
こんにちは、レトロゲームレイダー/ジョーンズです!
今回発掘した作品は、2002年6月にコナミより発売されたゲームボーイアドバンス用悪魔城探索型アクションRPG『キャッスルヴァニア 白夜の協奏曲』。悪魔城ドラキュラシリーズなのにタイトルが『キャッスルヴァニア』なのは、もともと欧米用タイトルだったものに名称を統一しIPとしてのブランドを強化しようということになったためです。また、タイトルにドラキュラが入っていないと、今後シリーズを作っていくにあたりドラキュラが敵ではないゲームも作れるという思惑もあったとか。
さあ、今宵も、歴史に埋もれし、レトロゲームの魅力を掘り起こしていこう――。
『キャッスルヴァニア 白夜の協奏曲』 とは

『キャッスルヴァニア 白夜の協奏曲』は、ひと言でいえば、みんなが待ちかねた『悪魔城ドラキュラX 月下の夜想曲』以来の完全新作悪魔城探索型アクションRPGです。
『月下の夜想曲』以前にも悪魔城探索型アクションRPGとして『悪魔城ドラキュラ サークル・オブ・ザ・ムーン』という作品があったわけですが、アレは開発チームが異なり、ゲームジャンルは同じでも作風がかなり違うものでした。しかし、本作は『月下の夜想曲』を手がけた五十嵐孝司さんと開発チームの手により、『月下の夜想曲』の「次」の新作悪魔城探索型アクションRPGとなったのです。当然、『月下の夜想曲』はハードがプレイステーションでCD-ROMという大容量メディアだったのに対し、本作はハードがゲームボーイアドバンスでロムカートリッジのため、相対的に見れば見劣りしてしまう部分はあります。が、それでも、「『月下の夜想曲』の次だ!」と思わせてくれるだけの高い完成度のゲームでした。安心してオススメできます。
『悪魔城ドラキュラ サークル・オブ・ザ・ムーン』でユーザーに湧いた「ムチを持った主人公では悪魔城探索型アクションRPGはきついのでは…?」という不安を払拭した作品であるとともに、「ムチを持った主人公では悪魔城探索型アクションRPGは広がらない」という限界が見えてしまった作品ともいえるでしょう。そのため、悪魔城探索型アクションRPGの新作は出るもののムチを持った主人公はしばらく登場しなくなります。
また、五十嵐孝司さんにより、いろいろ作られていた悪魔城ドラキュラシリーズの年表制作と正史と外伝の再編が行われたのもこの頃であり、本作は初代『悪魔城ドラキュラ』と『悪魔城ドラキュラX 血の輪廻』の間の話ということでベルモンド一族が主人公の正史扱いになります。
『キャッスルヴァニア 白夜の協奏曲』 のストーリー

舞台は1748年。シモン・ベルモンドがドラキュラの呪いを打ち破ってから50年ほどの月日が流れていた。ベルモンド一族の末裔ジュストはシモンの時代にドラキュラが残した遺物を狩る宿命を背負っていた。そんなある日、2年前に修行の旅に出た親友マクシームが、傷だらけの姿で戻ってくる。そして彼の口から信じられない事実が告げられる。2人の幼友達でもあり、あこがれでもあるリディーが連れ去られたというのだ。修行中の記憶を一切失っていたマクシームであったが、傷だらけの身体にむち打ち、ジュストをその現場に導く。濃い霧を抜けたそこには、文献にすら記されていない城の姿が…。
これはドラキュラ城なのか?幻想のようにたたずむ城は、月の光を受けふたえに輝き、突然の来客を静かに迎え入れるのだった。
『キャッスルヴァニア 白夜の協奏曲』 のスクリーンショット






『キャッスルヴァニア 白夜の協奏曲』 の魅力

タイトルにある協奏曲とはコンチェルトともいい、語源的には「競い合う」と「一致させる」の対照的な意味があり、「二面性」という意味合いがある。これは、主人公ジュストと親友マクシームの関係、物語に関係してくるマクシームの心の光と闇、そして隠し要素であるドラキュラ城の表と裏にかけたネーミングだと思われます。
本作で残念なのは「音」。前作『悪魔城ドラキュラ サークル・オブ・ザ・ムーン』の音楽が素晴らしかっただけに残念です。おそらくサンプリングなどのデータ容量をすべて他のところにつぎ込んだからでしょう。その成果もあり、『キャッスルヴァニア 白夜の協奏曲』はマップが広く、ボスキャラがわんさか配置されて、難易度も抑えられているおかげで、このゲームボリュームを贅沢に遊べる作品になっています。
当時、ゲームボーイアドバンスは子ども向けゲームハードであり、『月下の夜想曲』の発売から時間が経っていたこともあって、新規ユーザー獲得という名目があったと推測されるため、安易に手を出せてそこそこ長く遊べる作品を目指したのだと思われます。
ゲームを遊んだ感じは『月下の夜想曲』に近く、未経験者でもはじめやすいです。とにかく行ける範囲で悪魔城を探索して行けば、そのうちアイテムが手に入り、今まで行けなかったところに行けるようになったり、ボスを倒してより奥に進めるようになります。『ゼルダの伝説』や『メトロイド』的なゲームです。五十嵐孝司さんが手がける探索型悪魔城ドラキュラは、レベルデザインが絶妙であり、グラフィックと音楽が素晴らしく、さらにボスのデザインが格好良く、攻撃方法がユニークで楽しいです。
あと、「スペルフュージョン」というシステムがありますが、これもそんなに難しいものではなく、斧・聖水・短剣などといったサブウェポンにスペルブックという魔導書をセットした状態で使うと、強力なサブウェポン攻撃ができるというもの。MPを消費しますが、通じよう攻撃では一撃で倒せない敵に有効だったりと、バンバン使うと経験値が溜まりやすいので、ガンガン使っていくことをオススメします。
携帯ゲーム機でも悪魔城探索型アクションRPGは健在だ!といえる一本。悪魔城ドラキュラファンならば、『月下の夜想曲』とともにぜひ遊んでいただきたい作品だと思います!
『キャッスルヴァニア 白夜の協奏曲』 で遊ぶ方法

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