今回は『沙羅曼蛇』について。
この記事は、コナミのSTG『グラディウス』の続編である『沙羅曼蛇』にはいくつものバージョンがあることと、その違いについて解説をする記事です。

こんばんわ、レトロゲームレイダース/ジョーンズ博士です。
今日の講義は、コナミのシューティングゲーム『沙羅曼蛇(サラマンダ)』について。そもそも「沙羅曼蛇って何?」というところから説明していきたいと思います。
沙羅曼蛇とは?
コナミが1986年にアーケード用シューティングゲームとしてリリースした作品であり、名作『グラディウス』の続編です。『グラディウス』には『グラディウスII GOFERの野望』というナンバリングタイトルが存在しますが、シリーズ2作目はこの作品になります。ここ、テストに出るので注意。

(アーケード版沙羅曼蛇のタイトル画面)
(引用:setsuhiwaさんの動画)
前作『グラディウス』との大きな違いは、
・有機物のような生体ステージや敵が増えたこと
・二人同時プレイが可能になったこと
・パワーアップが、カプセルストック方式ではなく、アイテム方式になったこと
ざっくり言うと、こんな変化がありました。過去記事にこの作品について熱く語っている講義があるので、詳細はそちらをご覧ください。
=参照記事=
【名作発掘】 『沙羅曼蛇(サラマンダ)』─―戦友(とも)よ、我とともに戦ってくれ!
この『沙羅曼蛇』は、数多くのハードに移植されているのですが、その際に、いろんな変化を受けて新しい『沙羅曼蛇』になっているので、その違いについて説明していきたいと思います。
LIFE FORCE(海外版沙羅曼蛇)

(海外版のライフフォースのタイトル画面)
(引用:World of Longplaysさんの動画)
『グラディウス』も海外では『ネメシス』というタイトルで展開されたように、『沙羅曼蛇』は『ライフフォース』という名前で海外展開されました。国内版との違いがいくつか存在します。
・ストーリー解説デモが追加された
・一部背景が差し替え
・アイテム名が変更
この『ライフフォース海外版』は、実は長い間家庭用に移植されることがなく、日本国内でも遊べる機会がほとんどありませんでした。プレイステーションやセガサターンで発売された「沙羅曼蛇デラックスパックプラス」やプレイステーションポータブルの「沙羅曼蛇ポータブル」にも収録されていません。
2015年に、プレイステーション4用ゲームアーカイブで配信された『沙羅曼蛇』にてようやく収録されることとなり、多く人に遊ばれる機会を得ました。
LIFE FORCE(国内版)

(国内版ライフフォースのタイトル画面)
(引用:Replay Burnersさんの動画)
さて、海外版ライフフォースを日本に逆輸入した作品と思われがちですが、実は違います。海外版ライフフォースをもとに国内向けに再アレンジが加えられたのが、こちらの『国内版ライフォース』です。以下のような特徴があります。
・ストーリー解説デモの削除
・グラフィックや敵が生物的なものに変更
・『沙羅曼蛇』よりボイス数が増えている
・2面・4面・5面の曲が沙羅曼蛇の未使用曲に差し替えられている
・『グラディウス』と同じカプセルストック方式のパワーアップに変更
・2Pのパワーゲージが1Pと逆の並びになっているため有利
・ストーリーが超生命体ライフフォースの中に侵入する展開に変更
前述の「沙羅曼蛇デラックスパックプラス」や「沙羅曼蛇ポータブル」に収録されていた『ライフフォース』はこちらの作品です。
ファミコン版沙羅曼蛇

(ファミコン版沙羅曼蛇のタイトル画面)
(引用:60 final countdownさんの動画)
透明プラスチックケースの「スケルトンカセット」でリリースされたファミコン版は、アーケード版『沙羅曼蛇』をベースとしながら、細かいところが『ライフフォース』仕様になっている、いわばハイブリッド版です。
・作品のベースは、『沙羅曼蛇』
・パワーアップは、『ライフフォース』のカプセルストック式
・ステージ2と5が差し替え。ステージ4がステージ2に
・ステージ4とステージ5は、ファミコン版オリジナルステージ
・一部ステージの構成が変わっている
・ステージ2のBGMに『ライフフォース』のステージ5の曲が使われている
・サラマンダーという敵が出てくる唯一の『沙羅曼蛇』
ファミコンで『沙羅曼蛇』を知ったという人は結構いるかもしれませんが、実は、原作であるアーケード版とはいろいろと違うのでした。よくよくステージ構成をふり返ってみると、テーマの統一感がなかったりします。
MSX版沙羅曼蛇

(MSX版沙羅曼蛇のタイトル)
(引用:GMIX6809さんの動画)
MSX版『沙羅曼蛇』は、名前こそ同じではあり、作品の雰囲気も似ているが、まったく違う作品です。そもそもMSX版の独自展開作品である『グラディウス2』の続編という位置づけであり、アーケード版と同じところのほうが少ないといっても過言ではありません。
・自機が、サーベルタイガーとスラッシャーという機体
・ラスボスは、『グラディウス2』のボスである「ヴェノム」
・『グラディウス2』のカセットがないと真のエンディングが見れなかった
・ステージ内にある『炎の予言』を読んでボスの弱点を探す
・ステージ3がルート分岐でA・B・Cの3パターンある
・通常武器以外に特殊武器がある
・オプションハンターが一番最初に出てきた作品
MSX版はシリーズの伝統であるステージ途中でやられた際のパワーアップの立て直しが非常に難しく、その結果、数ある沙羅曼蛇の中でも高難易度の作品になっています。
いかがだったでしょうか。
あとは、PCエンジン版もアーケード版の移植と思わせておいて”ちょっと違う”のですが、そこまで大きな変更ではないので今回は回会いします。この記事を『沙羅曼蛇』の機種別プレイを楽しむ際に、参考にしていただければ幸いです。


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