
こんにちは、レトロゲームレイダー/ジョーンズです!
今回発掘したのは、ナムコが1987年11月にアーケード用アクションゲームとしてリリースした『パックマニア』。あの名作『パックマン』を見た目立体にして、かつ、ジャンプができるようになったものであり、パックマンシリーズとしては五作目の作品になります。
個人的には、1988年に近所のデパートの屋上のゲームコーナーで実物を見て、あまりにもきれいな画面に見とれてしまった思い出があります。その後1989年になると、購読していたマイコンベーシックマガジンにX68000版の広告や紹介記事が掲載され、ヨダレを垂らして見入ったものです。
さあ、今宵も、歴史に埋もれし、レトロゲームの魅力を掘り起こしていこう――。
『パックマニア』(アーケード)のスクリーンショット



『パックマニア』(アーケード)の魅力

『パックマニア』の注目すべきところは、『パックマン』のように使い古されたゲームシステムでも、1つの追加要素と時代に合わせたグラフィックがあれば復刻できることを証明した点ではないでしょうか。
『パックマニア』は、ステージを構成するブロックやクッキー、そしてパックマン、モンスターたちを立体的なグラフィックで表現し、ジャンプ機能を追加した『パックマン』です。『パックランド』が別ジャンルのゲームとしてパックマンの世界観を広げたのに対し、本作はオリジナルにかなり忠実でありながら、別方向での世界観の広がりを模索した作品と言えるかもしれません。
追いつめられないように逃げ道を確保しつつ、ステージ内のすべてのクッキーを食べていくのが『パックマン』の醍醐味。しかし、パックマンがジャンプできるようになったことで、挟み撃ちになっても逃げられるという緊急回避が可能になりました。これは『パックマン』のゲーム性を著しく損ないかねない追加仕様です。しかし、ゲームは破綻していません。パックマンのジャンプがそこまで有能ではないため、複数の敵に追われているときは距離的に飛び越せませんし、飛ぶタイミングを間違えるとモンスターに捕まってしまいます。タイミングと使い時の見極めが大切な緊急回避テクニック止まりとなっているためです。
興味深いのは、ブロックやキャラクターを大きく表示したことにより、プレーヤーはステージ全体を見渡すことができなくなった点。これにより、プレーヤーはステージ全体のクッキーの食べ残し場所を把握しつつ、モンスターがどう動いてくるかをある程度予想していくプレイが求められます。前述したとおり、ゲームシステムはほとんど変わっていないのに、ステージ全体が見えなくなったことで不安と緊張感が増す仕掛けとなっています。そう考えると、ゲームプレイは突発的な会敵が頻繁に起こるわけで、緊急回避としてのジャンプは理にかなった追加要素と言えます。よく考えられているシステムです。
では、格段に面白くなったかというと、それは微妙です。これは本作のシステムをそのまま活かした続編が出ていないことからも明らかでしょう。局地戦の意味合いが強くなり、それは『パックマン』ほど多くの支持を得られなかったようですね。
ただし、『パックマン』のアレンジ作品では、立体的なグラフィックが採用されたり、ジャンプではありませんが、緊急回避的なギミックが追加されています。本作の長所は形を変えてシリーズに引き継がれているのです。斜め上から見ているレイアウトのせいで、上に行くのに斜め上にスティックを入れないといけないところが難点なんですよね。それも慣れれば気にならないのですが。
シリーズ唯一といえる立体ステージパックマンである『パックマニア』。ナムコのチャレンジ精神とゲーム作りの丁寧さが感じられる作品でもあると思います。
『パックマニア』(アーケード)で遊ぶ方法
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