
こんにちは、レトロゲームレイダー/ジョーンズです。
今回は発掘したわけではなく、2021年5月14日に配信開始となったニンテンドースイッチ用推理アドベンチャーゲーム『ファミコン探偵倶楽部 消えた後継者』について、ゲームレビューをお送りしたいと思います。レトロゲームではないのですが、レトロゲームのリメイクということでお許しください(笑)
『ファミコン探偵倶楽部 消えた後継者』とは

原作は、1988年にファミコンディスクシステム用アドベンチャーゲームとして発売された『ファミコン探偵倶楽部 消えた後継者』です。この作品は、「前編」と「後編」の二部構成となっており、「後編」は「前編」のディスクカードとクリアデータがないと遊べない仕様になっていました。アドベンチャーゲームがシナリオの途中で「後編につづく」となる、なかなかの意欲作だったんですね。
ディスクシステム用タイトルとして、任天堂はいくつかのアドベンチャーゲームをリリースしているのですが、おそろしいことにそのすべてがハズレなしの名作揃いです。『ファミコン探偵倶楽部 消えた後継者』の前年に発売された『ふぁみこんむかし話 新・鬼ヶ島』などは、一見、日本昔話をモチーフにしたコミカルアドベンチャーですが、ラストシーンには『竹取物語』のアダルトな要素も組み込まれており、子どもでもグッとくるし、大人になると別の理由で涙するという結構すごい作品だったりします。
そんな流れで発売された『ファミコン探偵倶楽部 消えた後継者』は、タイトルから想像がつくように、少年探偵が活躍する推理モノなわけですが、たぶん、ファミコン版『ポートピア連続殺人事件』をお手本に、推理要素もからめつつ、推理もののドラマの雰囲気を楽しめるシナリオになっているのが特長です。ここでいう推理もののドラマとは、火曜サスペンス劇場や土曜ワイド劇場のソレではなく、角川映画『犬神家の一族』をはじめとする金田一耕助シリーズである点がポイントでしょう。かなりディティールが似ており、同じセリフまであります(笑)。その横溝正史ワールドに、江戸川乱歩の少年探偵団要素を加えたのが『ファミコン探偵倶楽部 消えた後継者』であり、そりゃ、1980年代キッズたちはワクワクしないわけがありませんでした。
『ファミコン探偵倶楽部 消えた後継者』のストーリー
「おい、しっかりするんだ!」
少年は、男の声で目を覚ました。頭がひどく痛い。強く打ちつけられたようだ。意識を取り戻したことで安堵した男は少年に話しかけるが、その質問は少年を絶望に陥れた。自分は誰だ。なぜここにいるのか。何も思い出せない。記憶喪失になっていたからだ。失意と混乱と疲労により、少年はふたたび意識を失ってしまう。
それは、不幸な事故のはずだった。しかし、死人よみがえり伝説が残る明神村でくり広げられる、呪われた家系の財産をめぐる惨劇のはじまりであったことを、少年はまだ知らなかった…。
リメイク版『ファミコン探偵倶楽部 消えた後継者』の魅力

発売が発表された時から、ずっとキャラクターの絵がファミ探らしくないことが気になっていました。ところが、プレイしてみると、思いのほかファミ探だったんですね。なぜ、そのように感じたかというと、キャラクターや説明メッセージがほぼ原作通りであり、グラフィックも声優さんの演技も「演出強化」に重点が置かれており、原作の世界観やプレイ感覚をとても大切にしているからです。
静止画だと分かりにくいのですが、キャラクターは細かくアニメーションしたりして頻繁に動いており、『ロボティクスノーツ』のキャラ演技を控えめにした感じで、あくまでもゲームプレイ時のテンポの良さを大切にしてくれているのが分かります。
本作は原作と同じく、コマンド総当たりアドベンチャーで、表示されているコマンドを片っ端から選択していけば先に進むことができる仕様です。ただし原作であった、「複数移動先がある状態で、どこかでフラグを立てないと先に進めないのは分かっているがどうすればフラグが立てられるのかが分からない」は、数こそ減ったものの健在で、最近のアドベンチャーゲームではこういう仕様は避けられるため、「うっ」と思う方はいらっしゃるかもしれません。が、原作に比べればはるかに遊びやすくなっており、一度選んだコマンドも何度か試せば違うメッセージが出てくるので諦めないでください。
今回のリメイク版『ファミコン探偵倶楽部 消えた後継者』の一番の魅力は、CV:皆口裕子さんのヒロイン橘あゆみちゃんであり、あゆみちゃんは原作の時から癒しの存在でしたが、皆口さんの音声がついたことと、グリングリン動くようになったことで、1日の最後にあゆみちゃんと情報整理するパートがたまらねえ時間となっています。俺は原作大好き人間だったのですが、皆口裕子さんの音声がない原作には戻れないんじゃないかと思うくらい、あゆみちゃんの存在感が大きいです。
あゆみちゃんだけでなく、原作の分かりにくかった部分が、非常に分かりやすく説明されていたり、演出が追加されているので、「あっ、消えた後継者ってこういう物語だったんだ!」と再発見できる機会にもなるかもしれません。なかなか良いリメイクだった思います。
昔ながらの因習が残る田舎で起こる殺人事件と少年探偵の活躍、そして天地がひっくり返るドンデン返しとホロリとくるラストが好きな人には向いている作品です。5~6時間でクリアできるボリュームもちょうどいいかなーと思いますよ。




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昔の『ファミコン探偵倶楽部 消えた後継者』で遊ぶ方法

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