【良作発掘】『フォースギア』――PCエンジンが生み出した最後の奇跡!グラディウスシリーズ初のキャラバンシューティング風味!

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こんにちは、レトロゲームレイダー/ジョーンズです。
今回発掘した作品は、1994年5月にコナミより発売されたPCエンジンSUPER CD-rom2用恋愛シミュレーションゲーム『ときめきメモリアル』に収録されているミニゲーム『フォースギア』(ややこしい)。ミニゲームといえども侮るなかれ。実は結構、長期間にわたって遊ぶことができる、スコアアタックが熱いシューティングゲームなのです。

さあ、今宵も、歴史に埋もれし、レトロゲームの魅力を掘り起こしていこう――。

『フォースギア』とは

『フォースギア』は、ひと言でいえば、「コナミがグラディウスシリーズの一環として作った、ハドソン系キャラバンシューティング」です。

PCエンジンといえば、『スーパースターソルジャー』、『ファイナルソルジャー』、『ソルジャーブレイド』といったハドソンのキャラバンシューティングシリーズが有名です。『スーパースターソルジャー』のSTAGE1のボスの攻撃は、コナミの『グラディウスIII』のビッグコアmk-IIIの攻撃パターンのオマージュがありました。コナミもシューティングゲームで名をはせたゲームメーカーですので、「PCエンジンで一度はオリジナルシューティングを!」という思いがあったのかもしれませんね。事実、PCエンジン版『ときめきメモリアル』の初期企画はオリジナルシューティングだったと聞きますし、開発チームはPCエンジン版『グラディウスII』の移植を手がけていたこともあり、この作品が生まれる条件は整っていたのかもしれませんね。

本作は、「制限時間3分+αで、いかに多くのスコアを稼ぎだすか」を目的としたタイムアタックシューティングゲームです。

本作では、「3分間は自機が特殊なシールドで守られている」という設定によって、3分間はどんな敵の攻撃をくらっても撃墜されません。「ならカンタンじゃん!」という話になるかというとちょっと違いまして。攻撃を受けると機体がはじき飛ばされてしまいます。これが点数稼ぎが目的となると無視できないデメリット。なぜなら、敵や地上物を破壊するためのポジションがズレることは、得点稼ぎができなくなることと同義だからです。

また本作は、敵を撃破した時の自機との距離でスコアが変わるという燃え要素あり。つまり、遠距離攻撃よりも、至近距離攻撃のほうが高得点ということ。つまり、ハドソンのキャラバンシューティング同様に、「敵の出現位置を覚えて、前面に出て早期撃破していく」+「可能なかぎり地上物を破壊していく」というプレイスタイルになり、その精度を上げていくことが得点向上につながります。

続いて攻撃の話。

通常攻撃はエナジーショット。Iボタンを押しっぱなしにすることで連射が可能です。ただし、高得点を狙うには、オプションのように付いている「フォース」を使いこなす必要があります。「フォース」はシールドであり、エナジーショット増幅器でもあります。その存在だけで敵を撃破する障害物にもなるし、自機の前に置いてエネジーショットを撃てば、貫通力のあるエナジーショットを放つことができるのです。巨大サブを倒した後に出てくるパワーカプセルを取ると、前方斜めを攻撃するリップルレーザーと、後方斜めを攻撃するプラズマレーザーが使用可能に。この2つは、ダメージを受けると使えなくなってしまいますが、高得点を狙うためには絶対欠かせないので、ノーダメージを心がけてください。

3分間が過ぎてしまっても、次のダメージをくらうまでゲームは続きます。これは、サッカーでいうロスタイムみたいなものなんですね。

『フォースギア』のストーリー

惑星グラディウスの衛星軌道上にある兵器開発衛星において、グラディウス軍のスペースファイターを基にした可変型スペースファイターが今まさにロールアウトされようとしていた。

しかし、時を同じくして、惑星グラディウスの衛星軌道上に、新たなバクテリアンの部隊が出現。兵器開発衛星を強襲する。パイロットは新しいスペースファイターで応戦を試みるも、不十分な兵装ではバクテリアンの猛攻を止めることはできず、兵器開発衛星はバクテリアン軍に占拠されてしまう。

パイロットはグラディウス軍の本隊とコンタクトを取って合流。その協力を得て、兵器開発衛星の奪還作戦にのぞむ。

新型スペースファイターの名は「α-GRAY」。人型と飛行型に可変ができる新しいタイプのスペースファイターであり、その特長はバリアに酷似した「フォース」を用いた戦闘スタイルにある。

デストロイ、ゼム、オール!戦いの火ぶたは切って落とされた!

