【名作発掘】『グラディウス2』(MSX)――これは俺にとってのダ・ヴィンチだ!メタリオンが見せてくれた、8bitグラディウスのNEXTステージ!

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こんばんは、レトロゲームレイダー/ジョーンズです。
今回発掘した作品は、コナミが1987年8月にMSX用シューティングゲームとして発売した『グラディウス2』。豊富なアイデアと技術を結集させた、まさに「名作」といえる作品です。コナミのMSX作品では有名なカスタム音源チップSCCカートリッジを採用した初の作品なのですが、第一作でありながらすでにSCCを使いこなしたといえる名曲の数々であり、同時期のMSX作品をプレイしてみると、頭一つ抜けているすごい作品です。

さあ、今宵も、歴史に埋もれし、レトロゲームの魅力を掘り起こしていこう――。

『グラディウス2』(MSX)とは

『グラディウス2』(MSX)は、MSX版『グラディウス』の続編として制作されたMSXオリジナル作品であり、アーケード版『グラディウスII GOFERの野望』よりも先に世に出た『グラディウス』の続編です。残念ながら、アーケード版『グラディウスII GOFERの野望』がその完成度の高さにより正規続編として認知されており、本作は日の目を見れない作品となってしまいましたが、本作をリアルタイムで体験した者たちは皆、「伝説だ!」と語るほどの怪物作でした。

『グラディウス2』(MSX)について語るとなると、マジで一晩中語れてしまうほど伝えたいことが沢山あるのですが、我慢してかいつまんで話すと、『グラディウス2』(MSX)は「あったかもしれない、もう1つのネクストグラディウス」でした。

個人的な話になりますが、俺は『グラディウス』のステージボスであるビッグコアにモヤモヤしていました。ビックバイパーが戦っている敵バクテリアンは、有機物も無機物もなんでも取り込んでいく化物なのに、なぜビッグコアはあんなにも人が載っていそうな戦艦なのか。ここに違和感があったのです。しかし、『グラディウス2』(MSX)はこの疑問について回答をくれました。ステージボスである、ライオット艦、ミスフィッツ艦、メイヘム艦、アバドン艦は、元グラディウス宇宙軍の戦艦なのです。つまり、バクテリアンは滅ぼしてきた文明の兵器を自軍の兵器として再利用しているのだ、俺はそう受け取りました。ビッグコアも惑星グラディウスと同程度の文明の兵器だったという解釈もできるわけです。

『グラディウス』は、ストーンヘンジやモアイなど地球上のオーパーツを外宇宙からの産物と解釈した独自の世界観を持っていた作品です。アーケード版『グラディウスII GOFERの野望』以降、その世界観は失われてしまうのですが、『グラディウス2』(MSX)にはまだその息吹が残っているんですね。つまり、1987年当時、『グラディウス』には今後どう進んでいくかの道がいくつかあったのです。『グラディウス2』(MSX)は、正史にならなかった、その可能性の1つとしての輝きを持つ作品だと俺は思います。

『グラディウス2』(MSX) のストーリー

第二次プラネット・ウォー「闇の女神戦」は、新鋭パイロット、ジェームス・バートンの活躍により、バクテリアン撃退に成功した。この戦いによって、リークパワーは大いに注目を集め、民間をも巻き込んだ開発競争が激化していく。そのようなな状況の最中、宇宙科学庁に初のリーク人技術長官が誕生した。技術長官の名前は「ヴェノム」。

ヴェノムの指揮の下、エネルギー効率を飛躍的に改善した「ハイパードライブシステムII」が完成。宇宙技術庁は、この技術を使った最新鋭超時空戦闘機「メタリオン」の開発に着手した。しかし、帝国政府はヴェノムの就任に対して微かな疑惑を持ち始め、ヴェノム周辺の調査を密かに実施する。時を同じくして宇宙科学庁内部のリーク人とグラディウス人の間にも、不和の空気が流れ始めていた。止まらない不和の流れはやがて大々的な反感へと燃えさかるのだった。

グラディウス暦6664年。
宇宙科学庁長官ヴェノム博士を始めとする10名のリーク人たちによって、グラディウス帝国に対するクーデターが勃発する。しかし、クーデターは皇帝ラーズ17世の手により鎮圧され、軍事裁判の判決を受けたヴェノム博士たちは惑星サードへと追放。クーデターの影響により政局は不安定に。翌6665年、凶弾により皇帝ラーズが暗殺され、政府の後継者争いにより政局は混迷の色を深め、事態は最悪の方向に向かっていく。この混乱に乗じて、ヴェノムたち10名のリーク人は、第三者の荷担により惑星サードから逃亡し、行方をくらました。

