【レトロゲームと俺物語】『ニンテンドウ64』と、レトロゲーム好きな息子と、接待ゲームの話。

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こんにちは、レトロゲームレイダー/ジョーンズです。
戦争を知らない子どもたちと、平和を知らない子どもたちとでは、見ている世界が違うと言います。このように、「自分の常識は、相手の常識ではない」ということが世の中には往々として存在し、これを意識していないことで人間関係のトラブルというものは起きてしまうわけです。

「明日、友だちが遊びに来るんだ!」

ある日、小学生の息子から報告を受けました。まだ新型コロナウィルスが世界に蔓延する前のお話です。息子は友だちが少ないわけではないのですが、あまり家に友だちを呼びません。どうやら、「家に呼ぶ=最上級のおもてなし」と考えているようで、よほど気にいった友だちしか連れてこないみたいなんですね。なので、今回の友だちはよっぽど気にいった子なのでしょう。

もう寝る時間が近づいているにもかかわらず、テレビの前でシャカシャカと何かをしています。何をしているのか聞いてみると、「明日、遊ぶためのゲームをチョイスしているんだ」とのこと。息子がお気に入りのニンテンドウ64のソフトの中から、友だちの接待に適したものを選んでいるようです。

そして翌日。

俺が仕事が終わって21次小室に家に帰ると息子が泣いていました。奥さんのほうを見ると、外国の映画の「お手上げだ」というジェスチャー。そこで、泣いている息子から話を聞いてみました。

その日の放課後。息子は新しい友だちを連れて家にやって来ました。「ゲームであそぼう!」「いいね!遊ぼう!」。そして、息子はテレビの前にニンテンドウ64を持ってきて、S端子ケーブルをつないで、ACアダプターをつないで、スイッチオン。

最初に遊んだのは『ディディーコングレーシング』。超有名な『マリオカート64』ではなく、あえてマイナーな作品チョイス。『ディディーコングレーシング』は『スーパードンキーコング』シリーズを手がけたレア社製。一説には『マリオカート64』よりもこっちのほうが面白いという勢力がいるのも納得で、なかなか”分かっている選択”だと俺は評価しました。しかし、友だちの反応は悪かったそうです。

息子は友だちの反応の悪さを察して次のゲームを替えました。『ボンバーマン64』。

なるほど、そうきたか。この作品は、通常のボンバーマンだけでなく、「バトルモード」、パズルゲーム「ぱにっくボンバー」、パズルゲーム「さめがめ」、ミニゲーム集「ボンバーマンランド」の5つのゲームが入っているお得用。接待ゲームのチョイスとして悪くありません。ただし、「ぱにっくボンバー」も「さめがめ」も大して面白くな…いや、今どきの子供に面白さを伝えるのはなかなか難しいゲーム。案の定、友だちの反応はイマイチだったそうです。

息子は次のゲームを勧めました。『ヨッシーストーリー』。

なぜ、ここで1人プレイ用のこのゲームを持ってきたのか。息子いわく、「僕が大好きなゲームだから」。なるほど。なんとなく感じていた友だちのニンテンドウ64への不信感を拭うために、「64にはこういうゲームがあるんだ」というアピールをしたかったようですね。しかし、『ヨッシーストーリー』はかわいい見た目ですが、なかなかブラックな要素も兼ね揃えた作品であり、この良さが分かるのはなかなかサブカル趣味な人ではないかと俺は思います。その心配は的中し、やっぱり友だちの反応は良くなかった模様…。

息子が選んだ次のゲームは、『エキサイトバイク64』。

うん、確かに『エキサイトバイク64』はとても楽しいゲームなのですが、ちょっとチョイスが渋すぎる気がします。子どもウケはしないんじゃないかなー。オフロードバイクってマニアックすぎるので、このゲームはせめてファミコン版『エキサイトバイク』をプレイしている人に対してアピールしたほうがいいと、お父さんは思うんだがなぁ…。やっぱり友だちの反応は鈍かったようで。

その次に息子がチョイスしたのは、『ドゥーム64』。

友だちの反応が思わしくないことにより、息子が精神的に追い詰められていて、もはや、まともな思考ができなくなっている様子がよく分かります。『ドゥーム64』を差し出されて、「ウヒャッホーウ、ドゥームだ!」と喜ぶのは、いつまでも少年の心を忘れない俺の友だちくらいのもので、そんな小学生がいたら俺もイヤです。案の定、ドン引きされてしまったようです。面白いんですけどね。

「じゃ、じゃあ、このゲームはどうかな?」と息子がソフトケースをごそごそしていると、友だちが言いました。

「ねえ、そんな古くてつまんないゲームじゃなくてさ。ニンテンドースイッチやろうよ」

その『ニンテンドースイッチ』の人気コンテンツのほとんどが『ニンテンドウ64』時代に作られたコンテンツなんだ、3Dスティックの過敏に反応しすぎるアナログ操作とカメラワークの悪さを上手くプレイで調整するのが64の面白いところなんだ、みたいなことを友だちに言いたかったそうなのですが、上手く言えなかったみたいで。結局、息子はギャン泣きして、友だちは「???」となりながら帰ってしまったそうです。

にんともかんとも。

感覚的な操作ができるニンテンドースイッチのゲームに比べると、ニンテンドウ64のアナログスティックは前世紀の遺産みたいなものなので、慣れ親しんでいない今の子どもたちには少しツライものがあるのかもしれませんね。

ともあれ、そういうカベをものともせずに、面白いものは面白いと感じる探求心旺盛な息子を、少しだけ誇らしく思いました。

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