
こんにちは、レトロゲームレイダー/ジョーンズです。
今回発掘した作品は、コナミが1993年7月にX68000用のアクションゲームとして発売したX68000版『悪魔城ドラキュラ』。本作は、X68000用オリジナルゲームであるとともに、ディスクシステム版『悪魔城ドラキュラ』のリメイクといえる作品です。俺はX68000を所有していないため、今回のレビューは2001年5月にプレイステーションで発売された『悪魔城年代記』に収録されているバージョンをプレイしたレビューになります。
さあ、今宵も、歴史に埋もれし、レトロゲームの魅力を掘り起こしてみよう――。
『悪魔城ドラキュラ』(X68000)とは

ひと言でいうと、初代『悪魔城ドラキュラ』を正統進化させた神リメイク作品です。そもそもX68000というパソコンは、高スペックの高級パソコンで1台20万~40万円するような代物。当時のアーケードゲームの完全移植が数多くなされており、その多くが惚れ惚れするような出来でした。オリジナル作品もマシンパワーを活かした他所では見られない・味わえないような作品が多かったのですが、その中でも群を抜いて輝いていた作品の1つが、このX68000版『悪魔城ドラキュラ』といえるでしょう。
本作の凄さを感じるには、まず原作と言えるディスクシステム版『悪魔城ドラキュラ』、悪い見本的な存在としてアーケード版『悪魔城ドラキュラ』、別進化の可能性としてスーパーファミコン版『悪魔城ドラキュラ』、そして後継作として『悪魔城ドラキュラX 血の輪廻』を遊んでおくといいと思います。
本作の何が凄いのかというと、「原点回帰」「正統進化」「最高品質」「こだわりまくった職人技」という点です。
『悪魔城ドラキュラ』というシリーズは、出来のいい作品が多いシリーズなのですが、3作目の『悪魔城伝説』で大きく進化を遂げたのち、NEXTドラキュラの方向性を上手く見いだせない時期がありました。誤解のないようにお伝えしておくと、シリーズとしては常に挑戦し、良作を生み出していたのですが、決定打がなかったというべきでしょうか。そのような流れの中、X68000版『悪魔城ドラキュラ』は、スーパーファミコン版『悪魔城ドラキュラ』が見出した方向性を受け継ぎつつ、初代が持っていたユニバーサルモンスター映画風味を活かした「これからのドラキュラとはこれさ!」という解答を出してくれた作品だと思います。
開発チームは別々でどこまで連携していたのかは分かりませんが、シリーズの時系列的にはシモンの次の時代のヒーロー・リヒターの活躍を描いた『悪魔城ドラキュラX 血の輪廻』はX68000版『悪魔城ドラキュラ』の続編と言ってもいいくらい本作を意識して作られていますし、大胆なステージギミックは『バンパイアキラー』にも引き継がれているように見えます。とにもかくにも、デモプレイを一度見ただけで、「これやってみたい!」と思わせる、そんな魅力あふれる作品だったんですね。
PC内部の内蔵カレンダーに合わせて悪魔城内に飾られている絵画の絵が変わったり、音源に合わせてその音源に合わせたアレンジの曲になったり、すごくこだわりを感じる作品なのでした。
『悪魔城ドラキュラ』(X68000)のストーリー

西暦1691年。舞台はヨーロッパの平和な小国トランシルバニア。この国には「魔王ドラキュラは100年に一度、キリストの力が弱まるころに邪悪な心の人間の祈りによって復活し、復活のたびに魔力は強くなる」という伝説があった。
ドラキュラは過去に何度もこの世に復活を果たしたという。しかし、世を暗黒の雲で覆い闇の世界に君臨せんとするドラキュラの野望は、ベルモンド一族との死闘の果てに打ち砕かれ、長き眠りについていたのだ。
今から100年前にも、魔王ドラキュラは復活する。それは、英雄クリストファー・ベルモンドの手によって阻止されていた。
長い平和な日々は、人々の記憶から暗黒の記憶を消し去ってしまう。イースターの夜、町ではキリストの復活を記念した盛大なカーニバルが催されていた。しかし人々貼らない。そのとき町外れの荒廃した修道院跡で邪教徒がドラキュラ伯爵の亡骸に人の生き血を注ぐ黒ミサの儀式を行なっていたことを。
突如、邪悪な雷雲が町を覆い、一筋の稲妻が修道院を貫く。ドラキュラが再びこの世に舞い戻ったのだ。この危機に、ベルモンド一族の血を受け継ぐ青年シモンは、自らの使命を悟る。一族に伝わる不思議な力を秘めたムチ「ヴァンパイアキラー」を手に持つと、単身ドラキュラの城へと乗り込んだ。
『悪魔城ドラキュラ』(X68000)のダイジェスト













