『イース I & II Chronicles』(PSP)とは

『イース I & II Chronicles』は、イースシリーズの一作目と二作目のリメイクが収録されたソフトです。『イース』は1986年にパソコンで発売されたアクションゲームで、その後、PCエンジン CD-rom2をはじめ、さまざまな家庭用ハードに移植されている名作です。
どのあたりが名作かというと、1980年代当時、「パソコンゲーム=難しい」というのが常識だった時代に、「がんばればクリアできる優しさ」を持ち込んだ作品でした。もう少し具体的にいうと、レベルデザインが秀逸だったんですね。『イース』の戦闘は、半キャラずらしといわれるもので、敵と半キャラ分ズラして体当たりすれば、こちらはダメージを受けず、敵にダメージを与えられます。半キャラ分ズラしていないと、こちらの攻撃力と某業力が勝っていれば敵にダメージを与えられますが、反対に負けているとダメージを受けてしまいます。こう書くと、あまり面白くなさそうに見えますが、要は剣を使った戦いにおいて、いかに自分に有利なポジションを取れるかどうかを、この半キャラずらしで表現しているのです。
『イース』は、プレイしていて爽快感を味わえる作品で、この体当たりと言える戦闘も、上手くいけば、ガシュッ!ガシュッ!とダメージを与えているSEが響き、敵を倒すとこの身体がバラバラになって転がっていくなど、「勝った!」「倒した!」を感覚的に分かる作りになっています。序盤の草原で半キャラずらしを覚えたらもう楽勝と思いきや、神殿では狭い通路の中でいかにポジションを取るかが求められ、廃坑では自分の周囲しか見えない中で突然現れる敵への対処が求められるなど、少しずつ半キャラずらし+αの技が必要となってきて、その戦い方に慣れてくることで自分の成長を感じられるのです。続編の『イースII』では、移動スピードが速くなったことと攻撃方法に魔法が加わり、プレイヤーを飽きさせないゲームデザインは健在なのでした。
話は『イース I & II Chronicles』に戻りますが、これは1998年と2000年に日本ファルコム自身によるリメイク作『イース ETERNAL』と『イースII ETERNAL』をベースに演出の統一化と2本カップリングにした『Ys I・II COMPLETE』をPSPに移植した作品です。移植に際してクロニクルモードという音楽やビジュアルを最新版に差し替えたモードも追加されています。何が言いたいかというと、パソコン版で高い評価をされた2作品がさらに磨かれ、追加要素までついたものが、この『イース I & II Chronicles』ということです。
パッケージ版がありますので、わざわざPSストアで買わなくてもいいという意見はあります。実際、ダウンロード版でもロード時間は体感でも大して変わりません。しかし、PSP本体でプレイするにあたり、UMDの読み込み振動がある・ないは結構大きな話だと思います。まだ、買っていない方は、ダウンロード版を買う最後のチャンスになり得ますので、この機会にご購入を考えてみてはいかがでしょうか。
『イース I & II Chronicles』(PSP)はどんな話

イースシリーズは、冒険家アドル・クリスティンが晩年に自身の冒険を書き残した冒険日誌にある冒険をゲーム化したという設定のゲームシリーズです。『イース I & II Chronicles』に収録されている『イースI』と『イースII』は、アドル・クリスティン最初の冒険譚である「古代イースの滅亡」という物語を前編・後編で描いています。
ちなみに、3作目は『フェルガナの誓い』、4作目は『セルセタの樹海』、5作目は『失われた砂の都ケフィン』、6作目は『ナピシュテムの匣』、7作目は『アルタゴの五大竜』、8作目は『ゲーテ海案内記』、9作目は『バルドゥークの檻』(これのみ冒険日誌とは別の話)という物語となっており、古代王国イースに関する話は、『イースI』と『イースII』だけです。公式設定では、ナンバリングは「イースから数えて何番目」という意味という話もあったのですが、ナンバリングが必ずしも冒険の順番通りではないため、この設定はうやむやになっています。
とにかく、『イースI』と『イースII』は、冒険家アドル・クリスティンのはじめての冒険であり、その生き方を決定づける1人の少女との出会いと別れの物語でもあり、イースシリーズに興味を持っている方はぜひ一度はプレイしてほしいと個人的には思っています。
アドルが冒険の先々でいろんな女の子と出会い、好意的にアプローチを受けても、どこか遠くを見ている謎は『イースI』と『イースII』をプレイすれば分かる!と俺は思っているのですが…!
『イース I & II Chronicles』(PSP)のスクリーンショット




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