
こんにちは、レトロゲームレイタセー/ジョーンズです。
今回は、2021年5月14日に配信開始となったニンテンドースイッチ用推理アドベンチャーゲーム『ファミコン探偵倶楽部 うしろに立つ少女』について、ゲームレビューをお送ります。レトロゲームではないのですが、レトロゲームのリメイク作品ということで許してください(笑)
『ファミコン探偵倶楽部 うしろに立つ少女』とは

ニンテンドースイッチ版『ファミコン探偵倶楽部 うしろに立つ少女』は、1989年5月にファミコンディスクシステム用アドベンチャーゲームとして発売された『ファミコン探偵倶楽部PART2 うしろに立つ少女』のリメイク作品です。同作はスーパーファミコン用書き換えソフトとしてもリメイクされている経緯があるため、今回は2回目のリメイクとなっています。
前作『消えた後継者』が、横溝正史世界観の少年探偵モノだったのに対して、今回は学園ホラーミステリーとかなり雰囲気が変わっています。前作もそうだったのですが、1980年代に勢いのあった角川映画の影響を受けているのでは?と個人的には思っていて、今作ではテイストに赤川次郎作品っぽさを勝手に感じています。全然話が変わるのですが、俺は赤川次郎さんの『死者の学園祭』が大好きだったりします。
ディスクシステム版『ファミコン探偵倶楽部PART2 うしろに立つ少女』は、前作同様「前編」「後編」の二部構成となっており、「後編」をプレイするには「前編」のディスクシステムと前編のクリアデータが必要でした。「後編」の発売は一ヵ月後だったのですが、当時のゲームは1日1時間ライフを考えると、ちょうどいい発売タイミングだった気もしますね。
前作『消えた後継者』は、任天堂初のミステリーアドベンチャーということで、やや手探り感のある実験作だったのに対し、『うしろに立つ少女』は前作の成功と反省を踏まえ、ストーリーを楽しめるアドベンチャーゲームとしてパワーアップしました。どのあたりがパワーアップしたかというと、これは学園ホラーミステリーというジャンルとも無関係ではないのですが、とにかく学園内では殺人が頻繁に起こらない。そのため、謎解きがメインになるのですが、ここにキャラクターの主体的な行動がストーリーに絡んでくる。なので、ドラマ性が強くなった推理アドベンチャーになっているというところでしょうか。
『ファミコン探偵倶楽部 うしろに立つ少女』のストーリー
一人の女子高生の他殺死体が発見された。
河原で発見された彼女は、近くの丑美津高校に通う小島洋子であることが分かる。警察から絶大な信頼を得ている空木探偵事務所で助手をとしている主人公は、高校という閉鎖的な場所での操作には同年代の者がふさわしいと、この事件を担当することになる。どうやら小島洋子は殺される前に、丑美津高校に伝わる怪談「うしろの少女」について調べていたらしい。
夜一人で学校にいると、後ろから誰かの呼ぶ声がする。振り返ると、そこには血染めの少女が立っている。
それは、どこの学校にもある怪談だと思われた。しかし、捜査を進めていくうちに、「うしろの少女」の怪談には元となる女子高生失踪事件が存在していたことが分かる。忘れられようとしていた過去が掘り起こされることで、なぜか目撃者が増えていく「うしろの少女」。
『消えた後継者』の2年前――。主人公と橘あゆみが出会う恐怖の事件が開幕する。
スイッチ版『ファミコン探偵倶楽部 うしろに立つ少女』の魅力

正直にいえば、ディスクシステム版の『うしろに立つ少女』には問題点があって。それは、コマンド総当たりのフラグ立てが分かりにくいところがあるせいで、ドラマチックな展開の学園ホラーミステリーのストーリーのテンポを崩してしまっているところがあった点です。これは、スーパーファミコン版で改善されており、今回のニンテンドースイッチ版はそれを踏襲し、演出強化にふりきったパワーアップが図られていると感じました。そのため、原作にあったストーリー背景がより分かりやすくなっていると思います。
本作は原作と同じく、コマンド総当たりアドベンチャーで、表示されているコマンドを片っ端から選択していけば先に進むことができる仕様です。ただし原作であった、「複数移動先がある状態で、どこかでフラグを立てないと先に進めないのは分かっているがどうすればフラグが立てられるのかが分からない」は、数こそ減ったものの健在で、最近のアドベンチャーゲームではこういう仕様は避けられるため、「うっ」と思う方はいらっしゃるかもしれません。が、原作に比べればはるかに遊びやすくなっており、一度選んだコマンドも何度か試せば違うメッセージが出てくるので諦めないでください。
そんな今回のリメイク版『ファミコン探偵倶楽部 うしろに立つ少女』の一番の魅力も、CV:皆口裕子さんのヒロイン橘あゆみちゃんです。あゆみちゃんは原作の時から癒しの存在でしたが、皆口さんの音声がついたことと、グリングリン動くようになったことで、ぶっちゃけ、あゆみちゃんと話しているだけで楽しいゲームになっていると言っても過言ではありません。しかし、『消えた後継者』では空木探偵事務所の同僚として毎日の推理のまとめ役として活躍してくれていたあゆみちゃんですが、本作は丑美津高校の生徒であるため、絡みが少なく感じます。いや、本当は主人公と絡むシーンは増えているのですが、親友が殺されたことで沈んだ表情が多いのです。そのため、『消えた後継者』のような萌えを感じないという声も聞きます。しかし、あゆみちゃんは現役JKであり、セーラー服であり、物憂げであり、CV:皆口裕子さんなわけであり、これはもう一段階上の萌えであると俺は受け取りました。これはこれでアリです。
冗談はさておき。
『うしろに立つ少女』は学園ホラーミステリーなのですが、「うしろの少女」は実は犯人の変装だった、というオチはありません。ガチの怪談として語られ、扱われており、「幽霊がその場にいた」と仮定しないかぎり成立しないことも多々存在する学園ホラーミステリーです。よーく考えると、結構ゾクッとする殺人事件。ゲームプレイ時間は5~6時間といったところ。今の感覚だと少しボリューム不足を感じるかもしれませんが、価格と内容とあゆみちゃんを考えると、いいコスパだと思います。






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