『悪魔城ドラキュラ』(X68000)の魅力

『悪魔城ドラキュラ』シリーズは、総じてゲームとして完成度の高い作品が多いシリーズなのですが、その中でも「シリーズを大きく牽引した」といえる作品がいくつかあり、本作はその1つです。
その魅力は「伝統」と「革新」のバランスにあると俺は思っていて、初代ディスクシステム版『悪魔城ドラキュラ』の、ムチというメインウェポンと、斧や十字架といったサブウェポンを使い分け、敵の動きを読んで落ち着いて対処すれば倒せるというルールを順守。その上で、キャラクターのジャンプ力アップ、ジャンプ中の方向転換といった変化のほか、ステージ構成やボスの攻撃方法などは積極的にリファインし、「知っているけど、まったく知らない悪魔城ドラキュラ」に進化させました。
『悪魔城ドラキュラ』って、当時のアクションゲームがステージを先に進めても前と同じようなステージが続くものが多かったのに対し、ステージごとに特徴があって、「次にどんなステージが待っているんだろう?」というドキドキがありました。それは、シリーズが長期化していく中で、ドラキュラらしい不文律ができてしまい、驚きが少なくなってしまったのですが、本作ではグラフィックとギミックの大幅強化によって、『悪魔城ドラキュラ』らしい「先に何が待ち構えているか分からない感」が甦ったのは嬉しいですね。玄人向けPCということもあって難易度も高くなっているのですが、それがより先のステージを見たいという渇望にも上手くリンクしていると思います。
もう1つの大きな特徴は、ボス戦だと俺は思っていて。本作ではステージの最後に待ち受けているボスが総じて強くなったと思います。『悪魔城ドラキュラ』のボスって実はそんなに強いボスっていないんですよね。ところが本作では、どのボスも手ごわい存在に。特に原作から再登場のボスに至っては、新しい攻撃方法が追加されていたりして、初戦では苦戦を強いられるでしょう。しかし、それが面白い。倒されても倒されても、もう一度挑戦したくなる。そんな『悪魔城ドラキュラ』の復活こそが、本作最大の魅力なのではないでしょうか。
レトロゲームとしての『悪魔城ドラキュラ』(X68000)

長年移植されてこなかった&現在でもプレイできる環境が限られているという点が、この作品のレトロゲームとしての価値でもあります。
これは個人的な反省点なのですが、俺はこま作品の価値を一度見誤っているんですね。それは、先のシリーズ作品をプレイしてからこの作品をプレイしたとき、欠点ばかりが目に付いて、長所に目が行き届かなかった。これって、レトロゲームをプレイしているとよくあることだと思います。でも、レトロゲームの場合、過去作から順にプレイしていったほうが、前作の反省点に対してどんな改善を行なったのかといったポジティブ要素が見えてくるもの。特に、『悪魔城ドラキュラ』シリーズのような長寿シリーズの場合は特に、前の作品をプレイしておくことが見えてくることがたくさんあります。
X68000版『悪魔城ドラキュラ』は、後のシリーズ作品に与えた影響の大きい作品だと思いますので、なおのことシリーズのファンはきちんとプレイしておいた方がいいと思いました。
この作品で遊ぶ方法

みなさんの思い出
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■グリーンヒルさん
X68000版の悪魔城ドラキュラは当時学生だった私には欲しくても手の届かない存在でしたが、運の良いことに、このゲームを持っている友人がいたので遊ばせて貰うことが出来ました。そして、ファミコン版から色々と進化している映像と音楽に衝撃を受けっぱなしでした。途中、ボスの狼男(あれ、狼女でしたっけ?) にかなり苦戦を強いられましたが、何とかエンディングを拝むことが出来たのは良い思い出です。

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