【名作発掘】『悪魔城伝説』――ワラキア全土を覆う闇に立ち向かうのは、4人の闇狩人たち。

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語られる過去最大の魔大戦。


シモン・ベルモンドによって復活を阻止された魔王ドラキュラ。しかし、シモンが立ち去った墓標から何者かの腕がつき出され、新たな展開を予感させる『ドラキュラII』のエンディングから2年。悪魔城ドラキュラの物語は、一度過去へ導かれることとなる。シモンが戦った時代の100年前に、一体何が起きたのか?ドラキュラとベルモンド一族の因縁とは?100年前、ドラキュラと対峙したベルモンド一族の名は、ラルフ・C・ベルモンド。

さあ、今宵も、歴史に埋もれしレトロゲームの魅力を紐解いていこう――。

※2018年1月1日に加筆修正しました。






ブログ代表
こんばんわ、レトロゲームレイダース/ジョーンズ博士です。

今回、発掘した作品は、コナミが1989年に発売したファミコンソフト『 悪魔城伝説 』。あの『悪魔城ドラキュラ』のシリーズ三作目です。


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いまさら語る必要もないかもしれません。ファミコンの中でも名作と誉れ高い作品です。3Mbitのロムと搭載された特殊LSI「VRC6」により、振り子の動き、巨大歯車の回転、闇にうごめく霧といったを表現可能にしたグラフィック!独特のビブラート感と音数の増えた美しいBGM!複数のルート選択!アイデア満載のステージ!性能の異なるキャラクターたちとの共闘!

制作チームは、『悪魔城ドラキュラ』、『ドラキュラII 呪いの封印』と同じ。彼らのファミコンアクションゲームとしての集大成にふさわしい内容となっています。

これまでのファミコンでは不可能だった“夢”の数々を実現させ、すべての面で圧倒的なパフォーマンスを発揮した本作は、『ドラキュラII』で冒険したゲームシステムを見直し、「ドラキュラってこういうゲームだぜ!」という道筋(マイルストーン)を示したといえる作品です。

「名作保証」と、ここまで堂々と太鼓判を押せるゲームも、そうそうはないでしょう。

レトロゲームレイダースとしては、多くの人に『悪魔城伝説』をプレイをしていただきたいと思っています。しかし、昔のファミコンのゲームでしかないのも事実です。でも、「昔のゲーム」とひと言で片付けてしまうにはもったいない『悪魔城伝説』を、今回は、本作のゲーム内容以外の視点で評価してみたいと思います。


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candlesシリーズの墓標となる罪
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本作の完成度は非常に高いものでした。1つの到達点に達したと言っても過言ではありません。しかし、それゆえに「悪魔城伝説を超える」ということが、難しくなってしまったのも事実です。

そのため、本作以降、シリーズはしばらく迷走の時代を迎えると、個人的には感じています。

『悪魔城ドラキュラ』、『ドラキュラII』、『悪魔城伝説』の3部作は、ディレクター赤松仁司さん率いる制作チームによって、アクションゲームとしての質、世界観が統一されたものでした。

しかし1980年代後半になると、ドラキュラというコンテンツを多展開させなければならなくなり、別チームがドラキュラわ手がけるように。具体的には、ゲームボーイ版『ドラキュラ伝説』、スーパーファミコン版『悪魔城ドラキュラ』がそれにあたります。

それぞれの作品には、それぞれの魅力があり、ゲームとしての完成度や魅力が低いとは思いません。むしろ、高いといえます。しかし、初期三部作の世界観や設定を受け継いでいるか?といえば、NOです。

『悪魔城ドラキュラ』シリーズはディスクシステムで生まれた作品です。ディスクシステムでの作品開発には決まり事ごとがあって、カセットではなくディスクカードになったことでお得感がなくなる部分を説明書でカバーしようというもの。そのため、初期ディスクシステムの作品は、説明書にやたら長いストーリーが書かれていました。

このことから考えるに、おそらく初期悪魔城ドラキュラシリーズには、きちんとした世界観や設定があり、守られていたと推測されます。少なくとも『悪魔城伝説』まではそれがあったのではないか。それが、会社の事情と思われますが、うまく引き継がれなかったのは残念だと感じます。

