【怪談発掘】『学校であった怖い話』(スーパーファミコン)――6人の生徒たちによって語られる恐怖の話。その先に待ち受けるのは、怪奇か、呪いか、人災か。

Pocket

こんにちは、レトロゲームレイダー/ジョーンズです。
今回発掘した作品は、1995年8月にバンプレストから発売されたスーパーファミコン用アドベンチャーゲーム『学校であった怖い話』。家庭用ゲーム機では、増量版の『学校であった怖い話S』が発売されていますが、クラウドファンディングなどでPC版は近年まで新作が続いているシリーズです。

さあ、今宵も、歴史に埋もれし、レトロゲームの魅力を掘り起こしていこう――。

『学校であった怖い話』(スーパーファミコン)とは

新聞部に所属する主人公が、部長によって集められた6人の生徒たちから、自分たちの高校にまつわる怖い話を聞いていくというスタイルのアドベンチャーゲームです。アドベンチャーゲームと言いましたが、『弟切草』『かまいたちの夜』といったサウンドノベル形式となっており、実写取り込み映像の上に表示されるテキストを読んでいくのですが、リアルな効果音やグラフィックを使用した演出、語り部が「それで、この人はどうしたと思う?」と聞くことで複数の選択肢が表示され、シナリオ分岐があったりします。

「6人の話を聞くだけ」、「学校の怪談っぽい設定」という点だけで本作を図ろうとするのは早計です。たしかに学校の怪談を語る物語ではありますが、登場人物たちが語る話はそこらへんにある学校の怪談ではありません。正確には、学校の怪談にありそうなネタではあるのですが、脚本を手掛ける飯島健男(現:飯島多紀哉)さんの生み出すストーリーは想像の斜め上を行く展開の極上ホラー!「全国の学校の怪談を集めました」なんてレベルではない、怖くも楽しめる内容となっています。

しかも、6人の話を聞くだけで物語は終わりません。話を聞き終えると7番目の話がスタート。それは、いままで聞き手に回っていたプレーヤーが物語の主人公になる恐怖が語られるのです。しかも、登場人物6人はプレーヤーによって選ばれる順番によって話す怪談が変わります。7番目の話も、6人目に誰を選んだかによって内容が変わる仕様。つまり、全42話+シナリオ内分岐ストーリーが存在しており、すべて味わい尽くそうとすると、何往復もする必要があるというほどの大ボリューム。生徒が語る1話の長さも、サウンドノベル作品のショートシナリオ1本分くらいの文量の内容があるため、Mサイズのミックスピザのようなとっつきやすさの見た目ですが、実際は600gランプステーキくらいの充実感が味わえる作品となっています(誉め言葉)。

『学校であった怖い話』(スーパーファミコン)のストーリー

新聞部所属の1年生である主人公は、ある日、部の先輩から次回の校内新聞の企画に参加するように言われる。それは、怪談のネタに事欠かない旧校舎の解体に合わせて、学校の七不思議について取材しようというものだった。1年生が先輩の命令に逆らえるはずも無く、流されるままに取材を担うことになってしまった主人公。取材当日、新聞部部室には7人の語り部が集められるはずだったのだが、そこにいたのは予定より1人足りない6人の男女。どことなく不穏な空気が渦巻く中、7人目の語り部を待たぬままに七不思議の会が開かれようとしていた…。

『学校であった怖い話』(スーパーファミコン)のスクリーンショット

『学校であった怖い話』(スーパーファミコン)の魅力

本作の魅力は、ガチでホラーアドベンチャーを作ってきたところですね。サウンドノベル作品である『弟切草』『かまいたちの夜』は、背景に実写を使いながらも登場人物は出さない、もしくはシルエット表示にして、プレーヤーに想像させるという小説のようなアプローチの作品でした。ところが、本作は登場人物もすべて実写取り込みで表示し、「怖いものを見せる!」というアプローチ。これは、既存のサウンドノベル作品と目指している方向性がまるで違います。『怪奇大作戦』『ウルトラQ』『アンバランスゾーン』『あなたの知らない世界』といったテレビで放映していたホラー系番組を思わせる作風でした。

