【名作発掘】『ジャッジメントシルバーソード -Rebirth Edision-』(ワンダースワンカラー)――審判の時は来た!コンパイルシューティングの魂を受け継いだ、携帯ゲーム機STGの最高峰!

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こんにちは、レトロゲームレイダー/ジョーンズです。
今回発掘した作品は、バンダイの携帯ゲーム機ワンダースワンカラー用シューティングゲーム『ジャッジメントシルバーソード -Rebirth Edision-』。ワンダースワンの横持ちもできるし縦持ちもできる特性を活かした縦スクロールシューティングゲームです。出荷本数が少なかったこともあり、現在はプレミア価格がついています。自分は再販時に運よく買うことが出来ました。

さあ、今宵も、歴史に埋もれし、レトロゲームの魅力を掘り起こしていこう――。

『ジャッジメントシルバーソード -Rebirth Edision-』とは

同人で良質なシューティングゲームを手がけていたM-KAIさんが、ワンダースワンのプログラム開発ソフト『ワンダーウィッチ』のソフトウェアコンテスト「WWGP2001」に『ジャッジメントシルバーソード』を応募。これが見事グランプリを獲得し、その後、内容を調整して発売されたものが『ジャッジメントシルバーソード -Rebirth Edision-』になります。

しかし、この『ジャッジメントシルバーソード -Rebirth Edision-』、もともとの生産数が少なく、オンラインショップ限定販売だったこともあり、ワンダースワンというハード自体がマイナー、かつ、『ワンダーウィッチ』の存在を知っている人も少なかったため、一時期は知る人ぞ知るゲームでした。現在は、Xbox360の『エスカトス』に収録されていたり、steamで配信されていることで、手軽に遊びやすくなっています。

『ジャッジメントシルバーソード -Rebirth Edision-』』のストーリー

存在しません。

『ジャッジメントシルバーソード -Rebirth Edision-』のスクリーンショット

『ジャッジメントシルバーソード -Rebirth Edision-』の魅力

『ジャッジメントシルバーソード -Rebirth Edision-』は、ワンダースワンを縦持ちにして遊ぶ縦画面縦スクロールシューティングゲームです。自機の攻撃方法はシンプルで、前面に攻撃を集中させた「センターショット」、全面広範囲に攻撃できる「ワイドショット」、前面に出現し敵の弾を防ぐことができる「シールド」の3つを使い分けていきます。パワーアップアイテムは存在せず、上記の攻撃手段+防御手段だけを駆使して、全30面クリアを目指していくシンプルな仕様です。

全30面と聞くと「うっ!」と思われるかもしれませんが、1ステージは30秒前後、いくつかの敵の編隊もしくはボスキャラを撃退するとクリアというテンポ。1プレイクリアまで20分強と、そんなに時間はかかりません。そして、ステージクリア時間は短いほど得点にプラスされます。ここまで書くとなんとなく察していただけるかと思いますが、本作の醍醐味は「点数稼ぎ」です。クリアは結構カンタンにできてしまうんですね。いかに、前のプレイよりも高い点数を取るかが、とにかくアツい作品なのです。

分かりやすく言えば、キャラバンシューティングの一番おいしいところを上手く持ってきた作品といえるかもしれません。

硬い敵に対してはセンターショット。とにかく敵のすぐ近くまで寄って、短時間撃破を狙います。広範囲に現れる敵に対してはワイドショット。画面上を動き回り、撃ち漏らしがないようにしなければなりません。ゲーム中盤から敵は弾幕をばらまいてくるように。弾幕は弾の道を見極めて自力で避けていくことが基本ですが、時間削減のために使えるのがシールド。多少シールドエネルギーを消費してでも弾幕を突っ切り、敵の懐に入り込むことで死中に活を見出せるでしょう。

携帯ゲーム機では、画面の小ささとユーザーの想定されるプレイ時間の短さから、本格的なシューティングゲームがなかなか生まれませんでした。特に、本作が発売された2004年はシューティング不況期。携帯ゲーム機向けに一般大衆ウケしないオリジナルシューティングをわざわざ作るというメーカーもいなかったのです。ワンダースワンは残念ながら任天堂のゲームボーイアドバンスに比べてユーザー数を増やすことができなかった携帯ゲームハードです。ニッチなハードだからこそ、少ないけれども一定数は存在するニッチなユーザーに向けてゲームを作ることが1つの突破口になるということを、『ジャッジメントシルバーソード -Rebirth Edision-』はその後の支持数の多さで証明したともいえるでしょう。

ワンダースワンの独自機構、横持ちでも縦持ちでも使えることを活かし、携帯ゲーム機で縦スクロールシューティングができる環境を使い、誰も手をつけなかった短時間で遊べる、何度でも遊べる、ひたすら得点稼ぎがアツいという唯一無二の存在。それが、『ジャッジメントシルバーソード -Rebirth Edision-』という作品だったのだと思います。

ちなみに、私のワンダースワンクリスタルでもっとも長くプレイした作品が、この『ジャッジメントシルバーソード -Rebirth Edision-』だったりします。

『ジャッジメントシルバーソード -Rebirth Edision-』のレトロゲームとしての価値

一番の価値は、コンパイルシューティングの魂を引き継いでいるということですね。コンパイルは『ぷよぷよ』で一躍有名になりましたが、昔はシューティングメーカーとして名を馳せていたゲームメーカーでした。コンパイルシューティングの多くは、今から見るとスペックが高くないハードで作られていたのですが、びっくりするような技術力と言う基盤の上に、やればやるほど面白さが出てくるシューティングゲームを作っていました。

ビジュアル的な派手さに逃げることなく、撃つ⇒当たる⇒楽しいというシューティングの本質を感じさせてくれる、コンパイルシューティングの魂が、この作品には感じられます。

とはいえ、レトロスタイルなわけではなく、ハドソンの『スターソルジャー』から『ソルジャーブレイド』までのタイムスコアアタックのアツさ、タイトーの『レイフォース』や『ダライアス外伝』に見られる敵の攻撃、弾幕シューティングの弾のばらまき、トレジャーの『レディアントシルバーガン』へのリスペクトなどが入り、2000年代初期に21世紀の進化したコンパイルシューティングのようなものを見させてくれたところは、『ジャッジメントシルバーソード -Rebirth Edision-』のレトロゲームとしての価値ではないでしょうか。

あと、もう1つ。

マーケティングによってユーザーの欲しいものを見つけて計算して作るゲーム開発よりも、開発者自身が「面白い!」と思うものを作ったほうがパンチ力のある作品が生まれる。そんなインディーゲームの強さを2000年代初期に感じさせてくれたところも、今ふり返ると本作の価値なのかもしれないと思いました。

『ジャッジメントシルバーソード -Rebirth Edision-』で遊ぶ方法

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