初期世界観・設定の断絶を感じる理由の1つは、ゲームボーイ版『ドラキュラ伝説』の主人公が初代『悪魔城ドラキュラ』の設定にある100年前にドラキュラを倒したクリストファー・ベルモンドであり、時代設定が100年前であること。しかし、100年前の戦いは『悪魔城伝説』です。

公式見解ではありませんが、『悪魔城伝説』の主人公「ラルフ・C・ベルモンド」の「C」がクリストファーである説のほうがしっくりきます。

初期世界観・設定の断絶を感じる理由の2つ目が、SFC版『悪魔城ドラキュラ』の存在です。

シリーズ4作目という位置づけですが、オープニングに出てくる墓も『ドラキュラII』のエンディングに出てきたものと、シリーズとしての繋がりが感じられるにも関わらず、新展開が語られることなく初代のリメイクという位置づけになってしまいました(スーパーファミコン初期ソフトのため発売が急がされた説あり)。


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シリーズの迷走というネガティブな言いかたをしましたが、逆に考えれば、「ドラキュラの新しい可能性を探る」という役割を担った作品であり、期間だったとも言えます。重ねて言いますが、『ドラキュラ伝説』も『SFC版悪魔城ドラキュラ』も悪い作品ではありません。

でも、ちょっとテイストが違うので、こちらの作品からプレイした場合はご注意を。



三作目で過去の物語が語られた謎
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ここからは世界設定についての話をします。

『悪魔城伝説』は、シモン・ベルモンドが活躍する時代の100年前の戦いです(後に200年前の戦いと公式で訂正されました)。

そして、その物語は初代の取扱説明書で書かれていた英雄クリストファー・ベルモンドとドラキュラの戦い(GB版『ドラキュラ伝説』)よりも過去のことであり、“隠されていた物語”であることに注目したいところ。

“隠されていた”という表現を使ったのは、ラルフ・C・ベルモンドの『悪魔城伝説』の物語は、クリストファーの物語よりもはるかに激しくワラキア全土を広がる大きな戦いだったにも関わらず、シモンの時代には全く人々に知られていないからです。

では、誰が隠したのでしょうか。その答えは、おそらく東方正教会と私は推測しています。

『悪魔城伝説』ではじめてその存在が明らかになった東方正教会は言うまでもなく、時の権威の象徴です。しかし、彼らがドラキュラ討伐のためにワラキアへ差し向けた軍隊は全滅。しかも、『悪魔城伝説』で語られている通り、疎んじてきたベルモンド一族たちによって事態は収束されることになります。これは教会にとって権威失墜といえる出来事。ゆえに、この事実が隠されたと考えるのが自然ではないでしょうか。


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本作の魅力を深掘りするにあたり重要なのは、その“隠された過去の物語”が、なぜ、シリーズ三作目で明かされるのかです。

ここから先は推測でしかないのですが、

魔王ドラキュラとベルモンド一族の戦いには、もっとさまざまな力と血筋と組織が絡んでいる壮大な闇の歴史があるのではないでしょうか。そのすべてを紐解いていくには、情報開示の順序が必要であり、本作『悪魔城伝説』ではいくつかのキーワードが開示されました。

 強大な力を持つゆえに人々から疎まれていたベルモンド一族。
 ヴァンパイアハンターの血筋ヴェルナンデス家。
 ワラキア地方において力を持つ東方正教会。
 父ドラキュラに反抗する息子、漆黒の貴公子アルカード。

彼らやその一族、組織がどのような思惑を持って強大な魔力を持つドラキュラと関わり、どのように動いていくのか。

ドラキュラの誕生とベルモンド家の宿命のはじまりを描く『キャッスルヴァニア』、悪魔城伝説後の情勢を描く『闇の呪印』、アルカードが真の決着をつけにいく『月下の夜想曲』、正教会が権威を取り戻すために動く『奪われた刻印』、ヴェルナンデス血と一族が活躍する『白夜の協奏曲』、『暁月の円舞曲』…など。後のシリーズの作品をより深く理解するためにも、『悪魔城伝説』は外せないピースなのです。


