『悪魔城伝説』のゲームレビュー

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こんにちは、レトロゲームレイダー/ジョーンズです。
今回発掘したのは、コナミより1989年12月22日にファミコン用アクションゲームとして発売された『悪魔城伝説』になります。『悪魔城ドラキュラ』、『ドラキュラII 呪いの封印』に続くシリーズ第三弾。本作では、シモン・ベルモンドの時代から遡った過去の出来事、ワラキア全土を巻き込んだ人類とドラキュラの戦いが描かれます。

さあ、今宵も、歴史に埋もれし、レトロゲームの魅力を掘り起こしていきましょう――。

『悪魔城伝説』とは

『悪魔城伝説』とは、ひと言でいうと、スーパーパワーアップした初代『悪魔城ドラキュラ』であり、初期三部作の総決算というべき内容です。

ディスクシステムから始まった悪魔城ドラキュラシリーズですが、本作ではファミコンロムカセットにフィールドを移します。当時出てきた大容量ロムによって「オマチクダサイ」というローディングがないテンポのいいアクションゲームが実現。一作目では舞台がドラキュラ城だけでしたが、二作目で出てきた城以外のMAPも本作では取り入れられ、「魔物が蔓延るワラキアからドラキュラ城と、その天守閣にいる魔王ドラキュラを目指していくACT」へと進化を果たしました。

今日まで続く『悪魔城ドラキュラ』シリーズの基礎部分が完成したのは、この『悪魔城伝説』においてといっても過言ではなく、ゲーム性、グラフィック、音楽、演出などなど、あらゆる点で最高峰の「名作」です。悪魔城ドラキュラシリーズファンなら一度はプレイしておいたほうがいいでしょう。

過去作品のレビュー記事

『悪魔城伝説』のストーリー

舞台は一度、1476年にさかのぼる。この時代に何が起きたのか。それは、魔王ドラキュラによる本格的な侵略戦争だった。

東方正教会はドラキュラ伯爵を正式に吸血鬼と認定し、討伐のための軍隊を、彼の居城があるワラキアに送り込むが、誰一人として戻ってくる者はいなかった。いよいよ追い込まれた当方正教会は、魔を持って魔を滅するために、伝説の一族に協力を要請した。その名はベルモンド。彼らは人間離れした身体能力を持ち、闇の眷属同様に不思議な技を使うこの者たちは、畏怖の対象として虐げられ、人里を離れて山奥でひっそり暮らしていた。教会の召喚に応じたのは、弱冠16歳の少年。彼は、ラルフ・C・ベルモンドといった。

ラルフは旅先で、自分と同じくドラキュラと戦う意思を持つ者たちと出会う。1人はグラント・ダナスティ。身軽さと投げナイフの達人だが、一族は惨殺され、自身も魔物に身を落とされてしまった。1人は、サイファ・ヴェルナンデス。東方正教会が送り込んだバンパイアハンターの1人にして不思議な魔法の使い手。1人は、アドリアン・ファーレンハイト・ツェペシュ。ドラキュラと人間の女性の間に生まれたハーフバンパイア。 彼は父親から付けられたその名を良しとせず、アルカード(ALUCARD/DRACULAの逆さ読み)と名乗り、 父親の悪行に許せず反旗を翻す決意をした。

時は、魔力全盛の中世暗黒時代のヨーロッパ。東方正教会によって伝聞を禁じられた悪魔城の伝説が、今語られる――!

『悪魔城伝説』は、ステージ構成がやばい!

今回紹介する『悪魔城伝説』は、初代『悪魔城ドラキュラ』同様にステージクリア型アクションゲームになりました。

前作『ドラキュラII 呪いの封印』は、ゲームの舞台であるトランシルバニアの「森」「沼」「河」「崖」「橋」「墓地」といったさまざまなステージが登場し、世界観を広げたものの、ステージ構成はどれも同じようなものばかり。そもそも『悪魔城ドラキュラ』はステージごとに特徴があって、プレーヤーを飽きさせない作りだっただけにガッカリ感があったのも事実です。

しかし、『悪魔城伝説』では原点回帰。各ステージにステージテーマにあったギミックと敵が配置され、『ドラキュラII 呪いの封印』で広げられたドラキュラワールドに、『悪魔城ドラキュラ』らしさを付加。その結果、すげぇ雰囲気のある悪魔城への道中ステージが作られました。

『悪魔城伝説』は、グラフィックがやばい!

