【レトロゲームと俺物語】『きゃんきゃんバニースペリオール』と、自作恋愛シミュレーションと、高校生の恋愛事情の話。

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中学校の頃にMSX2+を親に与えられた俺は、プログラミングで自作ゲームを作るようになり、少し大げさに言い方になりますが「作り手」としての視点を得た気がします。そのため、ゲームで遊んでいても、純粋に遊ぶというよりは、「ここはどういう処理をしているんだろう?」「なぜ、こういうシステムになっているんだろう?」ということを考えるようになっていったのでした。

さて、高校時代。俺は中学時代に派手に玉砕した女の子のことが忘れられなくて、バスケットボールをやっていたその子の影響でバスケ部に入部していたりしたのですが。俺の不純な入部希望に気が付いたバスケ部のマネージャー(2年の女子)から「そんな気持ちで部活やっても楽しくないから辞めたほうがいい」とグサリとくることを言われ、「自分に合った部活、自分の進むべき道はなんだろう?」と考えた挙句、パソコン部に入部し、女の子のCGを描いたり、自作ゲームをプログラムする日々を送るのでした。

そんな時に『ときめきメモリアル』と出会います。そして、「自分でもこんなゲームを作りたい!」と思い立ち、半年後の文化祭に向けて、オリジナル恋愛シミュレーションゲーム『むきむきメモリアル』の開発がスタートしました。

『むきむきメモリアル』は、筋肉を最高の美徳とする私立マッシブ学園に入学した主人公が、入学早々、学園のアイドル認定をされる幼馴染の女の子に、学校の裏山にある筋肉弁天像の前で戦いを挑み、勝って告白することを目指すという『ときめきメモリアル』と『超兄貴』を足して三で割ったような世界観のゲームです。「すべての問題は筋肉で解決できる!」という支配的ルールに基づき、ゲーム内のほぼすべてのイベントが「筋トレ」か「バトル」。中間テストは、擬人化したテストの五人抜きバトルだったりと、自分では『ときめきメモリアル』のベースにしながらも独自路線を確立できたと思っていました。しかし、開発中のゲームをテストプレイしてもらった友人からこんなことを言われてしまいます。

「これ、どこに恋愛要素があるの?」

ぐふっ。痛いところをつかれました。しかし、中学時代の手ひどい失恋の影響で、まともに女子と会話も出来なくなっていた当時の俺が、同級生と付き合えるわけもなく、「そもそも恋愛とは何なのか?」「それをゲームに落とした時にどんな形であるべきなのか?」がまったく見えません。かくして、『むきむきメモリアル』は開発を一時中断します。

ウチの高校には裏山が存在し、遭難者出てもおかしくないような広い森がありました。そこは一部ハイキングコースになっていましたが、平日の夕方にそんなところを通る人間はほとんどおらず、俺は『むきむきメモリアル』にどうやって恋愛要素を組み込むかを思索するため、毎日、この裏山に通い、「ああでもない」「こうでもない」と考える日々。そんなある日、静かな森の中で、私はかすかな人の声を耳にします。「なんだろう?」。MSX2/2+版『ソリッドスネーク』で鍛えたスニーキングスキルを駆使し、私は声のする方に近づいていきました。

なんと、声の主は同じ高校の先輩たち。しかも、バスケ部のキャプテン(男子)とあのマネージャー(女子)が、森の中でセクセクスをしていたのです。俺は『スターウォーズEP6 ジェダイの帰還』で帝国軍を森の中で監視するイウォーク族のように、その二人の営みを凝視しつづけました。自分より2つ年上と1つ年上の先輩たちが、数時間前まで授業を受けていた学び舎のすぐ近くで、こんなことをしている!その衝撃といったら。こういう場合、大抵、のぞき見している人間が木の枝をパキッと踏んでバレるのですが、それはドラマの中だけの話です。実際、俺は「ブッ」とオナラをしてしまい、その音で「誰だ!」と覗きがバレ、速攻で逃げました。

ゆっくり思索する場所を失い、「恋愛とはどういうものなのか?」を知りたいと思っていた俺は、愛読書である月刊テクノポリスを読んでいた時、実際に女性36人にアンケートを取って作ったというゲーム『きゃんきゃんバニースペリオール』の広告と出会うのでした。

「これだ!」と、俺は思います。

「このゲームをプレイすれば、男子と女子のつき合いの“先”が分かる!」。今でこそ笑い話になりますが、この時の童貞高校生はなかば本気でそう考え、なけなしのお小遣いをはたいて『きゃんきゃんバニースペリオール』を近所のラ〇ックスで買います。賢明な読者のみなさんなら「『きゃんきゃんバニースペリオール』が18禁美少女ゲームなので、当時高校生の俺は購入できないはずでは?」という疑問を抱かれることでしょう。ただ、今日では考えられないと思いますが、日本に法律ができたのは平成の後半になってからで、それ以前の日本には法律なんてなかったのです(ウソ)。

そういったゴニョゴニョを経て俺は、夜、両親が寝静まった後、父親のPC-9801DXをピポッと立ち上げ、『きゃんきゃんバニースペリオール』をプレイするのでした。この作品には、「女子大生おかわりセット」「セーラー服ゆうやけセット」「制服むんむんセット」という3つのシナリオが入っており、女の子と出会って、いろいろ会話をして、いい感じの雰囲気にして、攻略していくというアドベンチャーゲームです。ただし、シナリオを進めるフラグ上げが超絶難しい。しかし俺は、飽くなき探求心で全12人すべての攻略に成功するのでした。

そして『きゃんきゃんバニースペリオール』をクリアした俺が得た結論は、「恋愛の“先”にあるのはセクセクス」。まあ、エロゲーなので、全シナリオやることやるので当たり前なんですけどね。しかし当時の俺は、「そういえば、先輩たちも裏山でセクセクスしていたなぁ…やっぱりゴールはセクセクスなんだなぁ…」と思いをはせるのでした。

とある体育の授業前。

「お前、背中の傷どうしたの?」と同級生が騒いでいます。見ると、同級生のI君の背中に、生々しい引っ掻き傷が無数についていて痛々しい感じに。少し血がにじんでいました。「あっ、これ?」。I君は同級生たちに語ります。「昨日、ご両親が旅行に行っているからって彼女の家に泊まったんだけどさ。夜、激しく愛しすぎちゃってさ。こんなんなっちゃったんだよ(笑)」。I君の彼女は、市内の女子高で生徒会をやっているザ・お嬢様という感じの優等生タイプの美少女。あんな女の子も高校生になるとセクセクスなのか。俺は衝撃を受けました。

高校生になっていつまでも女性恐怖症で女子から逃げていていいのか。『むきむきメモリアル』なんて作っていていいのだろうか。ラジオ番組『ツインビーパラダイス』に送る用のハガキを大量に買っていていいのだろうか。もっと他にやるべきことがあるんじゃないだろうか。

悩み多き高校生は自問自答しながらも、今日も放課後に市内のゲームショップに足を運び、「『イースI・II』が3000円台になっていたら買おう」とか思うのでした。

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