魔が支配する15世紀という時代
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時代背景にも注目しましょう。『悪魔城伝説』の舞台となる15世紀は、オカルトの全盛期です。ペストの大流行、相次ぐ不作と飢饉、ヨーロッパ全土には多くの死が蔓延していました。教会はただ「祈りを!」と声をあらげるばかりで、事態を好転させることはできません。鬱屈した人々の不満や怒りの矛先を機関に向けさせまいと、教会の指揮の下で魔女狩りや異端諮問という名の虐殺が行なわれました。いつ誰が自分を密告するか分からない。人々はそんな疑心暗鬼の中で生きていかざるを得なかった時代です。

栄華を誇ったローマ帝国はオスマン帝国にやぶれ、群雄割拠の時代に。教会は宮廷化した内部での権力抗争のために弱体化へ。街には多くの死体があふれ、ひと摘みの麦わらのために鮮血が飛ぶ。

王たちはアジアへと軍隊を差し向け、世を憂う人々は夜な夜な媚薬に身を任せ、黒ヤギの庇護する秘密の会合で多くの男女と肌を合わせる。法と秩序は地に堕ち、力と魔が支配する新時代。

そんな闇の眷属が圧倒的に力をつけた、最悪の状況下での戦いを強いられるのが、本作の主人公、ラルフ・C・ベルモンドの物語なのです。


虐げられし、ダークヒーローたちが主人公
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主人公のラルフ・C・ベルモンドは真正バンパイアハンターとして教会から認められてはいるものの、教典の教えと異なるその力は疎まれ、排斥されてきた一族の出身である。

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サイファ・ヴェルナンデスに至っても同様だ。彼女は教会から与えられたバンパイアハンターとしての役職に就いてはいるものの、その一族は教会主導の魔女裁判で多くが犠牲となった。教会としても「近くにおいて監視せざるを得ない」危険因子なのである。

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グラント・ダナスティは、明言こそされていないが「せむし男(差別表現)」だ。本来は、脊柱側湾症の患者なのだが、当時は「背中に蟲を飼っている」という風説の流布により差別の対象となっていた。グラントの一族はまともな社会で生きられないがゆえに、体術を身につけたのだろう。

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アルカードに関しては言うまでもない。ドラキュラの息子であるがゆえに、彼は生まれながらにして決して表舞台にあがることは許されない。


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『悪魔城伝説』にヒーローは存在しません。彼らは世間から疎まれ、虐げられてきた者たちです。それでも彼らは世を儚むことなく、世界を救うために戦う。暗黒の時代の中で唯一の希望が、世間から隔絶された者たちの命の瞬きなのです。彼らを何を想い、何のために命を賭けるのか。そこにドラマを感じます。


舞台はワラキア全土。バンパイアウォーズ開戦!
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さて、本作はドラキュラシリーズにおいて、最大規模の戦いであったことにも注目しましょう。

なにしろ舞台はワラキア全土。東ヨーロッパの一領地とはいえ、国ひとつがドラキュラに支配されているのですから。これは、1999年のユリウス・ベルモンドによる最終決戦(ゲーム化されておらず)、第一次世界大戦下でのジョニー・モリスによる『バンパイアキラー』に並ぶ大きな戦いです。

魔界化したワラキアは、その建築物、動植物、あらゆるものが人を寄せ付けない世界。ファミコンの限界を超えて描かれるその世界観を楽しめるクラシックな教養を、レトロゲーマーとしては持ち合わせておきたいですね。

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また会おう、わが同志たちよ!
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ゲームをクリアしても、ベルモンド一族の物語はつづきます。ドラキュラ討伐後、再びドラキュラの復活した際に再会を誓うラルフ、サイファ、グラント、アルカードたち。その約束は、500年以上の時を経て果たされることになるのです。

それは、DS版『蒼月の十字架』。

ドラキュラとして復活してしまう来栖蒼真を止めるための裏シナリオにおいて、ユリウス・ベルモンド、ヨーコ・ヴェルナンデス、アルカードが再びドラキュラ城に集結します。


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このシチュエーションにマックスで燃えるためにも、『悪魔城伝説』のプレイは欠かせません。血の輪廻はまわり続け、とどまることを知らない。

プレイの中で、登場キャラクターたちの宿命を感じるのも、ドラキュラシリーズの魅力のひとつなのだと思います。



今、この作品を遊ぶには…
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手っ取り早く遊ぶなら、WiiUのバーチャルコンソールかWiiのバーチャルコンソールがオススメです。

 


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