【レトロゲームと俺物語】1990年代の秋葉原こそゲーム天国だった話。

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俺が本格的に秋葉原デビューをしたのは、1990年代前半だったと思います。

地元で手ひどい失恋を経験した俺は、隣県の山間部にある高校への進学を決めました。まったく知り合いがいない環境で始まった高校生活でしたが、幸いなことに、気のいい男友だちに恵まれ、またそいつらが家庭用ゲーム大好きボーイズだったこともあり、中学時代のほぼすべてをMSXに捧げていた俺は、MSX-FANやMSXマガジンの記事が少なくなってきたこともあり、家庭用ゲームの戦場にふたたび舞い戻ろうとしていました。

俺がしばらくMSXに一途だった間に、家庭用ゲーム市場は熾烈な三国時代を迎えていました。王者・任天堂が支配するいろんなゲームがとにかく豊富にそろっているスーパーファミコン。ちょっとマイナーでマニアックだけど良作の精鋭が揃っているメガドライブ。とにかく女の子が出てくるゲームがやたらと目立つCD-rom機PCエンジン。友人たちもそのいずれかの陣営に身を置いていて、新規参入者である俺を自分たちが崇拝するゲームハードの信者に仕立てるべく、俺にあの手この手で勧誘してくるのでした。

俺が通っていた高校は山の中にある田舎の高校でしたが、寮もある私立の進学校。当然、通っている学生たちの家は裕福なとこが多く、友人たちのゲーム環境は豊かでメガドライブを2台持っているのは当たり前…といった感じでした。そのせいか、俺を信者にすべく、友人たちは俺にゲームハードと目ぼしいソフトをセットで貸してくれて、俺は自分のゲーム機を持っていないにもかかわらず、やるゲームには困らない日々を送るのでした。そして当然、成績は落ちてしまいます(笑)。

そんなある日、PCエンジン派の友人の一人から「今度の週末、空いてる?」と聞かれます。空いている旨を伝えると友人は言いました。「秋葉原にゲームを買いに行こう」。

その週の土曜日。俺はスーファミ派の友人、メガドラ派の友人、PCエンジン派の友人たちといっしょに秋葉原に遊びに行きました。実は、それまでの俺は父親とディスクシステムを買いに行った時以来、ほとんど秋葉原に行ったことはなく、自分の中での秋葉原の印象は「家電の街」。石丸電気やオノデンのTVCMのイメージでした。ところが、訪れた秋葉原はちょっと違いました。完全にゲームの街になっていたのです。

中でも『ソフマップ』のインパクトが強かったですね。表通りだけではなく、裏通りにもお店がある。なんでそんなにあるか分からないけれどもとにかくお店がたくさんある。記憶がちょっと曖昧なのですが、スーパーファミコンの品ぞろえが多い店、メガドライブに強い店、PCエンジンが豊富な店といった感じにそれぞれに少しずつ特長があったけど、とにかくゲームが平積みされていて、週末の店内はコミケ会場くらい混んでいて、みるみるうちに平積みされている新品ゲームが売れていきました。1人のお客さんが2つ3つのゲームを買うのは当たり前。多い人は5~6個のゲームを買っていました。少ない小遣いを貯めて数ヵ月に1本ペースでMSXのゲームを買っていた身としては、そのお店に漂う強力な購買欲に衝撃を受けたんですね。

ふと、新品ソフトの値段を見てみて、俺はさらに驚きました。新品のゲームソフトが30~50%引きくらいの値段で売られているではありませんか。「マジで?」「マジだよ」。友人は笑いました。分かりやすく言うと、地元のゲームショップで5500円で売られている商品が、秋葉原のソフマップでは3500円くらいで売られていたのです。「なんでこんな値段で売れるの?」「分からないけどお得でしょ」。たしかにお得でした。さらに驚いたのは中古ソフトの充実ぶりです。見たことがないくらいゲームが揃っている。そして安い。中古ソフトの価格も地元の店より1000~1500円安かったです。高校生のお小遣いは少ないもの。しかし、秋葉原のソフマップで買えば、これまで月1本しか買えなかったゲームが、下手したら3~4本買える。一気に自分のゲームライフが充実する未来が見えてきました。

この時の体験が、後々まで続く俺の中での「レトロゲームに囲まれているとなんか心が癒される価値観」を形成されてしまったような気がします。

その後、俺はいろいろ考えた結果、PCエンジンDUOを買います。そして、週末に1日中秋葉原を探索したり、平日も学校が終わるとすぐに都心行きの電車に乗って閉店間際の秋葉原の街を探索する…という生活を送ることになるのでした。俺にとっては『ソフマップ』のインパクトが強かったのですが、1990年代の秋葉原にはいろいろなお店がありましたね。『メッセサンオー』『マックスロード』『トキワムセン』…などなど。他にも名前を覚えていないお店も定期巡回コースに入れていました。楽しかったなぁ。本当に1日中回っても飽きなかったもんなぁ。

当時の秋葉原には飲食店がほとんどなくて、コンビニもありませんでした。なので、『肉の万世』ビルの1階に売っている万かつサンド(だったかな)を近くにあった公園で食べていた記憶があります。その公園には俺同様の人たちがいて、買ってきた戦利品の確認なんかをしてましたね。万世ビルは上の階に行くごとにグレードの高い肉料理を提供しており、「俺もいつかビッグになって最上階で交通博物館を見下ろしながら最高級の肉料理を食べたい」と思ったものでした。

今回はそんなある時代の秋葉原についてのお話でした。まとまりがなくてすみません。

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【まとめ】『レトロゲームと俺物語』シリーズ記事まとめ
この記事は、レトロゲームファンの管理人がこれまでの人生でレトロゲームとどう関わって生きてきたかのエヒソード記事をまとめたものです。
retrogameraiders.com

 

ジョーンズ
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