【良作発掘】 『グラディウス(MSX版)』――もっと!愛が試されるグラディウス!

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この世界は、美男・美女が有利に作られています。それは、人間の脳が目から取り込んだ視覚情報をメインにして物事を把握してしまうからです。ゲームの世界でも、似たようなことが言えるでしょう。グラフィックの良し悪しで、その作品に対する印象を決めてしまいがち。しかし、「大切なのは中身である」ということを、我々はMSX版グラディウスシリーズから教わることができます。

さあ、今宵も、歴史に埋もれしレトロゲームの魅力を紐解いていこう――。




ブログ代表
こんばんわ、レトロゲームレイダー/ジョーンズです。
今回発掘した作品は、1986年7月にコナミよりMSX1用シューティングゲームとして発売された『グラディウス(MSX版)』です。その名の通り、前年1985年にゲームセンターで稼働開始した名作『グラディウス』の移植作品なのですが、MSXというパソコンとアーケードではハード性能がありすぎるため、パッと見た感じでは「無理やり移植ゲー」と思われても仕方ありません。

▼アーケード版▼
グラディウスAC_01

▼ファミコン版▼
グラディウス1FC_1

▼MSX1版▼
グラディウス1MSX_01

いかがでしょうか。
合コンで向こう側の女子席に座る3人を見比べて、一番最初に「この子はないな」と判断してしまいそうポジションが、MSX1版グラディウスです。しかもこのグラディウス、横スクロールシューティングのくせに、まともに横スクロールしません。8ドット単位でカクッカクッと動くスクロール。マジか。それでグラディウスか。「昔のゲーマーは、それでもありがたがってプレイしていたんですね。大変な時代でしたなー」と思われるかもしれませんし、まあ、その半分は事実なのですが、そんな言葉で切り捨てられるような作品ではないのです。プレイしてみれば分かります。

何をもってグラディウスとするか?
redline

ゲームの移植において考えるべきことは、「何をもって、この作品とするか」ということ。当時、アーケードゲームの完全移植はほぼ100%無理でしたので、「何を生かして、何を切り捨てるか?」を考えなければなりませんでした。ビジネス用語でいう「選択と集中」というやつです。その判断には、「何をもって、この作品とするか」を把握することが欠かせません。もちろん、そのハードで何ができるかも重要なのですが。

グラディウス1MSX_02
(とってもシンプルで、クールなタイトル画面)

個人的な感想になりますが、MSX1版『グラディウス』はファミコン版『グラディウス』よりも「ずっとグラディウスしている」と俺は思っています。

「えっ、どこが!?」と思われるでしょう。端的に言ってしまうと、「(1)レーザーが長い」、「(2)ビッグコアがデカい」、「(3)ステージ内の演出が生きている」の3点です。いずれもファミコン版では容量の関係でカットされたもの・ハード的問題で実現できなかったものでした。なぜ、ここが重要に思えたのか。おそらくですが、アーケード版『グラディウス』の構成要素として「いままでのゲームにこんなのなかった!」という部分だったからではないでしょうか。ゆえに、上記3点が満たしているMSX1版『グラディウス』はファミコン版『グラディウス』よりも「ずっとグラディウスしている」と、個人的には思うのです。

グラディウス1MSX_03
(ビッグコア青いボディもまったく気にならなくなります)

グラディウス1MSX_05
(後の『オトメディウス』に比べたら全然グラディウスです)

新しい要素を入れている部分も推しポイントです。

「ミサイル」「ダブル」「レーザー」が二段階パワーアップになっていること。後に、ゲームボーイ版『ネメシス』をはじめ、シリーズ作品に導入されていくこのアイデアはMSX1版『グラディウス』から生まれました。

グラディウス1MSX_04
(雰囲気を出すために、結構がんばっているのです)

MSX1版オリジナルの骨ステージも、ステキな追加要素です。アーケード版『グラディウス』の流れから考えると、少し作品のテイストが違うステージのほうな気がしますが、『グラディウス』という作品が未体験宇宙を表現した作品と考えると、見たこともない巨大生物の白骨が散乱する惑星も、また「アリ」と思えます。

グラディウス1MSX_06
(オリジナルステージは移植作の代名詞となっていきます)

ステージ内にある特定のポイントに自機を移動させることでワープして行ける「エキストラステージ」もなかなか挑戦的に取り組みです。これは、続編であるMSX1版『グラディウス2』、MSX1版『沙羅曼蛇』の1要素として使われていきます。

グラディウス1MSX_07
(顔が真っ青なモアイも、かえって新鮮です)

見た目はヤバいですが、遊んでみると良作であることがよく分かるのです。8ドットスクロールも「こんなのプレイできるかい!」と誰もが最初は思うのですが、人間の脳は慣れてしまうもので、プレイしているとほとんど気にならなくなるから不思議です。単色カラーの自機や敵も、まったく気にならなくなります。

たしかに敷居は高い。しかし、シリーズのファンならば、「グラディウスの移植はどうあるべきか」という課題への最適解として生まれたこの作品をプレイしておくと何か学びがあるかもしれません。

グラディウス1MSX_08
(すごく頑張っているんですよ、MSX1版は)

 

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