
こんにちは、レトロゲームレイダー/ジョーンズです。
今回発掘した作品は、コナミが1984年6月にMSX用アクションゲームとして発売した『ぽんぽこパン』。コナミの教育シリーズ第五弾「I love 社会」として作られた作品です。当時コナミは、教育シリーズという謎の教育ソフト展開を行なっており(助成金目的の噂あり)、あの『けっきょく南極大冒険』もこの教育シリーズの1つ「I love 地理」の該当作品でした。だから、妙に南極の地理について押し付ける感じがしたと思った(笑)
さあ、今宵も、歴史に埋もれし、レトロゲームの魅力を掘り起こしていこう――。
『ぽんぽこパン』(MSX)とは

『ぽんぽこパン』(MSX)は、パン工場の工場長であるジョーおじさんが、お客様にパンを無事に納品するために、パン製造ラインにいたずらするタヌキたちを麻酔銃をぶっ放して追い払う、という「ちょっと何言っているのかよく分からないゲーム」です(笑)
おそらく「I love 社会」ということで、パンの製造工程には「第一醗酵」「第二醗酵」「焼き上げ」という製造工程があることを伝えることが主目的だったと思われます。
ジョーおじさんの仕事場であるパン工場は、横スクロールの横長の建物であり、パン製造が機械による流れ作業で行なわれています。これを専門用語で「製造ライン」と言います。ところが、この工場には大量のタヌキたちが入り込んできて、天上からぶら下がってベルトコンベアー上にあるパンをしっぽでベルトから落としてしまったり、勝手に機械のレバーを下げて機械を止めてしまったりするのです。
ジョーおじさんは、邪魔しているタヌキ、これから邪魔しようとしているタヌキを麻酔銃で撃って眠らせて、パン製造が滞らないように一人で奮闘する内容を、PSG音源による「アルプス一万尺」に乗せてプレイします。麻酔銃は4発撃つと装填時間が必要になるため、やみくもに撃てばいいというものではありません。「ここぞ!」という時を狙って、一発で決めましょう。
『ぽんぽこパン』(MSX)のスクリーンショット




『ぽんぽこパン』(MSX)の魅力

『ぽんぽこパン』(MSX)の最大の魅力は、「社会の教科書に載っているパンの製造工程をもとに、よくこんなゲームを思いついて作ったな!」というところではないでしょうか。
コナミは、今でこそ表立って製造しなくなってしまいましたが、デパートの屋上などにあったメダル1枚で遊べるミニゲームでセンスが輝く作品を作っていました。個人的には、寺の坊主が読経する和尚さんの目を盗んでお供え物の団子を食べるだけのゲーム『つるりんくん』を初めて見た時の衝撃が忘れられません。そして、『ぽんぽこパン』(MSX)には同じゲームづくり魂が感じられます。
ゲーム市場というのは、ファミコンブームによって一気に日本全国に広まり、市民権を獲得していきます。そうすることで「ゲームとはこう」というある程度の型ができてきたという歴史があります。しかしそれ以前は、そういった方を無視して、いろいろオリジナリティあふれるゲームが生まれていました。『ぽんぽこパン』(MSX)もそんな作品の一つだと思います。アクションゲームを作ろうという発想からは、このアイデアは生まれないんですよ。
今となっては、「同じことをくり返すだけの古いゲーム」と見られてしまう『ぽんぽこパン』(MSX)ですが、ゲームを作る、プログラムを打つ立場でこの作品を見てみると、世界観を含めて非常に微笑ましい作品だと感じます。
ちなみにですが、私は本業のほうでパン工場に足を運ぶ機会が何度かがありましたが、工場内でタヌキを見たことは一度もありません(笑)
『ぽんぽこパン』(MSX)で遊ぶ方法
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