『雨格子の館 一柳和、最初の受難』(PSP)とは

2007年3月に日本一ソフトウェアから発売されたプレイステーション2用推理アドベンチャーゲーム『雨格子(あまごうし)の館』の移植作品です。『雨格子(あまごうし)の館』は、推理アドベンチャーゲームではありますが、ファミコン探偵倶楽部シリーズや神宮寺三郎シリーズのようなゲームを想像されるとちょっと違います。プレイヤーの選択によってストーリーが変わっていくので、どちらかというと『かまいたちの夜』のような作品です。ただし、本作は自由度が高く、「なんでも聞いたり調べたりできる」代わりに「聞いたり調べたりする回数(行動量)」が決まっており、事件解決に関係のない行動ばかり取っていると、何も分からないまま殺人事件がくり返され、探偵の無力を感じられる…というゲームなのです。
結論、自分のガチの推理力が試される作品であり、周回プレイによって、もっと早い段階で犯人を特定し、第二第三の殺人を止めることができるという、自由度が何回も楽しめる推理アドベンチャーゲームであり、そのぶん、コマンド総当たりが聞かない難易度の高い推理アドベンチャーゲームです。
おすすめポイント

唯一無二のゲームであることです。ひと味違う良作アドベンチャーを作らせたら右に出る者はいないFOG制作作品だけあって、かなりの挑戦的なゲームデザインとなっており、他の推理アドベンチャーでは味わえない、プレーヤーが探偵になれる感覚を本当の意味で味わえる作品といえるでしょう。
登場人物たちのセリフは音声つきではないし、BGMもほぼ環境音といえるようなものばかり。はっきり言ってしまうと、かなり地味なゲームです。しかし、静止画では分かりにくいですが、ポリゴンで表現された館は、登場人物同士の会話中もグリグリと動き、ただ一枚絵の背景が表示されるよくある推理アドベンチャーゲームとは、かなりプレイ感覚が違います。たぶんこれは、意図的にプレーヤーの没入感を深める演出で、そのため、このゲームのプレイ感覚は自分で推理しながらミステリー小説を読んでいるそれに酷似しています。
本作は、難しすぎると言われたPS2版の反省を活かし、ヒントとなる情報が出てくるタイミングでアラームがなったりするEASYモードも搭載され、多少は取っつきやすくなっているようです。
『雨格子の館 一柳和、最初の受難』(PSP)のストーリー

大雨の降る山中にそびえる石造りの古風な別荘。そこには8人の男女が集まっていた。彼らは、手がける作品はすべてヒット作になるという謎多き脚本家「帽子屋」によって、新作の映画撮影のために集められた役者たちでした。しかし、その召集はウソ。復讐のために、外界から隔絶された別荘に集められたのです。犯人はこの日のために、綿密な計画を立てており、それは筋書き通りに進んでいました。たった一つの例外を除いて。
たった一つの例外――それは筋書きにない9人目の登場人物。普通の大学生、一柳和。彼は長期休みにリゾート地のペンションでのバイトしようと考えていましたが、そのペンションが火災で焼失。東京に帰る途中、道に迷い、山奥のこの屋敷に迷い込んでしまったのでした。天性の巻き込まれ体質である異分子の混入により、犯人による復讐劇は少しずつ狂いはじめていく…。
スクリーンショット






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早解きを目指すと、イラつく感じになってしまうかもしれませんが、のんびり、がっつり、取り組んでいくタイプの推理アドベンチャーだと思いました。人を選ぶ作品だと思いますが、ミステリー好きの方にはおすすめできると思います。

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