『フォースギア』の魅力

今、『フォースギア』をプレイし直すべき価値についてお話します。

この記事の最初にサラッと書いているのですが、惑星グラディウスの衛星軌道上にバクテリアンが襲いかかってくるシチュエーションって、実は絶体絶命の危機なんです。北朝鮮の軍隊が大手町駅の改札前で点呼取っていると同じくらい。グラディウスシリーズで、ここまでバクテリアンの進出を許してしまっているエピソードは、本作が発売された1994年の時点ではありません。

約10年後の2004年に発売された『グラディウスV』のシチュエーションが、実は本作とほとんど同じシチュエーションからはじまります。衛星軌道上にいきなりバクテリアン軍が現れることも、衛星を占拠されることも。そういう意味では、惑星グラディウス最大の危機を最初に描いた作品として、押さえておく価値を感じます。

次に登場するBOSSについて。

正式な設定はありませんが、グラディウス軍の兵器に寄生するバクテリアンのようです。機体の中から機械の触手が出てきて破損した装備を追加していく…という描写があるのですが、これは1997年に発売された『グラディウス外伝』STAGE2のBOSSの1体「ノービル」と同系のものと思われます。

また、燃える要素の1つとして忘れられないのは、量産型スーパービッグコアです。スーパービッグコアはゲームボーイ版『ネメシスII』に出てきたBOSSであり、正確にはスーパーなのか?という議論が発生してしまうわけですが。そもそもビッグコアは各作品で何機も登場しているため、複数存在する宇宙艦なのは間違いありません。しかし、本作のようにステージ途中で何体も登場するシチュエーションは『グラディウスV』までないわけで。しかもスーパーサイズのビッグコアが何体も出てくるのは本作だけ。これは貴重です。

まだあります。BOSSになっている人型機動兵器について。どうやらこれはグラディウス軍が開発していたものらしいです。スペースファイター開発の一環として、可変型の量産を試みているという言及は、他のグラディウスシリーズでは見られません。ゆえに、本作はシリーズ作品ではあるものの、正史とは大きく離れた別の可能性の1つ(別宇宙でのグラディウスの話)と見るべきでしょう。

本作はPCエンジンというハードにおいて、コナミとハドソンという2つのゲームメーカーのいいところエッセンスを集めて生まれた、ミニゲームにしておくにはもったいない作品だと思います。とはいえ、ハドソンがコナミに吸収された今、『フォースギア』のようなシューティングが生まれる可能性は考えにくいわけで。1994年というタイミングで生まれたこの作品は、結構貴重です。

『ときめきメモリアル』という作品は、コナミPCエンジン撤退がほぼ決定していた段階での開発ということもあり、特に何かを期待されていたわけではないそうです。そのため、開発チームは結構好き勝手に作れる環境にあったとのこと。そんな環境があったからこそ、『フォースギア』も生まれることもできたし、収録されることもできたのでしょう。

歴史に埋もれさせてしまうにはもったいないミニゲームです。

『フォースギア』の出現方法

PCエンジン版『フォースギア』を出現させるには、1年目から部活は【電脳部】に入部し、かなりの頻度で部活コマンドを使い、高校3年生でクラブマスターになることが条件となっています。すると、高校3年生の10月の文化祭で【電脳部】の出品作が主人公の作った『フォースギア』となり、以降はセーブデータがあればタイトル画面から選択して遊ぶことができます。

『フォースギア』で遊ぶ方法

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今、『フォースギア』で遊ぶにはPCエンジンminiを使うのがもっともオススメです。収録されている『ときめきメモリアル』から前段の方法で遊ぶことができるのですが、もっとカンタンに遊べる方法があります。くわしくは、下記のウラ技記事をご覧ください。

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