【惜作発掘】『ボンバーキング』(ファミコン)――ボンバーマン亜種として、その面白さを上手くカタチに出来なかった惜しい作品!

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こんにちは、レトロゲームレイダー/ジョーンズです。
今回発掘した作品は、ハドソンが1987年8月7日にファミコン用アクションゲームとして発売した『ボンバーキング』。「五感とサイキックパワーを爆発させる全く新しいゲーム」と謳われた「マル超シリーズ」の第1弾として登場しましたが、たしかに怒りでチャクラが開きそうになった作品でもありました。

さあ、今宵も、歴史に埋もれし、レトロゲームの魅力を掘り起こしていこう――。

『ボンバーキング』 とは

『ボンバーキング』とは、『ボンバーマン』の続編のような触れ込みで発表されたものの、ストーリー的には何もつながっておらず、続編という話もいつの間にか消滅してしまった不遇の作品です。

タイトルに「ボンバー」とついていますが、主人公はボンバーマンではなく、戦闘用アンドロイド「ナイト」。爆弾を手に持っていますが、ボンバーマンのように無制限に爆弾を出せるのではなくストック制であり、在庫がなくなると爆弾を設置できません。では、どうやって攻撃するかというと、ビームを発射できます。このビームで敵を倒すのです。では、爆弾はどこに使うのかというと、ステージ上で主人公の行く手を阻んでいる障害物を破壊するのに使います。ここまで読んで「ん?」と思った方は察しがいいですね。本作は『ボンバーマン』とはまったく似て非なるもの。追加要素によって『ボンバーマン』の良さを打ち消して、得られるはずの新しい面白さがあまりなかった…というのが、ざっくりとした『ボンバーキング』の概要です。

これは個人的な意見ですが、ファミコン時代のハドソンの良くないところが凝縮したような作品だと思っています。俺がファミコン時代のハドソン作品の嫌いなところの1つ目は、プレーヤーに「このゲームはこういうところが面白い作品だよ」と説明するのが下手、もしくは説明する気がない点。2つ目は、このゲームは本当に面白いのか?という自己分析と作り込みが足りない点。この2つが『ボンバーキング』には当てはまります。ではダメなゲームかというとそんなことはありません。ただ、このゲームの面白さを理解できるのは相当なマニアだけですよ、という感じなんですね。

『ボンバーキング』 のストーリー

アルタイル紀元2036年。惑星アルタイルに突如寒い冬が訪れ、人々は大混乱へと陥った。その原因は、異次元生命体が惑星に侵入し、惑星アルタイルの環境管理コンピューターをハッキングしてしまったことだった。このままでは、惑星アルタイルは人の住めない死の星と化してしまう。解決方法は1つ、異次元生命体を殲滅すること。緑の大地を取り戻すため、戦闘用アンドロイド「ナイト」は惑星アルタイルに降り立つ。

『ボンバーキング』のスクリーンショット

『ボンバーキング』 の魅力

『ボンバーキング』の面白さを理解するために必要なのは、まずは『ボンバーマン』という先入観を捨てることです。これはまったく別のゲームなのですから。むしろ、ハドソンが作った『メタルギア』と考えましょう。

主人公は単身敵地に乗り込み、敵を倒して敵の武器(爆弾)を奪いながら、敵の基地奥深くに侵入していく。出てくる敵は必ずしも倒さなくていい。しかし、先に進むためには爆弾はある程度まとまった数が必要。そんな爆弾も設置から爆破までの時間が短く、爆風に巻き込まれれば、ライフ制の主人公ナイトも1発で瀕死のダメージを喰らう。それだけ自分にとってもリスクのある武器を使わなければ、異次元生命体は倒せない。ゆえに、1つひとつの戦闘は細心の注意を払って行なうべし…というように考えると、本作はなかなか面白くなるのです。

そんな本作では、障害物を破壊するとさまざまなアイテムが出てきます。これらのアイテムは、貯めておきたくなる心理が働きますが、バンバン使っていった方がこのゲームは面白いです。ステージ内に現れる地下に降りる階段を見つければ、消費アイテム「キャンドル」を1回使わないと暗くて何も見えませんが、地下ステージはアイテムがワンサカ落ちているのでガンガン拾ってバンバン使っていきましょう。チマチマと爆弾で障害物を破壊していくトンネル掘りのようなゲームスタイルだと、このゲーム超絶つまらないです。

各ステージ内に隠されているアイテム「秘宝」を見つけないと、ループが続いてクリアできないという鬼仕様のため、障害物を積極的になるべく多く破壊しなければならないため、破壊系アイテムはバンバン使っていかないと、本当に辛いだけです(涙)。

そんな散々なことを言っている『ボンバーキング』ですが、巨大ボスキャラとの戦闘や右に進んでスクロールしていくステージ構成など、後のボンバーマンシリーズに継承されていく部分もあり、レトロゲーム好きとしてボンバーマンシリーズを追っていく上では、結構貴重な「失敗の学び」がある作品でもあると思います。

ちなみに、ゲームボーイで発売された本作のリメイク『ボンバーキング シナリオII』は、びっくりるすくらい遊びやすくなっており面白いですよ!

『ボンバーキング』 の歌

緑の大地は遥かな夢
希望の光をその身に受けて
豊かなアルタイルを取り戻すまで
行く手を阻む者は 其は何者ぞ

傷付いた制御コンピュータ
遥かに遠い夢を抱きつつ
Go for break out Go for break out ここはコリドー
駆け抜けろ 駆け破れ ナイト

輝き失くしたこの惑星(ほし)に
最後の望みを灯す為
閉ざしたその扉は大地の底に
システムプログラムに起動を掛けて

甦る制御コンピュータ
緑が戻る青きアルタイル
Go for break out Go for break out ここはコリドー
駆け抜けろ 駆け破れ ナイト

『ボンバーキング』 で遊ぶ方法

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