「生徒から学校にまつわる怖い話を聞く」というスタイルによって、ショートショートのオムニバス形式になっている点も特筆すべき点です。『弟切草』『かまいたちの夜』が抱えていた問題点である「毎回話が変わるのは面白いけど、1周のプレイ時間が長い」をこのスタイルで解決しています。このアイデアはとても秀逸なのですが、残念なことに他のサウンドノベル作品に受け継がれることはありませんでした。受け継がれているのは、続編である『晦(つきこもり)』と『学校であった怖い話』シリーズのみ。それゆえ、本作ならではのオリジナル要素として際立った存在感を示しています。

さて、そんな本作ですが、何回かプレイしていると、想定していたのと違う話が展開されることがあります。「次は〇〇の話が来るはずなのに、なんか別の展開になっているぞ!」ということが起きるのです。実はこれ、隠しシナリオです。上記に書いた者とは別に8つの隠しシナリオが存在しています。その出現方法は、手順の通りに選択肢を選ぶだけだったりするのですが、「まさか、その選択肢がフラグだったとは!?」というものまで入っているため、自力での発見は困難を極めます。しかしそれゆえに、プレーヤー自身も物語に捉われているような恐怖を味あわせる仕掛けとなっており、そういうところも『学校であった怖い話』の魅力といえるでしょう。

レトロゲームとしての『学校であった怖い話』(スーパーファミコン)

本作の脚本を手掛ける飯島健男(現:飯島多紀哉)さんはパソコンゲーム出身の方で、人類が滅亡した後の地球の派遣をめぐってモンスターとエイリアンが激しい戦いをくり広げる『ラストハルマゲドン』や八玉の闘士たちが数千の敵の軍団と戦う『BURAI』など、「こんなゲーム、飯島さんしか作れねぇ!」という作品を手がけてきた方です。後に家庭用ゲームにも参入していくのですが、個人的な見解になりますが、『学校であった怖い話』の頃は初期の尖りまくっていた時期が落ち着き、自身の作風を大衆向けにどう活かすかが見えてきた、試行錯誤の末手応えを感じてきた、そんな時期なのかなと思っています。このような視点で、飯島多紀哉さん作品を追ってみるのも面白いかもしれませんね。

ちなみに、発売から20年以上が過ぎた作品ですが、ウチの息子にプレイさせてみたところ、「すごく怖いっ!でも面白い!」と言っており、名作は世代を超えて面白いことを証明しています。これから夏を迎えますが、夜にプレイするホラー作品として、『学校であった怖い話』はいかがでしょうか。

『学校であった怖い話』(スーパーファミコン)で遊ぶ方法

created by Rinker
バンダイナムコゲームス
¥14,800 (2021/10/15 18:00:29時点 Amazon調べ-詳細)
created by Rinker
バンダイナムコゲームス
¥838 (2021/10/16 10:21:55時点 Amazon調べ-詳細)

関連記事

【ゲームレビュー】『レトロゲームレイダース 最後のゲー戦』ゲームレビュー記事のまとめ
この記事は、このブログに掲載しているゲームレビュー記事を検索しやすいように、五十音順にリンクを張っているものです。
retrogameraiders.com
▼「面白い!」と思ったら▼
下記2つのバナーのクリックをお願いしますm(_ _)m


 にほんブログ村 ゲームブログ レトロゲームへ

=注意=
この記事に使われているゲーム画面やゲーム音楽の著作権はすべて権利者にあります。当ブログは権利者の温情によって使わせていただいている立場ですので、権利者から削除要請があった際には迅速に対応いたします。




この記事を読んだ人はこちらの記事も読んでいます: