【Q作発掘】『オバケのQ太郎 ワンワンパニック』(ファミコン)――迷い&行動しないは「詰む」ことを教えてくれる、ファミコンのタクティカルエスピオナージアクション!

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こんにちは、レトロゲームレイダー/ジョーンズです。
今回発掘した作品は、バンダイが1985年12月に発売したファミコン用アクションゲーム『オバケのQ太郎 ワンワンパニック』。個人的には、親に買ってもらったファミコンソフト3本目にして、買って遊んで15分で後悔したゲームでした。世間的な評価も「ク〇ゲー」と言われているのですが、ちょっと待て。ひさびさに遊んでみたら結構面白かったんですよ。これはどういうことだ?とここ数日遊んでみて得た結論は、「このプレイ感覚は『メタルギアソリッド』に似ているんだ!」。「何をバカな!」とみなさん思うでしょうが、まあ今回は俺の言い分を聞いてください。

さあ、今宵も、歴史に埋もれし、レトロゲームの魅力を掘り起こしてみよう――。

『オバケのQ太郎 ワンワンパニック』(ファミコン)とは

藤子不二雄先生の漫画『新オバケのQ太郎』を原作としているアニメ第三期版『オバケのQ太郎』のアクションゲームです。ゲームは、「お使いを頼まれたQちゃんが、ステージ途中にある届け物を見つけ、配達相手の窓を開ければクリアというお使いステージ」と、「さらわれたオバケ仲間を助けるために犯人を追いつめて倒す救出ステージ」の2つがあります。お使いステージが2つ続き、救出ステージが1つ入るという展開で進んでいきます。

お使いステージと救出ステージと分けましたが、基本的にゲーム進行はステージ終盤まで同じで、最後に配達相手を見つけるか、ボスと対峙するかだけが違うという感じです。

主人公のQちゃんは、原作通り、動きが遅く、ジャンプもポヤーンという感じ。マリオやソニックのような爽快感は皆無なアクションゲームの主人公です。しかし、オバケとしての特殊能力が使え、ジャンプボタンを押しっぱなしにすれば空中浮遊が可能となり、「Q」というアイテムを取れば透明になり一定時間的に当たってもダメージを受けません。すごいぜ。しかし、こんなアドバンテージを台無しにするマイナス面があり、それは「攻撃手段を持っていない」ということ。正確に言えば、スペシャルキャンディというアイテムを取れば、犬の敵に対してのみ有効な「ガウガウ砲」を放つことが出来るのですが、こちらキャンディ1つにつき4発のみ充填。しかも、犬以外の敵には効果がありません。

つまり、Qちゃんは敵からステージ最後まで逃げ続けなければならない、ほとんど逃げ続けるだけのゲームなのです。

さらに、原作の「ご飯10杯おかわりする」という設定を活かしたバイタリティシステムがあり、これはほおっておくとどんどんお腹が減っていくというゲージ。バイタリティが減ると空は飛べなくなるし、ゼロになると死んでしまいます。そうならないように、ステージ各所にある食べ物を食べ続けながら、バイタリティをこまめに回復させ続けて、さらに敵の攻撃を避けて、ゴールまで進んでいかなければなりません。

加えて、各ステージには制限時間が設けられており、これは1ミスした後も経過した時間は戻らない仕様となっており、プレーヤーを殺す気満々な苦行を強いるゲームデザインになっていたのでした。

いや、そういうことだと長年思い込んでいたんですね。しかし、最近プレイし直してみて、この作品が目指していたものが見えてきてちょっと思い直したのでした。

『オバケのQ太郎 ワンワンパニック』(ファミコン)のスクリーンショット

『オバケのQ太郎 ワンワンパニック』(ファミコン)の魅力

プレーヤーの分身である主人公が弱く、極力、敵と戦わずに目的地にたどり着くことを目指す。これが、『オバケのQ太郎 ワンワンパニック』というゲームの骨子なのですが、よくよく考えると『メタルギアソリッド』(前身たる『メタルギア』も)と同じなのです。透明になって敵をやり過ごす。透明になって敵の近距離まで近づいてガウガウ砲をかます。これ、ソリッド・スネークの戦いかたと似ていませんか。

Qちゃんの戦いに、迷いと躊躇は禁物です。なぜなら、バイタリティは刻一刻と減少していき、時間が経てば経つほど「できる選択肢」は減っていくから。だからこそ、瞬時に最適解を考え、行動に移さなければ先に進むことは出来ません。瞬間的に大胆に、しかし継続的に慎重に。なぜなら、Qちゃんは敵に触れるだけでやられてしまうから。だからこそ、極限まで緊張感と集中力を高め、シューティングゲームの弾避けのように一発も当たらないプレイが求められていく。

どうですか?面白そうに思えませんか?いや、面白いんですよ、『オバケのQ太郎 ワンワンパニック』は!

煙突から出てくる輪っか煙による天国ステージだけでなく、谷間に広がる地獄ステージも、一見すると嫌がらせなのですが、実はバイタリティ不足を解決する救済処置だったりします。行くことがミスを誘ったり、行った後で死ぬリスクもあるのですが(笑)。

同じようなステージが続くように見せかけて、実は食べ物の配置数が減っていて、バイタリティ消費の激しい空中戦を避ける必要があるエリアがあったり。スペシャルキャンディが配置されておらず、現存するガウガウ砲を温存して進んでいかなければならなかったり。あるルートを通って宝石を取らないと食べ物が出てこなかったり。全12ステージ、実はよく考えて作られていて、メリハリが付けられているんですよね。

惜しむらくは、それが伝わりにくいことだと思います。

ゲームとして狙っていたのは、タクティカルエピオナージアクション。もちろん、『メタルギアソリッド』ほどのものは考えていなかったと思いますが、『パックマン』『マッピー』『ラリーX』のような逃げて逃げて逃げまくる快感を狙っていたのではないでしょうか。俺は方向性は悪くなかったと思います。ただし、『オバケのQ太郎』という原作のほのぼのした作風のイメージに引きずられてしまい、このゲームの本質たる部分が伝えられなかったのは残念です。加えて言えば、ガウガウ砲以外にプレーヤーにカタルシスを与える一発逆転要素があると、もつと評価が変わったかもしれませんね。

レトロゲームとしての『オバケのQ太郎 ワンワンパニック』(ファミコン)

『メタルギアソリッド』のようなステルスゲームを遊ぶような緊張感でプレイすると、なかなか楽しめるのではないかと思います。Qちゃんの動きはもっさりしていますが、敵の動きももっさりしており、たぶん意図的なのですが動きが読めるようにパターンが分かりやすい動きをしているものばかり。よく観察してのぞめば、死中に活を見出すことは十分可能です。

それにこのゲーム、時間の経過があるという話をしましたが、時間の経過に伴って、背景の空の色が、朝、昼、夕、夜と変わっていきます。これもすごくないですか。夕焼けを背に、犬やカラスの猛攻をくぐり抜けるQちゃんの姿は、なんというか、長い戦いに身を置いている姿のようで、いい感じです。

自分も一度は投げ出したクチですが、この記事を読んで少しでも興味を持っていただけたら、プレイしてみていただければと思います。

『オバケのQ太郎 ワンワンパニック』(ファミコン)で遊ぶ方法

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