【地獄発掘】『ヘクター’87』(ファミコン)――スターソルジャーの次に来たのは、まったく毛色の違う地獄シューティングだった!

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こんにちは、レトロゲームレイダー/ジョーンズです!
今回発掘した作品は、1987年7月に発売したファミコン用シューティングゲーム『ヘクター’87』。1987年に開催されたハドソン主催・TDK協賛のイベント『第3回TDK全国ファミコンキャラバン』の公式認定ソフトです。前年の公式認定ソフト『スターソルジャー』は最高に熱い伝説の夏を作り出したのですが、『ヘクター’87』はそうはいかなかったんですね。

さあ、今宵も、歴史に埋もれし、レトロゲームの魅力を掘り起こしていこう――。

『ヘクター’87』(ファミコン)とは

ひと言でいうと、美しいグラフィックで描かれたさまざまな時代の古代遺跡を、縦スクロール、横スクロールでめぐっていく個性派シューティングゲームです。誤解を恐れずに言えば、ハドソンが作ったキャラーバンシューティング用『沙羅曼蛇』と言えなくもないかもしれません。『スターソルジャー』とは異なり、対空攻撃の光粒子砲、対地攻撃のクラスター爆弾を使い分けていくスタイルとなりました。

本作の特徴はですね、「難しい!」――これに尽きます。

何が難しいかというと、自機の性能が低い。動きは遅いし、武器は弱いし、図体は大きくて的になるし、敵は速いわ硬いわ、そして体当たりばかりしてくるという。唯一の救いは、このゲームはライフ制であること。敵に一発当たっただけでは死にません。じゃあ、耐久性が高いかというとそんなことはなく、まあ、2回ぶつかると死んでしまうんですけどね。

名作『スターソルジャー』がどこまで行っても宇宙が続くゲームだったのに対し、本作はインカ帝国、マヤ帝国、アトランティス大陸、エジプト、ムー大陸、邪馬台国といろいろな時代と舞台を、しかも1ステージごとに縦スクロールと横スクロールに切り替わっていくという「魅せるシューティング」になっています。しかし、すぐ死ぬので「死せるシューティング」になっているのが事実なのですが。

ここまでこの記事を読んで「ヘクター’87って、全然褒めるところがないじゃん」と思われるかもしれませんが、そんなことはないんですよ。『ヘクター’87』をきちんと楽しむためには、まず、ストーリーを把握しなければなりません。

『ヘクター’87』(ファミコン)のストーリー

星歴4622年。タイムハープ社の調査船団は、太古の地球に調査に向かっていた。しかし同じ頃、謎のバイオメカの軍団が、地球の古代文明の時代に出現し侵攻を開始。歴史改変を目論んでいた。タイムハープ社の調査船団の多くは、襲撃を受けて撃破されてしまう。ただ一隻残った船の名は「ノア」。光粒子砲とクラスター爆弾しか持たない調査船1隻 VS バイオメカ軍団という絶望的な状況下、ノア号の孤独な戦いが始まる。

『ヘクター’87』(ファミコン)のスクリーンショット

『ヘクター’87』(ファミコン)の魅力

はい、ストーリーを読んでいただくと分かるのですが、『ヘクター’87』の自機「ノア」は戦闘機ではなく調査船なんですね。タイムワープにより太古の地球の調査を行なっていた際、謎のバイオメカ軍団の時間改変侵略の場に出くわし、歴史を変えられてしまい、帰る未来を失ってしまったわけです。当然、増援も来ない。孤立無援の状態で、一縷の望みを託して、絶望的な戦いに身を投じるのが、この『ヘクター’87』なわけです。

そう考えると、「そりゃ、難易度が高いわけだ!」と納得できませんか?

できないと思いますが、このブログの読者はみなさんいい歳した大人なので、そこは納得しましょう。『ヘクター’87』は前年のキャラバンシューティング『スターソルジャー』の印象を持っているほど「なんじゃ、こりゃ!」と思ってしまいますが、『スターソルジャー』とまったく異なるシューティングなだけであり、『スターソルジャー』よりも劣っているゲームというわけではありません。楽しさ・面白さが違うだけなのです。

本作は、アドリブプレイが非常に効きにくい作品です。ということは、敵の出現パターンを覚えて、先手先手を打って敵を倒していくとノーダメージで進めるというカタルシスを感じられるということ。そのため、『スターフォース』や『スターソルジャー』のように、敵が編成ごとに出現してくるテーブル制ではなく、ステージの出現場所が決まっている配置制になっていることも、「覚えること」が前提となっているからと考えられます。地上に出現するとあるポイントを攻撃すると地上の敵が誘爆していく仕様も、点数稼ぎよりも敵の撃破にアドレナリンが分泌されることを考えているのでしょう。

本作では、自機がやられるとステージの特定の場所まで戻されてしまいます。この仕様も本作の不評要素の1つですが、「覚えること」が前提となっていると考えると、この仕様は何度も同じところをプレイさせて「覚えさせる」という意図が見えてきます。ゲーム脳を飛躍させれば、時空調査船であるがゆえに、自機が破壊される前に戻ってやり直している…という解釈もできます。

それからですね。本作の敵が硬い問題は、1987年のキャラバンより連射コントローラー『ジョイカードマークII』の使用がOKとなったことが大きく関係していると思われます。ゆえに、本作の正しいプレイスタイルには、『ジョイカードマークII』が欠かせないのです。

この記事を書くにあたって、俺は『ヘクター’87』をプレイし直し、クリアに漕ぎつけました。「敵の出現パターンを覚えて、先手先手を打って敵を倒していくと面白い」という感想は、この賜物です。最後のほうは敵の攻撃が激しすぎて這う這うの体で運よくクリアできた感じでしたけどね(ぜいぜい)。

『ヘクター’87』(ファミコン)のレトロゲームとしての価値

そんな『ヘクター’87』ですが、「ヘクター」とは凄腕プログラマーの小山俊典さんのニックネームであり、『ワンダーボーイ』を『高橋名人の冒険島』として見事にファミコンに移植したことのご褒美として、「ヘクターの好きなように1本ゲーム作らせてやるよ」という話から生まれたという逸話があります。つまり、『ヘクター’87』はプログラマーであるの小山俊典さんのプログラム的実験要素が強く、技術的に凄いことをやっているゲームという面が強い作品といえるのではないでしょうか。

この記事を読んで興味が湧いたら、あらためて『ヘクター’87』に挑戦してみてはいかがでしょうか。これまで気づかなかった魅力に、今なら気づくことが出来るかもしれませんよ。

ボンバーキングも友情出演しているぞ!

『ヘクター’87』(ファミコン)で遊ぶ方法

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