【珍作発掘】『沙羅曼蛇2』――蛇は一匹でいい。サラマンダは前作だけで充分だ!

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この記事は、コナミのシューティングゲーム『沙羅曼蛇2』に関する感想のようなレビューのようなものです。単体でみれば、そこそこ出来がいいシューティングゲームなのですが、『沙羅曼蛇』という名前が付いたばかりにどうしても前作と比較されてしまい、「ダメだ、あんなの!」と言われてしまいがち。「いっそ『亜那魂蛇(アナコンダ)』とか別のタイトルだったら良かったのに」と、私は10年くらい思いつづけています。

さあ、今宵は、レトロゲームの闇の部分を、紐解いていこう――。






ブログ代表
こんばんわ、レトロゲームレイダース/ジョーンズ博士です。

今回発掘した作品は、コナミが1996年1月にリリースした、アーケード用シューティングゲーム『沙羅曼蛇2』となります。タイトルからお分かりいただけるように、『グラディウス』の続編である名作『沙羅曼蛇』の続編。前作の登場から10年の月日を経て復活を果たした、誰も望んでいない続編でした。

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ひと言でいうと、残念な作品
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あまりこういうことを言いたくないのですが、本作は「残念なシューティングゲーム」です。

いや、単体のゲームとしては、そこそこきちんと遊べるものであり、大きな減点要素があるわけではありません。何が問題なのかというと、偉大なる前作に比べてあまりにもにじみ出すぎている小物感。大きな冒険をせずに、手堅く作った感じです。

そのため、ネット上の本作のレビューは惨憺たる有様です。

・ステージ構成が前作を踏襲したものばかり
・全体的にセンスが悪い
・ゲームに面白みがない
・敵の配置がウンコ
・グラフィックが総じて悪い
・すべてにおいて目新しさがまったくない などなど

遺憾ながら、書かれていることはおおむね事実です。

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(いきなりガッカリさせられるステージ1)

前作『沙羅曼蛇』は、とにかくスゴイ作品でした。『グラディウス』の続編が漢字で『沙羅曼蛇(サラマンダ)』ですからね。ちなみにこれは、なんでも漢字読みにするヤンキー文字という点だけで判断してはいけません。『グラディウス』という作品は「宇宙を描く」というテーマがあったわけで、その続編である『沙羅曼蛇』も同一テーマがあったと思われます。で、宇宙を示しているという曼荼羅をこのタイトルに入れてきて、「グラディウスとは違う宇宙を描くぞ、今度は!」という感じのところが、マジ卍なわけですよ。

ビジュアルインパクトもすさまじく、増殖する細胞、アステロイド地帯、吹き荒れるプロミネンス…。どのステージの画面を切り取っても、ひと目で「ヤバイ!このゲームただモノじゃない!」と相手を屈服させるパワーがありました。

ゲーム内容も、2人同時プレイ版グラディウスでありながら、グラディウスとは違う方向性を目指しているのはさまざまな仕様変更から一目瞭然であり、贅沢な気持ちにさせてくれる作品だったと私は思います。

だからこそ、『R-Type』をはじめとするさまざまな作品にインパクトを与えたのでしょう。

それに引き換え、『沙羅曼蛇2』ときたら…。

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(いまさらメカキングギドラのパクリかい)

前作の雰囲気を残しつつ、『R-Type』(ステージや巨大戦艦ネタ)や『レイフォース』(オプションシュート部分)とか他社作品の流行りの部分をちょこっと入れておこう的な作り(にユーザーからは見える)でお茶をにごした感じで、新しいシューティングを作る、前作を超えるという意気込みが感じられません。

もしかしたら開発チーム内に意気込みはあったのかもしれませんが、だとしたら目指すべきビジョンのレベルが低すぎるでしょう。

偉そうに書いてしまいましたが、そもそも「沙羅曼蛇の続編をつくる」という企画自体に問題があるわけで、開発チームのみなさんも被害者なのかもしれません。

そしてこの企画自体も、ゲームセンターからシューティングゲームがほとんどなくなった1996年において、かつての開発メンバーがほとんどいなくなり、ノウハウもないメンバーで1990年代のシューティングゲームを作ってみるために、ノーブランドだと見向きもされない、けどグラディウスを冠するのは危険、ということで、じゃあ沙羅曼蛇にしとく?的な思惑でもあったのでしょうか。

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(敵の攻撃も面白くない)

本作で起用された新兵器オプションシュートは、オプションを使った溜め攻撃。これは、ゲーム序盤でフル装備になった後に登場するオプションの有効的な使いかたとして考案されたものと推測されます。が、どうにもメリットがはっきりしません。たしかに強力な攻撃を起こせるのですが。攻撃力としてはすさまじく、オプションシュートを多用すればなんとかなってしまい大味なゲームに。かといって、溜めすぎないようにすると、自動追尾がこっちの思惑と違う敵を追尾して使いこなせない、と。そこも含めて駆け引きが熱いわけでもなく。中途半端なのでした。

自機について。1P側はおなじみビックバイパー。2P側はロードブリティッシュではなく、スーパーコブラ。蛇が二匹揃ったのはいいのですが、1981年製のコナミアーケードゲーム『スーパーコブラ』から持ってきたのでしょうか。『スーパーコブラ』は、『グラディウス』のベースといわれている『スクランブル』の続編なのですが、この中途半端な関係性が意味不明です。ちなみに、時代設定もグラディウスの正史から外されており、完全な外伝扱い。これならいっそ、最初から別のタイトルで良かったのでは?とまで思ってしまいます。

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(格好悪いテトランMk-II)

ただし、音楽は良いです。とてもいいです。

本作は、プレイステーションの『沙羅曼蛇デラックスパック』に前作と『ライフフォース』と一緒に収録されています。プレイステーションポータブル版では作品ラインナップにインパクトが弱いと感じたのか、『ゼクセクス』と『グラディウス2』が入ってお得な感じに。

本作は『沙羅曼蛇』という呪縛によって自滅してしまったような作品です。単体で評価されるというのは正直難しいかもしれませんが、逆に、「本作を面白い」と楽しめるのは幸運なことであり、才能ともいえるでしょう。過去作品を知らない若い人たちのグラディウスシリーズの入門としては、アリなのかもしれませんね。

その昔、『極上パロディウス』という作品がありまして。こちらは『グラディウスIII 伝説から神話へ』の後に出た外伝『バロディウスだ!』の続編なのですが。過去の栄光を求めて旅立つ物語でした。『極上パロディウス』は外伝という立ち位置にありながらも、グラディウスシリーズの名に恥じない、シューティングゲームの間口を広げるとともに楽しめる作品でした。『沙羅曼蛇』の名前を冠した作品が、過去の栄光を噛みしめる出来になってしまうとは、本当に残念です。

そこそこ遊べるんだけど、物足りなさと不満だけがドンドン湧いてくる不思議な作品。これは、ゲームレビュアーとして自分の未熟さから出てくる感想なのかもしれませんが、何度プレイしても本作はこういう印象です。

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(大切なものを破壊しちまった気がします)



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