『ファイナルファンタジー』――国産RPG版のネバーエンディングストーリー。

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こんにちわ、レトロゲームレイダー/ジョーンズです。
今回発掘した作品は、1987年にスクウェアから発売された、ファミコン用ロールプレイングゲーム『ファイナルファンタジー』。今日まで続くFFシリーズの記念すべき1作目について取り上げたいと思います。それでは今宵も、歴史に埋もれし、レトロゲームの魅力を、掘り起こしてみよう――。

バッドエンドの物語

ネタバレ全開の作品解説を行ないますので、「知りたくない!」という方はお戻りください。

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個人的に『ファイナルファンタジー』について「すげえ!」と思ったのは、「ストーリー」と「プレーヤーを巻き込んだ仕掛け」でした。

『ファイナルファンタジー』の物語は、世界のバランスを司る4つの力を秘めたクリスタルが、4体のカオスによって力が歪められてしまったため、世界が少しずつ崩壊に向かって進んでいる世界において、伝説に語られている光の4戦士が長い旅の果てにこの世界にたどり着く、というところから始まります。

記憶を失っているものの、クリスタルに輝きを取り戻すという使命だけは覚えていた4人は、世界を旅するために、コーネリア王国の国王から依頼されたセーラ姫救出の依頼を受け、廃墟となった神殿に姫をさらった騎士ガーランドを討伐。広大な世界へ旅立ちます。

世界各地では、4つの力の暴走の影響を受け、天変地異が起きていました。それぞれの元凶は、カオス<混沌>と呼ばれる謎の存在であり、土のカオス「リッチ」、火のカオス「マリリス」、水のカオス「クラーケン」、風のカオス「ティアマット」が4人の前に立ちはだかります。1体ずつ倒していくことで、クリスタルは輝きを取り戻し、世界に調和が戻っていくのでした。しかし、4体のカオスを倒しても世界は元に戻りません。なぜなら、4体のカオスを送り込んできた混沌の本体が存在するからです。それは、2000年前の世界にいました。

光の4戦士たちは、クリスタルを力で2000年の時を超えます。そこで待ち受けていたのは、この旅の始めに倒した騎士ガーランド。彼は光の4戦士に倒された後、4つの歪められた力によって2000年前に飛び、己の憎悪と4つの力の影響によって、カオスへと変貌を遂げたのだった。そして未来へ、自らの分身といえる4体のカオスを送り込み、世界を支える4つの力を歪ませていく。始まりが終わり。終わりが始まり。カオスがいるからこそ、カオスが生まれなくてはならない。4つの力の混沌の介入によって、2000年周期でくり返される円環。これが、世界の真実だったのだ。

カオスがいるからこそ、カオスに対抗する存在がいなければならない。カオスが倒されないかぎり、新しいカオスは存在せず、世界はくり返されることがなくなってしまうから。そんな<調和>のための存在として世界から生み出されたのが、光の4戦士だったのだ。

カオスを倒した後、明るい光が4人を包み、彼らは自分たちの時代へと還っていく。そこは、この旅の始まりの場所――コーネリアの丘。長い旅の果てに、旅のはじまりへと戻り、そして再び探求の旅が始まる。なぜなら、この円環となった世界で永遠にカオスと戦い続けることが、光の4戦士の使命なのだから。

光の4戦士も、ガーランド、すべての記憶を失って戦い続ける。誰もがこの戦いのことは知らない。しかし、どこかに残っている記憶のかけらは、「架空の物語」として描かれていく。その物語の名は、『ファイナルファンタジー』。どこかの世界で本当にあった秩序と混沌の戦い物語を語り受け継いでいく、その使命を負うのは、光の4戦士とともに旅のすべてを<観て>きたプレーヤー自身――ということがラストで明かされる作品なのでした。

実はこれって、非常に興味深いところでありまして。国産RPGの二大巨頭の1つ『ドラゴンクエスト』と明確に違うところを目指しているのが明らかなんですね。『ドラゴンクエスト』は、ゲーム内の主人公=プレーヤーなんです。でも、『ファイナルファンタジー』は、プレーヤーはゲーム内の主人公を神の視点で<観て>いる者なんです。もっというなら、『ネバーエンディングストーリー』的な物語との接点というべきでしょうか。物語の主人公を観ている者ももう1人の主人公という「仕掛け」だったんですね。

さらに言えば、「永遠に戦い続ける秩序と混沌」というループ物語は、シリーズキャラクターが一堂に会するお祭りゲーム『ディシディアファイナルファンタジー』の設定に使われるわけですが、シリーズ10作目『ファイナルファンタジーX』でも使われているという点にも注目です。

しかも『X』の場合は、ループを破壊する物語であり、物語の主人公はユウナなのですが、外の世界から来たもう1人の主人公であるティーダによって、偽りの円環は破壊されます。主人公が2人いる構造って、『ファイナルファンタジー1』と同じなんですよ。もっと言えば、アーロンがティーダに「これはお前の物語だ」と言うじゃないですか。ぶっちゃけ、寒いセリフですよね。でも、この1作目の構造を理解した上で聞くと、あの「これはお前の物語だ」って、ある種の重みが出てくるんですよ。

ぶっちゃけ、今プレイするのは厳しいバランスの作品だったりします。

1987年の段階で、ファンタジー世界に超科学文明を入れている、タイムスリップとタイムパラドクスを入れている、ループ物を先駆けているといった、「ファイナル」と言いながら時代の最先端を走っていたエッジの鋭さ、そして古き良き『ダンジョンズ&ドラゴンズ』への畏敬を感じさせる、パソコンゲームメーカーが作ったっぽさがある。いまや、『ファイナルファンタジー1』をプレイする行為そのものが、4つのクリスタルの力を借りて2000年前のカオス神殿に行くVRみたいなもの。

『ファイナルファンタジー1』。今日まで続くシリーズ1作目は、やっぱりすごかったと思える作品です。

みなさんの思い出

※こちらに追記していきます。




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