
こんにちは、レトロゲームレイダー/ジョーンズです。
今回発掘した作品は、2006年8月にカプコンからプレイステーションポータル用アクションゲームとして発売された『極魔界村(ごくまかいむら)』。スーパーファミコンで発売された『超魔界村』から15年を経て出た、シリーズナンバリングタイトルとしての待望の新作でした。ところが、この作品、あまりの難しさに支持を得ることができず、魔界村は10数年にわたって再び沈黙してしまうことになります。
さあ、今宵も、歴史に埋もれし、レトロゲームの魅力を掘り起こしていこう――。
『極魔界村』とは

『極魔界村』は、シリーズ屈指の難易度を誇るゲームです。しかし、その事実を「ただ難しくなった」と捉えてしまっては、本作の本質にはたどり着けないと俺は思います。
『魔界村』『大魔界村』はもともとアーケードゲームであり、スーパーファミコンで出た『超魔界村』もアーケードゲームらしいゲームデザインの作品でした。シリーズ4作目である『極魔界村』は、家庭用ゲームという点を鑑みて長く遊べる新作魔界村を目指して作られたと推測されます。
その結果、これまでは一撃で破壊されてしまっていた「ヨロイ」に耐久度という概念が付け加えられ、敵の弱い攻撃には複数回耐えることができ、また「盾」というアーサーの防御力が上がるアイテムも増えました。武器にもハズレがなくなり、すべての武器に長所があり、加えてパワーアップアイテムを取ることで攻撃力を上げることも可能に。さらに、上下への攻撃だけでなく、序盤から二段ジャンプも可能であり、『大魔界村』と『超魔界村』の良いところを取った仕様になっています。
さらに、各ステージには隠し通路があり、攻略がラクになるアイテムの入手やゲームクリアに必要な光のリングが手に入る。つまり、この探索要素が追加されることにより、一度クリアしてステージもアイテムを駆使していろいろやってみると、新しい発見があるというアクションゲームに生まれ変わっているのです。
…と、このような書くととても面白くなって遊びやすくなっているように思われるのですが、本作の最大の問題は、これだけアーサーのパワーアップが図られたものの、攻略がラクになることはなく、このパワーアップ要素をすべて駆使しないとクリアが難しいほどの難易度にしてしまったことです。ステージ1クリアすら相当難しいことを覚悟してください。

『極魔界村』のストーリー

この世のすべての支配を目論む魔界は、大地を司る王家の血を魔界の血に加え、より強大な力を手に入れようとしていた。そのため、王家の姫プリンセスは幾度となく魔界に狙われていたのである。しかし、その野望は伝説の騎士アーサーの活躍によって、過去三度にわたり阻止されていた。
ここに至り、魔界ではこれまでの魔王を遥かにしのぐ暗黒の魔王が人間界進出に名乗りを上げる。そして開始される魔界による四度目の人間界侵攻。それはかつてない禍々しさに満ちた魔の進軍だった。魔界も魔王を3人失い、本気を出してきたのだ。
プリンセスの危機の知らせを聞いた騎士アーサーは、すぐさま城に向けて馬を走らせる。しかし一足遅く、プリンセスはあらたな魔王の手中におさまったあとだった。魔王はアーサーに語りかける。
「これでプリンセスに流れる王家の血は魔界のものとなり、すべてを闇が支配するのも時間の問題。我ら暗黒の魔界が動き出した以上、お前ごときに邪魔立てはさせんわ」
それを聞いてアーサーは決意する。四度目の魔界への旅を。それがかつてない激しい戦いになることを悟りながら…。

『極魔界村』の魅力

『極魔界村』の魅力は、「魔界村とは、カンタンにクリアできない試練の旅」というシリーズの伝統を守って、高難易度アクションゲームであることを貫いたことでしょう。
前章と言っていることが違うと思われるかもしれませんが、魔界村の面白さは「難しさを自力で乗り越える」というところにあると俺は思うんですね。PSPの家庭用ゲームになったからといって、ヘンにライトユーザー向けにぬるいゲームになることなく「難しさ」を貫いた点は、『極魔界村』の魅力だと思います。
ただ、『極魔界村』に問題点がないかというとそんなことはなく、本作からの新しいシステムに慣れさせるというプロセスを与えず、最初から「これが今度の魔界村だぜ!かかってきな!」というスタンスになっているため、面白さが分からないまま脱落するプレーヤーが多くなる傾向の作品になっていると推測されます。これはいただけません。
とはいえ、『極魔界村』は正統進化の『魔界村』であることも事実です。グラフィックはドットからポリゴンに変わりましたが、発売時期にしてはポリゴンの使いかたが上手く、おどろおどろしくも美しい魔界村となっています。武器のパワーアップ、ヨロイのパワーアップ、盾の追加、魔法の仕掛けなど、これまで以上に覚えることが増えたため、慣れるのに時間がかかる作品ではありますが、ある程度操作に慣れて、アイテムを取って行けば攻略がラクになっていく一面もあり、長く遊べる作品でもあると思います。
レトロゲームとしての『極魔界村』

『極魔界村』は、新しいことに挑戦した新作なのですが、その面白さをプレーヤーに伝えるコミュニケーションに問題がある作品だと思います。
1年後、本作のステージはそのままな、一部システムを変更して従来通りの魔界村感覚で遊べる『極魔界村 改』が発売されました。たしかにそちらは遊びやすくなっているのですが、『極魔界村』が目指していた方向性とは違うんだろうなと思える節もちらほら。
今、レトロゲームとして遊ぶ上では、両者を比較してみて、制作者が目指した新しい魔界村のカタチを想像してみるのはいかがでしょうか。
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