グラディウス暦6666年。
ネオ・スペースプラント7惑星からの通信が一斉に途絶えた。何者かによる侵略があったのだ。侵略の兆候は惑星グラディウス本星へと及ぶに至り、事態は更なる緊迫の度を増していく。軍部による必死な調査により、侵略者の正体が判明する。侵略者はヴェノム博士と9名のリーク人だった。彼は惑星サードに追放された後、バクテリアンの荷担を受け、惑星シンへ脱出。そこをベースとして構え、7つのスペースプラントを侵略。軍事要塞として手を加えていくと共に、惑星グラディウス本星に手を伸ばそうとしていたのだ。

バクテリアンは、グラディウス本星進行の実現を狙い、ヴェノムの野望に目をつけた。リーク人の能力を最大限に引き出すため、彼らに大掛かりなサイボーグ手術を施し、グラディウス侵略のための戦力をも与えたのだった。

帝国政府はこれに対抗する為、ビックバイパーのパイロットであり、リーク人でもあるジェイムズ・バートンをパイロットに任命。まだシステムに不安材料が残る最新鋭超時空戦闘機メタリオンをもって対処にあたった。憎しみが憎みを生む。後に、「サイレント・ナイトメア事件」と呼ばれる戦争のはじまりであった。

『グラディウス2』(MSX)のスクリーンショット

『グラディウス2』(MSX) の魅力

『グラディウスII GOFERの野望』は、アーケードゲームということもあって、前作『グラディウス』というゲームのフォーマットはそのままに、グラフィックや演出をはじめとするビジュアル面での強化が図られた作品だったと思います。一方、『グラディウス2』(MSX)は『グラディウス』というゲームのフォーマットにメスを入れて、新要素を加えていった作品だったのではないでしょうか。

その一例がパワーアップです。一定時間内にボスを倒すと、ボス内部に侵入することが出来、敵戦艦からリークパワーを奪取し、新たな武器を入手できる・パワーアップゲージが増えるという、ある意味、『グラディウスII GOFERの野望』におけるグラディウスの定義からすれば破天荒なことをやっています。

ステージ最後で待ち受けるボスは、ライオット艦、ミスフィッツ艦、メイヘム艦、アバドン艦といったビッグコアに類似した戦艦です。『グラディウスII GOFERの野望』の多彩なボスに比べると個性が弱いと思われがちですが、前作『グラディウス』のステージボスがビッグコアばかりだったことを考えると、より『グラディウス』らしいのは『グラディウス2』(MSX)のほうでしょう。

ヴェノムが潜む惑星シンまで侵攻したメタリオンは、ヴェノムが入れ違いに惑星グラディウスに進撃している事実を知り、これまでのステージを戻る――クリアしたステージのちょっと難易度が上がった版をもう一度プレイするという仕様は、ある意味、難易度の高い2周目に意味を持たせたという解釈も可能です。

巨像を擬態した防衛システムが生きている惑星、後に『グラディウスIII 伝説から神話へ』にも採用される植物惑星、後のシリーズに多用されていく柱を壊すと屋根が落下してくる神殿惑星、火山ステージの発展版といえる浮遊大陸、プロミネンスに対して火力で道を切り拓く炎の惑星、アーケード版『沙羅曼蛇』とのつながりを感じさせる生体惑星…。後のシリーズを展開を知っている「今」からすれば、グラディウスらしいステージかもしれませんが、そのグラディウスらしいを切り拓いたのは『グラディウス2』(MSX)だったと思います。

最後は、SCCカートリッジによる最高の音楽たち。俺は音とか技術的なことはよく分からないのですが、『グラディウス2』(MSX)のBGMはMSXのPSGとSCCで奏でられており、SCCのキンキンとした金属的な音がブラス的な使われ方をしていて、それが『グラディウス2』(MSX)の世界観にマッチしていて、あらゆるロジックをすっ飛ばして、カッコよすぎるゲームミュージックだったと思います。

『グラディウス』は、俺たちに新しい宇宙を見せてくれたゲームでした。この『グラディウス2』(MSX)はその宇宙のもっと先――最先端の『グラディウス』を見せてくれました。昔のゲームの思い出を熱く語るのはキモイことかもしれないけど、人にはダ・ヴィンチやバンクシーを見て感動に身を震わせた瞬間があるように、俺にとっては『グラディウス2』(MSX)がそれだった。そんな気がします。

『グラディウス2』(MSX) で遊ぶ方法

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