そう、『悪魔城伝説』はグラフィックが素晴らしいのです。もともと初代『悪魔城ドラキュラ』からグラフィックには定評があったのですが、続編『ドラキュラII 呪いの封印』では緻密さに磨きがかかっていました。

そして三作目であるこの『悪魔城伝説』では、1つひとつのマップチップの描き込みもすごいのですが、1枚絵としての美しさも格段に上昇。ゲーム中はそんなに見てられる余裕なんてないのですが(アクションゲームですからね(笑))、スクリーンショットで見るとドット絵の美に惚れ惚れします。こういった背景のこだわりが、『悪魔城伝説』のおどろおどろしくもブレイブな世界観を作り出しているのでしょう。

『悪魔城伝説』は、BGMがやばい!

悪魔城ドラキュラシリーズは名曲が多いのですが、中でも『悪魔城伝説』は屈指の名曲揃いとなっています。

ディスクシステムには、FDS拡張音源というFM音源の一種が搭載されており、それによって奏でられるBGMの数々に定評がありました。本作はロムカセットになり、FDS拡張音源のない環境になってしまったのですが、コナミはロムカセットに特殊チップを載せてしまいます。それが「VRC VI」チップです。

「VRC VI」チップとは、コナミが開発したファミコン用のROMバンクコントロールチップです。64Kバイトを超えるROM領域へのアクセスとファミコンのグラフィック強化という機能があるものですが、『悪魔城伝説』では音源強化にも使われています。具体的には、通常のファミコンより3音の音源が拡張され、『悪魔城伝説』では、複数の独立したパートによるポリフォニックなキンキン音でBGMが演奏されます。それが「こんなの聞いたことねえ!」というものなんですね。

未知の音源で奏でられる、各ステージにとっても合った名曲の数々。唯一無二の体験がそこにはあったのです。

『悪魔城伝説』は、演出がやばい!

前述した「VRC VI」チップによるグラフィックの強化は、フツウのファミコンソフトでは実現できない特殊な動きを可能にしました。

例をあげるなら、ステージ2「時計塔」。巨大な歯車がグワングワンと回っていて、その上に乗った主人公が円周を描いて移動していくところ。巨大な振り子がリンゴーンリンゴーンと振れているところ。ステージ3「森」では、画面全体を覆い隠すような霧のところ。

このように、「よくファミコンでここまでやったな!」というステージギミックの演出もろもろがとにかくすごいのです。

『悪魔城伝説』は、仲間の存在がやばい!

『悪魔城伝説』では、シモン・ベルモンドの先祖であるラルフのほかに、プレイアブルキャラクターが存在します。前述のストーリーで語った、グラント、サイファ、アルカードの3人がそれです。

彼らとは、悪魔城に向かう途中で出会い、ラルフは誰か1人を連れていくことが可能です。プレーヤーチェンジはセレクトボタン1つで行なうことができ、仲間とは、サブウェポンが別々となっているため、あえてサブウェポンを温存したりと、状況に応じてキャラを使い分けていくことができます。

それぞれのキャラには、長所と短所がある点も面白いですね。グラントは、ジャンプ力があり、通常武器が投げナイフ、さらにはブロックに張り付くこともできる優れものですが、ダメージ耐性が弱く、すぐに大ダメージを負ってしまいます。サイファは杖により近接攻撃しかできませんが、サブウェポンを使った魔法が超強力でボス戦では比類なき強さを誇ることも。アルカードはコウモリに化けて自由にステージを回れるのですが、階段の途中で攻撃できないといった問題点も。

誰と一緒に行くかで、ドラキュラ城へのルートは変わりますし、プレイスタイルも、エンディングも変わります。

開発上のウラ話

『悪魔城ドラキュラ』の取扱説明書に書かれているストーリーには、シモン・ベルモンドの100年前に「英雄クリストファー・ベルモンドによって、ドラキュラ伯爵は倒された」という記述があります。で、『悪魔城伝説』は当初、シモンの100年前の物語であり、クリストファーがなぜ英雄と呼ばれるに至ったかを描いた物語と思われていました。本作の主人公の名前はラルフですが、正式には、ラルフ・C・ベルモンドであり、ミドルネームが「クリストファー」ではないかと言われていました。

