オホーツクに消ゆ』といった作品と同じようにプレイすると、選択肢の多さと自由度の高さに面食らってしまいます。これは警察のリアルな事件捜査をテーマにしたゲームであるため、ゲームによって与えられたストーリーを楽しむのではなく、ゲームから教えられた情報をもとにプレーヤー自信が推理して事件の真相を当てていく――というゲームです。

そのため、派手なトリックがあるわけではなく、むしろ隠された人間関係を暴いていくといった要素が強いため感じ。『逆転裁判』が甘口カレーならば、本作は大人の辛口といったところ。お子様&ゆとりゲーマーは間違いなく楽しめない作品ですが、逆にテーブルトークRPGやゲームブックが好きな人にはハマる要素あり。

※一部のPC版はプロジェクトEGGで遊ぶことができます。

マンハッタン・レクイエム
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マンハッタンレクイエム

=ストーリー=
ある日、J.B.ハロルドのもとに一通の手紙が届いた。 封筒にはニューヨークの消印と、懐かしい女の名前。「刑事さん、私のことを憶えてるかしら?」。差出人はサラ・シールズ。以前リバティタウンで起きた殺人事件の関係者だったピアニストだ。数日後、元相棒のジャド・グレゴリーから衝撃の連絡が入る。「サラ・シールズが死んだ」。自宅のアパートから転落し、即死だったという。警察は自殺と発表、捜査を打ち切る。しかし、疑念を抱いたJ.B.ハロルドはマンハッタンへ向かう。そして捜査線上に浮かび上がる複数のサラ・シールズ。彼女たちはなぜ死に誘われるのか。

=作品解説=
シリーズ二作目。『殺人倶楽部』とはちょっとテイストの変わるストーリーが特長。重大なネタバレになるので詳しくは語らないが、「まあ、実際の事件ではこういうこともあるだろうなぁ」という点ではリアル志向のJ.B.ハロルドシリーズらしいといえばらしい。カッチリとしたステレオタイプの事件モノを求めるお子様にはちょっとオススメできません。

※一部のPC版はプロジェクトEGGで遊ぶことができます。

キス・オブ・マーダー(殺意の接吻)
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キスオブマーダー

=ストーリー=

12月30日グリニッジビレッジ10丁目。1人の若い女性が殺害された。被害者の名前は「サラ・シールズ」。彼女は多額の保険金をかけられた巨大なサファイアを何者かから預かっていた。彼女の死と共に、そのサファイアも姿を消していた。元刑事で現在はマンハッタンの保険調査員をしているジャドは、この殺人事件とサファイアの行方を追うため、古巣、リバティタウン署殺人課にいるかつての相棒J.B.ハロルドに連絡。捜査協力を依頼する。

=作品解説=
シリーズ番外編。だが、時系列は『マンハッタン・レクイエム』と同じであり、登場人物も同じ、少しだけ役割が変わって登場する。『マンハッタン・レクイエム』のグラフィックデータを流用して新しいストーリーで作られたのが本作です。ニンテンドーDSのリメイク版で本作と『マンハッタン・レクイエム』がセットになっているのはこれが理由です。MSX版のみ『殺意の接吻』というタイトルで販売されました。

※一部のPC版はプロジェクトEGGで遊ぶことができます。

D.C.コネクション
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DCコネクション

=ストーリー=
その知らせを聞いたとき、J.B.ハロルドは大きく混乱した。恩師であるウォルター・エドワーズが銃殺されたという。ウォルター・エドワーズはかつてリバティタウンの警察署長を務めていた方でもあった。殺されたのはワシントンD.C.。そこは、J.B.ハロルドにとって、亡き妻との思い出が残る街でもあった。意図して遠ざけてきた過去。しかし、恩師の仇を取るために、過去と向き合うために、J.B.ハロルドはワシントンD.C.に向かうのでした。

=作品解説=
シリーズ三作目。シリーズの集大成であるとともに新機軸が加わり、ボリュームは最大級に。容疑者の尾行、人物調査依頼といった新要素も加わり、より刑事の捜査らしさが加わった。J.B.ハロルドの過去の一部が明かされます。

※一部のPC版はプロジェクトEGGで遊ぶことができます。

ブルー・シカゴ・ブルース
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ブルーシカゴブルース

=ストーリー=
どんな人間も先に進んで生きていかなければならない。J.B.ハロルドは、長年助手を務めてくれているキャサリン・ホワイトにプロポーズ。2人の新しい人生はもうすぐ始まるはずだった。しかし、キャサリンは何者かに殺されてしまう。しかも、キャサリンの所持品の中には、少女殺人事件の凶器と思われるナイフが…。キャサリンの汚名を晴らすべく、J.B.ハロルドはシカゴへと飛ぶ。そこで待ち受けていたのは、悲しい過去を背負う者たちのドラマだった。

=作品紹介=
シリーズ四作目。プラットフォームを家庭用ゲームハードに移し、大容量のCD-ROMというメディアを得たことで、本物の俳優を起用した実写映像、生の音楽が使用されて、よりアダルティックな雰囲気が増した。その一方で、シリーズ伝統の操作方法は相変わらずのため、プレイする人を選ぶ傾向はありますのでご注意を。

シアトル・パープル・ヘイズ
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シアトルパープルヘイズ

=作品紹介=
シリーズ五作目。リバーヒルソフトが解散した後、作品権利はアルティに移りました。本作はアルティ移籍後のJ.B.ハロルドシリーズです。プラットフォームはフューチャーフォンのゲームアプリに。物語としては一般的な推理アドベンチャーに寄せてきた感じだったと記憶。ドラッグをテーマにしていて、人を人とも思わない犯人を追いつめていく展開です。時系列としては、『マンハッタン・レクイエム』と『D.C.コネクション』の間の物語です。

サンフランシスコ・ブラック・ベル
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サンフランシスコブラックベル

=作品紹介=
シリーズ六作目。今回は、『D.C.コネクション』と『ブルー・シカゴ・ブルース』の間の話。今回は銃規制にまつわるお話が展開されるのですが、抑止力としての銃の携帯は確実に効果があるもので、完全撤廃が非常に難しい問題です。薄っぺらい結論を設けることなく、ただひたすら現実を突きつけてくるリアリティは、J.B.ハロルドシリーズらしいですね。

ボストン・ソリタリィ・コープス
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孤立する死者

=作品紹介=
シリーズ七作目。今回は、『サンフランシスコ・ブラック・ベル』の後の話。シリーズ原点回帰。アメリカ文化の中での人間関係の真相を探るというゲーム展開。事件を解決しても苦い味しかしないシガレットのように、リアリティを出してきた印象のある作品。この作品が現時点でのJ.B.ハロルドシリーズの最終作となっています。

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=注意=
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