
こんにちは、レトロゲームレイダー/ジョーンズです。
今回発掘したのは、1988年7月15日にナムコよりPCエンジン用シューティングゲームとして発売された『ギャラガ’88』。前年にアーケードにお目見えした同作品の移植版です。さあ、今宵も、歴史に埋もれし、レトロゲームの魅力を掘り起こしていきましょう。
『ギャラガ’88』って、どんなゲーム

『ギャラガ’88』は、タイトーの『スペースインベーダー』の流れを組む1画面固定型シューティングゲームです。シリーズとしては、1作目『ギャラクシアン』、2作目『ギャラガ』、3作目『ギャプラス』につづく4作目。4作目なのに『ギャラガ』の名前を冠している通り、3作目『ギャプラス』からの進化ではなく、2作目『ギャラガ』の正統進化の続編して作られました。
これは憶測ですが、『ギャプラス』は画面下半分なら上下左右に移動可能、各種ブラスターヘッドの取り付けによって攻撃方法が変わるなど、時代に合わせた進化がなされた作品でした。しかし、それによって失われたものもあるわけです。左右にしか動けないという行動制限がある中で、敵編隊の軌道を読んで、攻撃ポイントを自分で考えて、掃射していく。『ギャラガ』ならではのシンプルがゆえの面白さを取り戻そうと考えたのではないでしょうか。
『ギャプラス』はいい作品ではありますが、『ギャラクシアン』『ギャラガ』を超えるインパクトは出せませんでした。シリーズが約4年止まっていたのも、正統進化としてリリースした『ギャプラス』がプレーヤーから思ったほど支持を得られなかった結果と見たのかもしれません。ゆえに、シリーズ最高傑作といわれる『ギャラガ』に立ち戻り、別進化のカタチを探ったのが、『ギャラガ’88』だったのではないかと思います。

『ギャラガ’88』は、『ギャラガ』の進化版です。『ギャラガ』というゲームは、画面上部に陣形を組んだ敵(ギャラガ)を1匹残らず撃っていき、すべての敵(約40匹)を殲滅させると1ステージクリアというゲーム。
敵ははじめから陣形を組んでおらず、画面の橋から編隊を組んで飛来してきます。そこで攻撃ポイントを予測し、掃射することで、陣形を組む前に多くの敵を倒すことが可能。つまり、「先手必勝」の原理が分かりやすく働くゲームです。敵は最大2編隊ごとにしか画面に登場しないため、「敵の第一波、来ます!」というノリで倒していきましょう。
『ギャラガ』という作品は、ある程度の連射こそ可能ですが、弾1発の重要性を感じられる作品で。1発撃ちもらす=敵の攻撃もしくは敵の接近を許してしまうことにつながり、こちらがやられるリスクが高まります。無駄弾はなるべく撃たない。確実に当てていく。自機の弾は連射で撃ち放題という近年のシューティングゲームに比べるとずいぶん地味ですが、ジャンルの違う緊迫感と面白さを感じられる作品でした。
そして、『ギャラガ’88』は上記のような『ギャラガ』の面白さを継承した作品なのです。

『ギャラガ’88』は、いろいろな動きで個性を出してくる宇宙昆虫軍団を倒していくゲームなのですが、敵を倒すと、花火のように散ったり、爆風を巻き起こしたり、いろいろなリアクションがあります。真っ暗な宇宙空間の中で、カラフルな色彩を放って消えていく敵。その1つひとつに派手さはないのですが、「なんかいい」のです。
俺たちは近年、分かりやすい派手な演出のゲームに触れる機会が多いですが、『ギャラガ’88』の演出は、花火で例えると線香花火。派手な音と光はありませんが、わずかな音と光で自身の存在をアピールするというか。そして、「派手な演出がなくてもゲームって面白いんだ」ということを、あらためて俺たちに教えてくれます。
ここがスゴいぞ、『ギャラガ’88』!
とはいえ、『ギャラガ’88』は、地味なだけではありません。『ギャラガ』よりも大きく進化している箇所がいくつもあります。その1つが、敵のトラクタービームを利用した自機のパワーアップです。

トラクタービームとは、宇宙昆虫軍団の一部の敵の攻撃であり、自機を捕縛し、捕虜にしてしまうというもの。喰らうと一機消失です。しかし、ご安心ください。捕縛された時期はカラーリングがギャラガ軍仕様となり、敵陣営に付いてしまうのですが、捕縛した敵を倒すと救助することができます。すると、自機はファイター二機が並んだデュアルファイターとなり、攻撃力が2倍になるのです。ここまでは『ギャラガ』と同じ。さらに、3機目の追加も可能で、さらに攻撃力の増したトリブルファイターに変形することも可能になりました。

さらに、最初からデュアルファイターで出撃できるモードも搭載。スタート時から攻撃力が2倍のため、敵を殲滅させやすくなっています。ウデに自信がないという方にはオススメです。
ただし、デュアルファイターは自機の面積も二倍のため、敵の弾に当たりやすい、敵の特攻を受けやすい、という弱点があります。何事もメリットだけじゃないということですね。

真要素である「ディメンション・ワープ」についても語らないわけにはいきません。これは、ステージ内にある青いカプセルを2つ取っておくと、ボーナスステージ(ギャラクティック・ダンシング)の終了後に、別の次元にワープできるというものです。
これはステージをワープできるということではなく、高次元にワープすることで、同じステージでも出現する敵が強くなり、より高得点を稼ぐことができるということです。ということはつまり、敵も強くなり、ゲームの難易度も高くなっていくということ。
しかし、それを裏返して考えてみると、ディメンション・ワープを使わなければ、敵が弱い状態でステージを進められるということでもあります。つまり、プレーヤーが意図的に難易度調整することができるということ。いろいろなレベルのプレーヤーに合わせる懐の深さ――それが『ギャラガ’88』という作品の魅力だと俺は思っています。

PCエンジン版の『ギャラガ’88』は、アーケード版の移植です。アーケード版は縦画面だったのに対して家庭用テレビに合わせて横画面仕様になったことで、宇宙昆虫軍団との距離が近くなり、アーケード版よりも緊張感が増すカタチになりました。
また、画面が立てスクロールしていくオリジナルステージも追加されており、アーケード版のパワーアップ仕様といった感じ。ディメンション・ワープの次元はアーケード版より1つ減っているんですけどね。

『ギャラガ’88』は、作品が登場した当時、あまりにも『ギャラガ』でありすぎたために、「古い」というレッテルを貼られてしまいました。1987~1988年ってアーケードゲームも家庭用ゲームも全盛期で、どんどん新しいすごいゲームが生まれていた時代ですから、懐古するには少し早すぎたのかもしれません。
しかし時代が流れ、1987~1988年のゲームすべてがレトロになった今だからこそ、再評価されていいのではないかと、個人的には思っています。宇宙空間で花火のように爆ぜるギャラガ。夏にふさわしいゲームかもしれません。

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