しかし、そういったことがゲーム内で明かされることはなく、その後、ラルフとは別人としてのクリストファー・ベルモンドが主人公の作品『ドラキュラ伝説』が出てしまうことに。実はこれによって、シモンの100年前の戦いが2つ出てしまうという事態になったわけですが、後に、シリーズの調整が行われた際に、100年前は『ドラキュラ伝説』、200年前は『悪魔城伝説』と設定されました。

これをひとまずひと安心と受け取るかは人それぞれだと思うのですが、個人的には、スーパーファミコン版『悪魔城ドラキュラ』は初代のリメイクではなくシリーズ4作目シモン三度目の戦い構想があったのではないか?と疑っている人間なので、『悪魔城伝説』のラルフ=クリストファー説もいまだに本当はそうだったんじゃないかと想像を膨らませています。

シリーズにおける『悪魔城伝説』

『悪魔城伝説』って、どんな話なのかというと、本来、民衆を守るべき立場にある教会が魔王ドラキュラへの対抗に失敗。そのかわりに、これまで表舞台に立てなかったアウトサイダーたちが、教会が成し得なかったドラキュラ討伐を果たしてしまう話なんです。なかなか胸アツですよね。

ここからは個人的な推測なのですが。教会としては、自分たちの組織した軍隊ではドラキュラに歯が立たなかったわけで、自分たちの「権威」を守るために、ベルモンド一族を懐柔(言葉が悪いですが)したのではないか?と考えています。人里離れた山奥にひっそりと暮らしていたラルフですが、その子孫であるシモンが街中に住んでいるウラには、そんな背景があったと考えるほうが自然です。

そして、前述した「ラルフ=クリストファー設定」で当てはめていくと、『悪魔城伝説』くらいの戦いを制したベルモンドが「英雄」と呼ばれるように教会によって広報されたと考えられるし、つじつまが合う気がします。『ドラキュラ伝説I・II』におけるクリストファーの戦いも激しいのですが、ちょっとインパクトが弱いかなと個人的には思ったりして。

とにかく、『悪魔城伝説』以後、教会とベルモンド一族、そしてサイファのヴェルナンデス一族は距離を縮めていくわけで。復活のたびに魔力を高めていく魔王ドラキュラとの最終決戦(1999年)に向けて協力体制が整えられていったと推測されます。本作以降、二度と覚めることのない眠りについたアルカードも『悪魔城ドラキュラX 月下の夜想曲』で復活しますからね。

つまり、本作以降の『悪魔城ドラキュラ』はその多くが何かしら『悪魔城伝説』と関わりがあるというほど、シリーズの世界観を広げた本作は重要な位置づけにあり、悪魔城ドラキュラシリーズを追うためには欠かせない重要なピースでもあるわけです。

まだ未プレイの方は、ぜひ遊んでいただきたい作品です。何度も言いますが名作保証。ファミコンでのゲームづくりに慣れてきた職人集団コナミのもっとも脂ののったタイミングで作られた渾身の一作だと思います!

『悪魔城伝説』を遊ぶ方法

現行機で手軽に遊ぶには、ダウンロード専用の『悪魔城ドラキュラ アニバーサリーコレクション』がオススメです。PS4、Xbox ONE、steam、ニンテンドースイッチ版があるので、お好きな環境でお楽しみください!

みなさんの思い出話

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■グリーンヒルさん
こんにちは。このコメントを書く前に一度エンディングまでやってみましたが、とてもよく出来ているゲームだと改めて思いました。歩くと傾く床や回る歯車などのギミックがファミコンで実現できていたり、BGMの音色の多さなどは当時はとても驚きました。技術的レベルが高いだけでなく、それらをちゃんと生かしたグラフックと音楽を作ったスタッフのセンスも光っていると思いました。ファミコンのゲームを語るうえでは無くてはならない、まさに伝説のゲームだと個人的には思っています。

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