『超絶倫人ベラボーマン(PCE版)』――遊びやすくなったと見るか、ベラボーらしさがなくなったと見るか。

Pocket

こんにちは、レトロゲームレイダー/ジョーンズです。
今回発掘した作品は、1990年7月13日にナムコよりPCエンジン用アクションゲームとして発売された『超絶倫人ベラボーマン』。1988年にリリースされた同名アーケードゲームの家庭用移植版になります。

しかし、パッ見こそ、アーケード版の忠実な移植に見えますが、ゲーム内容は大きく変更されており、見方によってはまったく別モノといえなくもない作品に。それを遊びやすくなったと見るか、ベラボーマンらしさがなくなったと見るかは、人それぞれだったりします。

それでは今宵も、歴史に埋もれし、レトロゲームの魅力を、掘り起こしていこう――。
 

AC版『ベラボーマン』とはどんなゲームだったのか?

アーケード版『超絶倫人ベラボーマン』とは、昭和40年代の東京郊外の街を舞台に、密かに地球征服を目論む爆田博士と、突如地球にあらわれたアルファー遊星人からスーパーヒーローの力を授かった会社員、中村等(ベラボーマン)の戦いを描いたアクションゲームでした。

この作品のゲームシステムの大きな特長は、「ベラボースイッチ」です。

これは、「ジャンプ」と「攻撃」のボタンが押した強さによって、ゲーム内のベラボーマンのジャンプ力が高くなり、攻撃範囲が広くなる、というもの。アーケード版『ストリートファイター』で採用されていたアレと同じ感じです。結論からいうと、このベラボースイッチのせいで、本作はかなりクセの強いアクションゲームとなってしまいました。ただ、それは本作の「~らしさ」でもあるんですけどね(笑)。

アーケード版『超絶倫人ベラボーマン』 の面白さを理解するためには、昭和ライダーの初期である『仮面ライダー』と『仮面ライダーV3』を最低限観ておく必要があります。これら作中内のライダーたちのアクションは、「とう!」とビヨーンと高くジャンプして、「ライダーキーック」という攻撃一発がとてつもなく重いです。本作は、それをゲーム化したものなのです。ベラボーマンの手足がバネ上になっていて伸びる…というのは、バッタの改造人間だから脚力が強いという仮面ライダーの設定のパク…いや、オマージュです。ベラボーマンがジャンプして攻撃に移る瞬間、動きがピタッと止まる謎の動きは、特撮ヒーローモノの演出それなのです(敵に当てるための微調整と意味もあるのですが)。

つまり、ベラボーマンの攻撃力はめちゃくちゃ強く、当たりさえすれば、ボス以外の大抵の敵は一撃で粉砕することができます。このベラボースイッチを上手く操作して、敵に攻撃を当てていく。それが上手くいくことが爽快感に繋がっていくという、『ギャラクシアン』のそれをアクションゲームに持ってきたような作品が、 アーケード版『超絶倫人ベラボーマン』というゲーム なのでした。

でも、元ネタは『パーマン』という話もあるんだけど、どうなんでしょうね(笑)

PCエンジン版はどう変わったのか?

PCエンジン版への移植に伴い、アーケード版『超絶倫人ベラボーマン』で採用されていたベラボースイッチの仕様は、ボタンを押す長さによって強弱が変わるという仕様に変更されました。この一文だけを書くと大した変化に思えませんが、プレイ体感は結構違っています。

アーケード版は、初期昭和ライダーのように、全体的にもっさりして動きというか、動と静がはっきりしたアクションであったのに対して、細かい動作に反応しやすいアクションになりました。アクションスピードが増した後期昭和ライダーっぽくなったというか。実際、PCエンジン版とアーケード版を交互にプレイしてみると、すごく似ているゲームなのに「何かがまったく違う」といった印象を受けると思います。機動力が上がったことで、良い方向に改善された移植という一面はあるのですが、フツウのアクションゲームに近くなってしまいました。しかし、独特の挙動や世界観は残っているので、なんというか、「アクの強いバカゲー」という見られ方をされてしまうかもしれません。

しかし、そうではないのです。

『超絶倫人ベラボーマン』は、昭和特撮ヒーローの牧歌的な勧善懲悪アクションのゲーム化を目指していたと思われ、それが、画面全体攻撃といった反則を使わず、どんな敵も自分の手で一撃ずつお見舞いして倒していくというプレイスタイルを作っています。殴る痛みを感じつつ戦うヒーローが、ベラボーマンなのです。その表現がベラボースイッチでした。でも、そのヘンがなんかうやむやになってしまった家庭用アクションゲームが、PCエンジン版『超絶倫人ベラボーマン』なのです。

▶次のページ PCエンジンに「ベラボー参上!」